皆様こんにちは。
移植前の患者様に質問を受けました。
新婚で不妊治療を始めたばかりの患者様からです。
明日から旅行に行きますが、帰ってきた直後に移植です。
旅先は素敵なホテルです。雰囲気にもよるのですが、今週期はタイミングを取らない方がいいですか?
はい、その質問ごもっともです!
結論・・・
移植前の性交渉は問題ありません。
むしろ、積極的に機会を設けましょう。
排卵後の性交にも意味があります。
精液の成分が免疫調整し着床を促し・維持を助ける効果があるからです。
詳細が知りたい方は下に。
少し難しい免疫の話になりますが続きをどうぞ!
○免疫の話
精液の働きを説明する前に、まずは着床と関係する「免疫」システムについてご説明しますね。
人間の身体には「免疫」機能が備わっています。
それは、体の中に侵入してきた細菌やウイルスなどを異物(自分以外の物)と判断し攻撃することで、自分自身を守るという仕組みです。
この免疫システムは、受精した胚を子宮内に戻す移植の時にも反応します。
移植した胚を自分自身の免疫機能により攻撃してしまったら・・・残念ながらその胚は着床することはできません。
子宮内に入ってきた”胚”を攻撃しないように抑制し(免疫寛容)、”胚”を子宮内膜が受け入れること、これが必要不可欠なのです。
○精液の話
さて、排卵後の性交は何の意味がないのか?というとそんなことはないのです。
排卵してしまっているので妊娠のための精子はもう必要ありませんが、着床の際の免疫機構に、精液(精漿)の働きは重要です。
着床期に子宮内が精液に暴露することにより、「制御性T細胞」と呼ばれる免疫細胞が増加します。この細胞によって免疫寛容のスイッチが押され、着床しやすくなる、かつ流産もしづらくなります。
移植後にタイミングを取るのは衛生的、刺激になるのもあって気になる方も多いと思いますので、移植前までにタイミングを取るのはいかがでしょうか。
ちなみに…それなら移植前に人工授精したらいいのでは?と思われますか?
でも、それだと精液の精漿が取り除かれ、精子のみに調整されてしまうので性交の代わりにはならないのです。やはり夫婦生活を持つのがおすすめの様子・・・。
ちなみに今回の質問をしてくださった方は、温泉旅行後の移植でご懐妊、クリニックも卒業なさいました。
おめでとうございます!
○終わりに
日々、不妊治療をしている方とお話ししていて、体外受精を始めると夫婦生活がなくなる方が多いように感じます。
体外受精を始めると性交は必要不可欠ではありませんが、妊娠をサポートしてくれる可能性があります。人体は良くできていて、無駄なものはないのですね。
移植しても妊娠に至らない…とお悩みの方、もう一度夫婦生活を取り入れてみませんか。
●参考論文・記事
○松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ
○Yell From Partners 2017.April.Vol.62
○Hum Reprod. 2000; 15: 2653
○Hum Reprod Update. 2015; 21: 275
○Fertil Steril 2014;104:1513
○J Reprod Immunol. 2009; 82: 66
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