不育症鍼灸では、いままでなんども流産を繰り返している原因を見極め、体質的な問題があれば、体質改善を目指します。
不育症の原因は様々で複雑です。 いままでの治療履歴などをしっかりヒアリングし、流産を繰り返さないカラダ作りをしていきます。
不育症は様々な因子が関与しているため、鍼灸単独で治療することはおすすめしません。
不育症専門医も受診すると同時に、鍼灸をお受けになって下さい。また、不育症については助成の対象にもなっておりますので、詳しくは不育ラボのページを参考にされてください。
不育ラボのサイト
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転院の相談のために来院され、転院先のクリニックで妊娠出産された事例
39歳 I様の場合
不妊治療の経緯
妊活開始4年目。
妊活を開始して3年。
採卵回数10回、移植回数15回。妊娠反応3回。化学流産1回、8週目心拍確認後流産2回
凍結胚:胚盤胞 4AB 1個
不妊の原因
抗リン脂質抗体、凝固因子陽性
不妊鍼灸を受けた理由
カラダの不調が多いため、クリニックで不育症の治療以外、自分自身で体質を改善するために取り組めることはないかと思い、当院を受診。また、いままで通院しているクリニックに自信が持てないということで相談を受ける。ドクター、ナース、担当が変わると言っていることがバラバラなので信頼できないと相談を受ける。
来院時にすでに受けていた検査項目
不育検査全般 (抗リン脂質抗体、凝固因子以外以上はありませんでした。)
BCE(慢性子宮内膜炎)
銅亜鉛検査
甲状腺検査
当院から依頼した検査
なし
おからだの症状
化学流産を3回繰り返しているため、不妊治療や妊娠に関するストレスで身心ともに疲弊しており、その為、自律神経が乱れていました。夜もぐっすり眠ることができず、常に妊娠の事ばかり考えている状態でした。
鍼灸治療計画
仕事が激務のため、まず鍼灸は週1回の通院。もしくは2週に1度は必ず通院して頂きたい旨をお願いした。
鍼灸の頻度が少ないため、それを補うために漢方も併用。
鍼灸治療経過と通院頻度
倦怠感、髪の毛の質、皮膚のどす黒い色が改善し、朝すっきり目覚められるように好転。
最後の凍結胚を移植するかどうか悩んだ末、この凍結胚をその他の検査を受けたクリニックへ移送し、そのクリニックで移植し、妊娠。
3回化学流産の経験があるため、不安な日々が続いたが、着床反応もhCG値が100を超え、順調に推移。12週まで通院され、当院を卒業。
妊娠29週にて逆子となり、当院卒業後は逆子治療で治療再開。
無事修復され、自然分娩にて出産。
鍼灸院からのメッセージ
検査項目が全て網羅されているケースでした。
医療職(コーメディカルとの信頼関係)
私は医療職との信頼関係の構築は非常に大切であると考えております。
ちょっとした意見の違いで患者さんは不安になられることが多いと思います。それが、例えば、患者さんの勘違いですらあることもありますが、そんなときは、ウェブであれこれ、
色々と調べずに専門家に尋ねていただき、不安を直ぐに払拭していただくのがベストです。
そのようなことがあれば、是非、私たちにお尋ねください。
銅と亜鉛の関係(検査済み)
体内の銅濃度が高い場合、子宮内膜に銅が付着すると着床しづらいとの報告があります。
亜鉛摂取はは血中銅濃度を下げる効果があり、着床しやすい子宮環境に貢献します。
慢性子宮内膜炎と流産の関係(検査済み)
慢性子宮内膜炎は、軽度の炎症が持続的に子宮内膜に起こることで、着床不全や妊娠初期の早期における流産の原因になります。
自覚症状が乏しいため、一般婦人科では診断されないことがほとんどです。体外受精で反復着床不全(Repeated implantation failure; RIF)の方、反復流産の多くに慢性子宮内膜炎があると報告されています。来院時には既にこちらの治療も済んでおりました。
甲状腺機能低下と流産の関係(検査済み)
TSH(甲状腺刺激ホルモン)が高いと流産率が上昇し、TSHの値が2倍になる毎に流産率が60%ずつ上昇する(1.6倍になる)という報告があります。甲状腺ホルモンは胚の成長や黄体機能に影響を及ぼすため、その機能の低下が流産に関与している可能性があります。甲状腺の検査についてもすでにお受けになり、チラージンを服用されていました。