生理痛、片頭痛、腰痛、冷え性など慢性的な不調があるかた、また、不妊に関連する疾患(子宮筋腫、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、甲状腺機能低下(橋本病)、高プロラクチン血症)がある方の多くは、抜本的な体質改善が必要です。体質改善をして、お子さんを授かった例を紹介しています。特に最近では二人目不妊が増えてます。日頃の疲れやストレスが溜まって不調を招いているのが原因です。なんか妊活をはじめてから体調が優れない、そういうお悩みがあるかたも体質改善が必要かもしれません。
鍼灸で慢性的疾患を和らげ体質改善をはかる
重度の生理痛、片頭痛、腰痛、冷え性を克服し妊娠した例の紹介
転院の相談のために来院され、転院先のクリニックで妊娠出産された症例

45歳 I.A様の場合
不妊鍼灸を受けた理由
二人目不妊。高齢で激務(45歳)、流産も経験(2回)、鍼灸にて体質改善希望。
妊活を開始して2年。現在3歳の長女を育てつつ、ご主人が仕事を休職されていることもストレスにて、自身の体調や健康には無頓着の状態で当院へ受鍼。
体外受精の経験
なし
流産の回数
2回 化学流産1回、心拍確認後の流産1回
不妊の原因
不明
来院時にすでに受けていた検査項目
なんの検査も受けず、当院を受鍼。排卵もいつしているか不明。
また、年齢の事を伝えたら医師に妊娠はあきらめるよう強く言われ、それがトラウマでクリニックを受診する気には到底なれないと来院。
不妊鍼灸治療の内容
お体の検査を進めていくと、お首、お腹、お背中、お腰など、ありとあらゆる箇所で圧痛あり。更に問診を進めていくと、重度の生理痛、片頭痛、腰痛、冷え性が判明。まずは、妊活というより、健康を取り戻すことに重視。流産の時期が睡眠不足で寒い雨が降る日に長時間現場で仕事をしていた直後に発生。大量の出血、その後流産となる。本人曰く、自身の生活を見直すことを認識する出来事であったと。
鍼灸治療経過と通院頻度
週1回プラス不調を早く改善するために、漢方を併用。生理は大量のため、おむつを履くほど。生理痛もロキソニンを生理開始から5日ほど飲みまくり、何とか仕事をしていることが判明。片頭痛も生理前後にマックスに達する。生理痛、片頭痛、冷え性、腰痛など、根本原因を特定し、治療に当たる。
2カ月目―3カ月目、治療後、体調は良くなるが、次の生理も生理痛や片頭痛が出現。一方、腰痛、冷え性は改善が見られた。このころから、更に良くするために何をすればよいか、自ら取り組む姿勢が見られ、ワークライフバランスを意識。冷える現場に行くときは冷えないように温かい服装を心がける、睡眠は十分とる、食べるものにも少しは気を遣うなど、できるところから初めていただく。
タイミングを取るのであれば、タイミングチェック(卵胞の大きさの確認)や血液検査も依頼。当院で高齢で妊娠されたい方にとってネガディブなことを言わないクリニックをお探して差し上げ、そちらを受診していただいた。
4カ月目、治療を開始して、3度目の生理はとても軽く、ロキソニンの服用も不要。9時までには帰宅するようになり、パートナーと過ごす時間も増え、生理が遅れていることを危惧していたが、5カ月目に自然妊娠が判明。その後、12週まで通院いただき、当院を無事卒業。
鍼灸院からのメッセージ
もともと体力はあり、健康には自信があるかたです。但し、ご自身の健康を過信し過ぎてしまい、健康をないがしろにしていた所で流産を経験。この症例では健康管理をしっかり行ったこと、病院へいって排卵日の予測をしっかり行ってもらったことが成果に繋がりました。鍼灸は人それぞれがもっている妊娠するポテンシャルを最大限引き出す治療です。しかし、そのポテンシャルを高めるのは私たちの治療自体ではなく、その方本人のカラダが高めるのです。例えば、傷口を治すのは薬ではなく、自分の自然治癒能力であるのと同じです。
圧痛もだいぶ改善され、生理痛・片頭痛など本来の健康を取り戻したご褒美として、きっとコウノトリが舞い降りてきてくれたに違いありません。