がんばりすぎないで。妊活にストレスは百害あって一利なし

妊活応援ブログ | 不妊鍼灸治療のアキュラ鍼灸院

アキュラにいらっしゃる患者様の多くに共通しているのが、みなさんとても頑張り屋さんなこと。きっと学生時代は勉強に部活動に、社会に出てからはお仕事に家事に、責任をもって成果を出されてきたのではないでしょうか。

みなさん、実年齢を聞いてびっくりしてしまうほど綺麗な方ばかりです。
でも、そんな頑張りが通じてくれない・・・。「思うようにいかない」ことだらけなのが不妊治療なんですね。
治療自体の身体的ストレスはもちろん、時間をやりくりする大変さ、周囲の理解を得にくい精神的なストレス・・・。
ストレスをためないでくださいね。ストレスはよくありません。
もう何度も耳にされてきたと思いますが、実際のところ、ストレスは妊娠にどのように悪影響なのでしょう。

目次

抗ストレスホルモン

ストレスを受けると、大脳がそれを感じ取り、視床下部へ伝えます。視床下部は、交感神経・副交感神経などの自律神経や、ホルモンバランスをコントロールしています。

ストレスを感じると視床下部から、ストレスに対抗するため様々なホルモンを分泌するよう指令が出されますが、なかでも重要なのが「抗ストレスホルモン」とも呼ばれるアドレナリンとコルチゾールです。

アドレナリン

交感神経を働かせる有名なホルモンです。副腎髄質から分泌されるアドレナリンは血管を収縮させて、体の大切な部分・脳や中心部に血流を集めます。また、気管支を広げ酸素を多く取り込めるようにしたり、心拍数を上げて血液をたくさん送り出せるようにします。いつでも戦える「戦闘態勢」を作るんですね。

コルチゾール

副腎皮質から分泌されるコルチゾールは医薬品によく使われる「ステロイドホルモン」という名前のほうがご存知の方が多いかもしれません。コルチゾールは様々な栄養の代謝に関係し、免疫機能や抗炎症作用を持つ大切なホルモンです。

妊娠に与える困った悪影響

戦闘のアドレナリンと防御のコルチゾールでストレスに立ち向かう訳ですが、妊娠を考えている方には嬉しくない作用も引き起こします。

① 血流を悪くする

血行が脳など上部に集中するため末端の血流が悪くなり、からだの上部はカッカしているのに手足・下半身は冷えた身体に。子宮・卵巣への血流も悪くなり、卵子や内膜の成長に影響してしまいます。

② ホルモンバランスを乱す

視床下部は交感神経と同時に性ホルモンバランスもコントロールしているので、交感神経の緊張状態がつづくことで性ホルモンバランスが崩れてしまいます。
特に、性ホルモンと成長ホルモンの分泌が減少します。

性ホルモン

これが減っては困ります!けれど、ストレスを感じている体はまず自分の生命を守ることを優先するので、今すぐ生命維持に関係しない消化や成長、生殖の機能をとりあえず後回しにします。視床下部から出される「性腺刺激ホルモン放出ホルモン(性ホルモンを出すように命令するホルモン)」の分泌が乱れ、結果的にエストロゲンやプロゲステロンなどの分泌が減ります。

成長ホルモン

成長ホルモンは子供の成長に必要なだけではありません。たんぱく質の合成や、組織の損傷・疲労の回復に必要な大切なホルモンです。

ここまでは妊娠に与える影響です。
実はストレスは妊娠後、それも妊娠初期の赤ちゃんに多大な影響を与えるとの報告が多く上がっています。

胎児に与える影響

人間の赤ちゃんは、受精後早い時期から脳の形成が始まり、妊娠5週目までに大脳や視床・視床下部・中脳や小脳がそれぞれ分化していきます。
妊娠8週目には、統合失調症と関係の深い脳の前頭前野で神経が形成されていきます。

ストレスによって増えた血中のコルチゾールはあかちゃんの神経になる細胞の分裂や分化を抑制し、発達異常を引き起こすことが知られています。お母さんの胎盤にはコルチゾールを無害な形に変換する機能がありますが、ストレスによりこの機能が低下してしまうと赤ちゃんはよりコルチゾールの影響にさらされるようになり、脳の神経形成に影響を受け、統合失調症や発達障害のリスクが上がると考えられています。

分かってはいても避けられないストレス・上手にやり過ごしましょう!

残念ながらストレスを全く感じずに暮らすことはできません。
自分ではどうにも避けることのできないストレスもあります。
そんな時はストレスを上手にやり過ごしてしまいましょう。

まずは睡眠!

ゆっくり寝て体を休めることはすべての基本です。組織を修復し疲労を回復してくれるのに欠かせない成長ホルモンも睡眠中に多く分泌されます。

身体を動かす!

適度な運動は、血糖値を下げる、血流を良くする、など直接の身体的効果もありますが、心地よい疲労が副交感神経を優位にし睡眠の質をあげてくれます。

笑う!

笑いは副交感神経を優位にし、ウィルスやがん細胞を排除する「NK(ナチュラルキラー)細胞」を活性化してくれます。

究極のストレス撃退法・ボディタッチ!

親しい人(ペットも)とのハグやボディタッチは、愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンを分泌させます。オキシトシンは痛みを和らげる・不安やストレスを軽減する、などの効果をもたらしてくれるホルモンです。

まさに「手当て」は究極のストレス撃退法です。

ボディタッチのきっかけには、ぜひお灸をお勧めします。

急にあらたまってボディタッチなんて・・・。忙しいし、言い出すタイミングも無いし・・・
そんな時、「背中にお灸をのせてね」なら言いやすいですよね。温まりながらじっと過ごす3分は一日忙しく過ごし緊張した神経をリセットし、タッチケアでオキシトシンを増やしてくれる一石二鳥のトリートメントです。
これらの方法はどれも生活・体質改善としてアキュラの治療の中でお勧めしています。
まだご自宅灸を未経験の方は、寝る前やリラックスしたひと時、大切な人とぬくもりを感じながらお灸を始めてみてはいかがでしょうか。

参考引用:「妊娠期の母体ストレスと脳機能形成異常(PDF)
(滋賀医科大学解剖学講座生体機能形態学部門 宇田川 潤,日野 広大)

鍼灸師 村上 華子

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