皆様、秋も深まり朝晩冷えるようになってまいりました。いかがお過ごしでしょうか。
今回の質問、移植前に良く聞かれます。
お勧めは、移植前にタイミングを取ること!※です。
もし反復して移植の結果が陰性なら、なおのことお勧めです。
移植前に性交渉をするとなぜ着床率が上がるのでしょう?
実は「精液」に含まれる成分が「着床」に適した「子宮の免疫環境」を作ってくれるのです。
人には、「免疫」機能というカラダの中に侵入してきた細菌やウイルスなどを異物(自分以外のモノ)と判断し攻撃することで、自分自身を守るというシステムが備わっています。
コロナで自己免疫を高めて感染を防ぐ、という際の「免疫」と同じです。
さて、免疫システムは受精した胚を子宮内に戻す移植の時にも発動します。移植した胚も半分は他人です。ご自分の免疫機能により攻撃してしまえば、残念ながらその胚は着床することはできません。
つまり入ってきた胚を免疫が「見逃す」=攻撃しないことが、
子宮内膜が受け入れるということ=着床するためにはとても重要・・・・。
そしてなんと、着床に適した環境づくりを精液が助けるというのです!
精液とは、液体成分の精漿(せいしょう)と、細胞成分の精子で構成されています。
この液体成分の精漿が子宮に入ると、「制御性T細胞」と呼ばれる免疫細胞が増加、「免疫寛容」を助ける可能性がある、という論文が近年複数発表されているのです。
ちなみに精漿は人工授精のときには取り除いてしまう成分。やはり性交がお勧めですね…。
まだ試したことがないようでしたらぜひ移植前にタイミング、お試しください!
※病院の方針によって移植周期は性交禁止のところもあります。
そこはご理解いただいた、その上でご判断くださいね!
鍼灸師
村越麻紀子
参考論文)
K P Tremellen et al,
Hum Reprod 2000; 15: 2653
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