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排卵コントロール方法

本来1回の月経周期には1個の卵子が排卵されますが、人工的に月経周期に分泌されるホルモンをホルモン剤で操作して採卵することによって沢山の卵子が取れる方法があります。

一般に排卵コントロール法は、排卵抑制で自発排卵を抑え、排卵誘発剤で卵子を育て、排卵促進剤で卵子を成熟させて採卵します。

排卵誘発法は人工的に排卵周期を作り出す方法で、どれくらい人工的な刺激を与えるかによって「低刺激」「中刺激」「高刺激」に分かれます。

自然採卵法
月経開始時期からスタートし経腟超音波で卵巣の中の卵胞の育ちを計測しながら卵胞が18~20㎜になるころを予測して採卵日を決定し採卵します。採卵される数は通常1個ですが、排卵誘発剤を使用しないので体への負担もなく加齢により卵の質が低下した方にも有効で毎周期行うことも可能です。しかし、通院回数が増えたり、月経周期が安定しない方やホルモン分泌に問題がある方は卵が育たないことがあるので採卵できないこともあります。また、自然排卵してしまい採卵できないこともあります。

※卵胞は月経開始から毎日、約1.5㎜ずつ成長します。

低刺激周期採卵法
月経開始5日目から内服の排卵誘発剤、または数回の注射による排卵誘発剤を使用して卵を育てます。自然採卵法と同じく卵胞が18~20㎜になるころを予測して採卵日を決定し採卵します。内服薬はクロミッドやセキゾビットやフェマーラ(レトロゾール)、注射はhMG(ヒュメゴン・ゴナピュール・バーゴグリーン・HMGフジ)を使用します。

クロミッド
クロミッドは排卵をコントロールしている脳の視床下部に働きかけGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の分泌を促します。
メリット…排卵誘発作用が緩やか。黄体機能の改善効果がある。GnRHの分泌を促すため複数の卵胞が育つことがある。
デメリット・・・エストロゲンのレセプターと合体してエストロゲンの分泌を認識しにくくするため頸管粘液の分泌が悪くなったり、子宮内膜が薄くなることがある。

セキゾビットはクロミッドに比べると排卵誘発作用は弱めですが頸管粘液や子宮内膜には影響がありません。

フェマーラ(レトロゾール)
フェマーラ(レトロゾール)はアロマターゼ阻害剤の一種で、卵胞、副腎や脂肪組織で作られるアンドロステンディオンをエストロゲン(卵胞ホルモン)に変換する酵素を阻害する薬です。
自然の生理ではエストロゲンが卵胞の成長を助けた後、排卵に向けて徐々に減少していきます。そのとき、エストロゲンの減少に耐えた1つの卵胞が排卵される仕組みになっています。フェマーラを使用することによってエストロゲンが減少し排卵直前と同じ環境が作られるため排卵が促されるというかたちになります。
メリット
・アロマターゼ阻害剤の一種のため頸管粘液に影響を与えたり、子宮内膜が薄くなりにくい。
・卵巣そのものに刺激を与えるわけではないので、過剰に卵胞が成長するOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になりにくい。
・クロミッドに比べてフェマーラはすぐに体外に排出されるため子宮内膜症を患っている方にも利用できる。
デメリット・・・排卵を誘発できても新たに卵胞の成長を促して排卵数を増やすことはできない。

hMGはFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)の両方を含むホルモンで剤で卵巣内の卵胞の発育、成熟を促す効果があります。副作用として注射した部位の筋肉痛や過敏症状、稀にOHSS(卵巣過剰刺激症候群)を引き起こします。

高刺激周期採卵法
「ロング法」
前の月経周期の高温期半ばごろから、GnRHアゴニスト製剤の点鼻薬(スプレキュア・ブスレキュア・ナサニール)を使い始め、1日2~3回の噴霧を排卵促進剤を投与するまで毎日続け、自発排卵を抑えます。
採卵周期の月経開始3日目から、排卵誘発剤のhMG製剤(ヒュメゴン・ゴナピュール・パーゴグリーン・HNGフジ)を注射します。超音波検査で卵胞の大きさを確認しながら7~9回ほど続け、卵胞が16~18㎜に成長させます。通院の負担を減らすため自己注射をすることもあります。
複数の卵胞が18㎜程度になった時点で、排卵促進剤のhCG製剤(HCG「F」・プロファー・プレグニール)を注射して卵子の成熟排卵を促します。注射から36時間~40時間後に排卵が起こるので、34時間~36時間後に採卵します。

※排卵を抑制する薬、GnRHアゴニスト(スプレキュア・ナサニール・プレセキュア点鼻薬)は脳に働いて排卵を促すホルモンの分泌を抑え、子宮内膜症の治療薬としても使用されます。更年期障害と似た症状がでることがありますが、短期間の使用では副作用はほとんどない。

※排卵を促進する薬、hCG製剤(HCG「F」・プロファー・プレグニール)は排卵誘発剤とセットで使われることが多く、注射して36時間~40時間後に排卵が起こります。とくに体外受精の排卵前に採卵のタイミングを合わせるときに使用します。排卵誘発剤とセットでの使用でOHSS(卵巣過剰刺激症候群)をおこすことがある。

メリット
採卵日のスケジュールをコントロールしやすい、卵胞が成熟しても排卵しにくい、複数個の卵胞が均一になる
デメリット
薬を使う期間が長い、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)になりやすい、薬剤量が多いので体に負担がかかる、治療費が高額になる、前周期は避妊が必要
ロング法が向く人
始めて体外受精を受ける・卵巣機能に問題がない

「ショート法」
採卵周期の月経開始1~2日目からGnRHアゴニスト製剤の点鼻薬(スプレキュア・ブセレキュア・ナサニール)を使い始めます。これを、排卵促進剤を投与するまで1日3回、連日噴霧します。
点鼻薬を使い始めた翌日から、排卵誘発剤であるジhMG製剤(ヒュメゴン・ゴナピュール・パーゴグリーン・HNGフジ)を毎日注射します。超音波で検査で卵胞の大きさを確認しながら7回ほど続け、卵胞を16~18㎜に成長させます。卵胞が18㎜程度になった時点で、排卵促進剤のhCG製剤(HCG「F」・プロファー・プレグニール)を注射して、卵子の成熟、排卵を促します。注射から34~36時間後に採卵します。

メリット
治療期間が短く、薬の使用量も少なくて済む、短期間で卵胞が育つ
デメリット
ホルモンの大量分泌で悪影響がでるリスクがある、治療の効果が事前に予測しにくい
ショート法が向く人
卵巣機能が落ちている・ロング法で卵子があまりとれなかった・OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の心配がある

「アンタゴニスト法」
採卵周期の月経開始3日目から、排卵誘発剤のhMG製剤(ヒュメゴン・ゴナピュール・パーゴグリーン・HNGフジ)を注射します。超音波で卵胞の大きさを確認しながら連日続けます。
卵胞の大きさが14㎜に成長したらGnRHアンタゴニスト製剤(ガニレスト・セトロタイド)とhMG製剤を一緒に2~3日間注射します。卵胞が18㎜程度になった時点で、排卵促進剤であるhCG製剤(HCG「F」・プロファー・プレグニール)を注射して、卵子の成熟、排卵を促進します。注射から34~36時間後に採卵します。

※排卵を抑制する薬、GnRHアンタゴニスト製剤(ガニレスト・セトロタイド)は即効性があり、30時間持続するのでGnRHアゴニストより短期間の仕様で済む。副作用として皮膚の浮腫や発疹が出るとこがある。

メリット
採卵日を調整しやすい、卵胞が成熟する前に排卵する人にも排卵を抑制できる、ロング法に比べると薬剤の使用量が少ない
デメリット
排卵抑制に個人差があり、通院回数が増える、薬剤の費用が高くなる
アンゴニスト法に向いてる人
排卵誘発でOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になった・ロング法で卵子があまりとれなかった・多嚢胞性卵巣症候群がある

注)上記は一例であり、各クリニックによって薬の種類や使用量、スケジュールは異なります。

参考文献:はじめての妊活スタートブック 赤ちゃんがほしいときに読む本
監修:日本赤十字社医療センター産婦人科 宮内彰人・笠井靖代

院長 徐 大兼

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