UAE – 子宮筋腫の切らない治療方法について

妊活応援ブログ

今年に入って妊娠発表した妊活休業中の大島美幸さんや、中山美穂さんなどが行った子宮筋腫の治療方法、”子宮動脈塞栓術(UAE)”。最近患者様に聞かれる機会が増えました。

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月経のある女性の4人に1人あるといわれている”子宮筋腫”

子宮の筋肉にできる良性の腫瘍のことで、それ自体が生命を脅かすものではありませんが、放置すると10キロを超えてしまうような大きさになることもあるようです。また場所などによっては不妊の原因ともなりますので、妊活中の方にも気になる疾患だと思います。

そこで気になる子宮筋腫の治療方法ですが、主に手術と薬があります。

手術

●子宮を取ってしまう(子宮全摘術)
●筋腫だけ取る手術(筋腫核出術)

将来子供がほしい人や子宮を残す希望の強い人では筋腫だけ取る手術を実施しますが、最近ではこれらの手術に腹腔鏡を使って行う施設も増えてきましたが、大きさやできた場所によっては難しいこともあります。

●閉経状態にしてしまう治療(偽閉経療法)
●ピル(経口避妊薬)

偽 閉経療法では女性ホルモンの分泌が少なくなるので更年期様の症状がでたりするため半年しか治療できません。そのため筋腫を小さくするために、手術前に一時 的に使用するか、閉経に至るまでの一時的治療として行われています。それに対して経口避妊薬ですが、最近のピルは女性ホルモン量が少ないので、筋腫が大き くならず、症状も楽になりますし、更年期様の症状もありません。しかし、いつまで続けるのかが問題となります。

その他の治療法

集束超音波装置による治療(超音波により筋腫を小さくする)
子宮を栄養する血管をつめてしまう治療法(子宮動脈塞栓術)

日本産科婦人科学会のホームページをみても、子宮動脈塞栓術(UAE)は一番最後にちょこっと記載されていて、保険も効かないですし、まだ行われている病院 も少ないのが現状です。

UAEの具体的な方法は、カテーテルを右足の付け根から挿入して、X線で見ながら筋腫へ血液を送っている子宮動脈まで進め、カテーテルの中にゼリー状の詰めものを流すことで、子宮筋腫は栄養を絶たれてしぼませる、というものです。

つまり、子宮筋腫を養っている血管を塞ぐことで子宮筋腫を壊死させるという方法で、欧米(特にアメリカ)では子宮筋腫に対する特別な治療法ではないといわれており、再発が懸念される多発性筋腫や、手術をすることが難しい場所の子宮筋腫に対してUAEという治療を選ぶことがあるようです。しかし妊娠を希望する方に対して行うことには統一された見解はなく、日本では特に妊娠希望者に対しては十分なデータが無いため行わないという施設が一般的です。

40歳でUAEを受けた子宮腺筋症の患者様が42歳で出産したと報告している病院もあるようです

UAEは有名人の手術体験、その後の”妊娠”で少し注目された方法ですが、妊娠希望者に対してはその後の子宮・卵巣機能のリスクなども含めて考えるとまだまだ慎重であるべきというのが一般的ですが、侵襲性が少ない、術後の回復が早いという点では子宮筋腫の治療として今後の発展が期待されるかもしれません。

鍼灸師 石橋 朋子

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