肥満が不妊症に及ぼす影響

妊活応援ブログ

日に日に、冬を感じる季節となりました。
外の寒さがつらいため、運動不足の方が増えてきたのではないでしょうか。
運動不足は、肥満の原因になります。今回は、「肥満」と「無月経」についてのお話をします。

目次

まずは、無月経とはなんでしょう?

月経がない状態が続くことを無月経といいます。無月経は、大きく生理的無月経・原発性無月経・続発性無月経の3種類に分類ができます。一般的な無月経であり、肥満による無月経は「続発性無月経」の中に入ります。

続発性無月経とは月経が3ヶ月間停止した状態のことです。定義では3ヶ月となっていますが、2ヶ月こなければ何らかの原因があると考えた方がいいでしょう。

つぎに、月経の過程について説明します

卵胞は司令塔である脳の指令により育つことができます。
脳の視床下部からGnRH(性腺刺激放出ホルモン)が分泌された後、下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌され、このFSHの作用により卵胞は成長していきます。卵胞が成長するにつれて、今度はその卵胞からエストロゲンというホルモンが分泌されます。エストロゲン分泌が高まると、GnRHとFSH分泌は抑制され、排卵を促す作用のあるLH(黄体形成ホルモン)分泌が起こり排卵が起きます。
排卵後の卵胞は黄体となり、受精をしなかった黄体は消退をします。その後、子宮内膜が剥がれ落ちると月経がはじまります。

実は肥満細胞からもエストロゲンが分泌されます

エストロゲンは卵胞からだけでなく、肥満細胞からも微量ですが分泌されます。
通常は、卵胞が成長する過程でエストロゲンが分泌され、上記に書いたような流れで卵胞は成長し、排卵~月経が起きます。しかし、卵胞からではなく肥満細胞からのエストロゲン産生が増加してしまうと、どんなことが起きるでしょうか。

それは、卵胞がまだ育っていないのに、肥満細胞から産生されたエストロゲンの影響により、FSH(卵胞刺激ホルモン)分泌を抑えてしまいます。
これによって卵巣では、卵胞の成長が止まってしまいます。また、卵胞が育っていないために、卵胞から分泌されるエストロゲン産生も止まってしまいます。

肥満細胞からのエストロゲンが分泌されると悪いの?

肥満細胞が増えてしまうと、エストロゲンが慢性的に分泌されてしまいます。この影響を受けて、視床下部のGnRHの分泌低下、さらには下垂体のFSH分泌も低下します。その結果、卵巣内では卵胞が最終的な大きさまで成長することができずに排卵障害や、無月経が起きてしまう可能性があります。

近年の研究では・・・

体の脂肪細胞から作られるアディポネクチンというたんぱく質のことをご存じでしょうか?このたんぱく質は、高血圧や動脈硬化の予防になることがわかっています。
では、脂肪細胞を増やせばいいのではと考える方がいらっしゃるかもしれません。実際には、肥大しすぎた脂肪はかえってアディポネクチンの分泌量を減少させてしまいます。

また、肥満によりアディポネクチンが減ると、卵巣の皮が分厚くなってしまい、 卵がうまく育たなかったり、排卵しにくくなることが最近の研究ではわかってきました。

肥満は十分に不妊症の原因のひとつです

冬は身体の中の代謝が上がりやすいため、運動するにはおすすめの時期です!

寒さが原因で外に出て運動ができないという方へ

外出する前に着替えの服や上着を温めておきましょう!同じように、靴や靴下の中にも事前にホッカイロをいれて温めておくのもおすすめです。
服や靴下が身体を温めてくれるため、外出した直後の寒さが和らぎます。

「肥満」を改善して、健康で妊娠しやすい身体を目指していきましょう。

鍼灸師 中村 早耶香

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