日々患者様と接していてかなりの頻度でお見受けするのが、だるい、なんとなく元気が出ない、めまいがする、気が滅入る、など、プチうつ?と思われる症状です。
不妊治療はよく「終わりのないトンネル」と比喩されます。不確かな要素が多く先が見えづらい上に、侵襲性を伴う治療、お薬の服用による不調など、気分が滅入る要素は枚挙にいとまありません。
なかなか採卵がうまく行かず「卵の質が悪いとドクターに言われたが、どうしていいかわからない」という方がいらっしゃいます。
卵の質が悪いと言い放たれても、肝心の解決策を教えていただけなければ気持ちはへこみますよね。
妊娠成立を取り巻く要素は様々、かつ体質には個人差がありますが、よくお見受けするのがそもそもの食生活がきちんと整っていないケース。
お料理が嫌い、忙しすぎて料理している暇がない、など背景は様々ですが、中にはベジタリアンで動物性の食品を一切摂取しない、という方もいらっしゃいます。巷にあふれる一方的な情報に振り回されて、間違った食習慣を実践しているケースも少なからずお見受けします。
ここまで来て、妊活とうつと栄養不良と何の関係があるの?と思われた方も多いかもしれません。
しかしながら大いに関係がある、と毎日臨床に当たっていると痛切に感じます。
というのも患者様の中には重篤まではいかない、いわゆる「隠れ」タイプの貧血やたんぱく質不足の方が非常に多いからです。
我々の身体はたんぱく質でできています。卵などたんぱく質の塊と言っても過言ではありませんね。そもそもたんぱく質が十分に足りていなければ、ご自身の身体を保つことができません。身体が健やかでない状態で妊娠をしたら生命の危機に繋がりますので当然生殖は二の次になります。
軽度の栄養不良の状態では、特に目立った症状もないかもしれません。
たんぱく、鉄不足で起こりがちなめまい、動悸、だるさ、冷え、頭痛などの愁訴がなくても、髪の毛がパサつく、抜ける、細くなった、皮膚が乾燥する、経血が少ないなどちょっとした身体からのサインを感じていらっしゃる方は少なくないのではないでしょうか?
また、健康な脳は幸せを感じさせる「セロトニン」と、喜びを感じさせる「ドーパミン」という神経伝達物質で満たされていますが、これらを産生するための材料がたんぱく質と鉄です。
これらが不足するとセロトニンもドーパミンも作られなくなりうつになります。
血の材料はたんぱく質と鉄。女性は生理により一生涯で50㎏ほどの血液を失います。出産経験者であれば1回につき300㎖から500㎖の血液を失います。また忘れてはいけないのは、胎児への栄養供給は全て母体の血液を介して行われるということ。
精神科医によると、女性がうつになるリスクは男性の2~3倍だそう。
こうしてみると、妊活、うつ、栄養不良、とつながりが見える感じがしませんか?
古来、女性の生理にまつわることは「血の道」と呼ばれていました。
生理があるのは生殖のため。「血」を健康にすることが妊活にとって大変重要であることにご納得いただけると思います。
ではどうしたら良いか?
「まごわやさしい」という食べ方をベースに、たんぱく質と鉄分の摂取を意識していただくのはいかがでしょうか?
厚生労働省では「体重50㎏の女性が健康維持のために必要なたんぱく質は1日50g」と定めており、上述の体重50㎏の女性であれば、だいたい卵3個に肉200gを1日に摂取していただけると良いようです。しかし1日にたんぱく質50g(体重50㎏に対し)は最低限だそう。
すでに質的栄養不足で体調の悪い方、アンチエイジングをしたい方はもう少し多めにとった方が良いようです。
(たんぱく質1gと肉1gは異なります。詳しくは”プロテインスコア”などで検索してみてください)
鉄に関しては動物性のヘム鉄と植物性の非ヘム鉄がありますが、吸収率は動物性の方が圧倒的に高いので、鉄分=ほうれん草というよりも赤身肉、レバー等を上手に取り入れてください。
また日本の土壌、食生活のパターンから日本人(とくに女性)は特に鉄不足になりやすいため、積極的に鉄分を摂取する必要があります。
また糖質の摂りすぎは先述の神経伝達物質の産生を阻害し、ビタミン・ミネラルを消費しエネルギー代謝の乱れに繋がりますので、注意が必要です。またたんぱく質不足の状態だと、余計に糖質を取りたくなる、糖質を取るとたんぱくが更に消費される、という悪循環が起こるため、白い砂糖、砂糖を使ったお菓子、清涼飲料水は避け、真っ白に精製した穀物(白米、小麦)は減らしましょう。
「あなたの身体はあなたが食べたものでできている」
まさにその通りですが、忙しく働く方にとって毎日バランスの良い食生活を実践するのは簡単ではありませんよね。
楽しくおいしく心身を慈しむ食べ方に加え、不足しがちなビタミン・ミネラルは上手にサプリメントで補うなどし、心身共に健やかに妊活をしてゆきませんか?
鍼灸師 鈴木 麻希子
参考文献:薬に頼らずうつを治す方法(精神科医・藤川徳美氏著)
https://www.orthomolecular.jp/nutrition/protein/
https://jp.glico.com/navi/e07-3.html

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