解熱鎮痛剤のことをNSAIDsと言います。
痛みはガマンしないで、鎮痛剤を飲んでくださいという指導が一般的のようです。
しかし、排卵期(直前)に限っては、なるべく飲まないようにして欲しいと思います。それは、排卵の指令が出ても、卵胞が破れないで残ってしまう可能性があるからです。
排卵せず、卵胞がそのまま残ってしまう状態をLUF(黄体化非破裂卵胞)と言います。
実は、この仕組み、体外受精の採卵前に排卵しないようにするために鎮痛剤を使う方法でもあります。
新宿にある加藤レディースクリニックに通院する多くの患者さんはこの方法を経て、採卵されるかたが多くいらっしゃいます。
採卵前にスプレキュアなどアゴニスト製剤を使い排卵を促しておいて、排卵抑制のためボルタレン(座薬)を使います。
NSAIDsとはなにか?
NSAIDsは痛み物質であるプロスタグランジンの合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害する薬剤で、プロスタグランジンの合成を抑制します。
プロスタグランジンは排卵の際に、卵胞が破裂するステップに関与しているため、NSAIDsは結果的に排卵を抑制する作用があると言えます。
ラットの実験でもプロスタグランジンの合成を抑制すると、排卵も抑制されることがわかっています。
妊娠を目指す女性は、排卵期(直前)のNSAIDsを使用すべきではないと言えます。
参考文献:
Nonsteroidal anti-inflammatory drugs and reversible female infertility: is there a link?
Drug Saf 2002; 25: 545
Cumulative conception and live birth rates in natural (unstimulated) IVF cycles
Hum Reprod 2001; 16: 259
院長 徐 大兼
執筆者紹介
アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)
妊活は、時間との闘いでもあります。その大切な時間を一秒たりとも無駄にしたくないと私たちは考えています。妊娠する能力を高め、より早く結果を出すことをお手伝いすることが私たちのミッションです。
不妊鍼灸でお腹の凝りをほぐし、子宮・卵巣本来の力を引き出します。また、身体の不調と自律神経を整え、卵巣への血流を促進し、卵巣機能改善サポートを行います。
不妊治療中の不安をお聞きしながら、「妊娠しやすい身体」になるため、全力でサポートします。
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