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治療効果を減少させてしまう行為とは?

全然よくならない!その身体の不調、実はご自身で生み出している可能性があります。

今回は骨盤にまつわるお話をさせていただきたいと思います。日本各地、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、お家で過ごす機会が増えていることと思います。突然ですが、みなさま家ではどのような姿勢でお過ごしでしょうか?

椅子に座っている?ふかふかのソファーにふんぞり返って座っている?床であぐらをかいている?年末年始は特に横になってテレビをみていた人も多いのではないでしょうか?私たちがどんな姿勢をしている時でも背骨を介して頭を支え、下肢の骨を介して地に立つことができる土台が“骨盤”です。

~男女で違う骨盤の形~

骨盤にも性差があることを皆さん、ご存知でしょうか?

以下に図を示します。左右どちらが男性か女性か、おわかりでしょうか?

 

引用:プロメテウス解剖学アトラス第2版

正解は、左が男性、右が女性の骨盤になります。

骨盤と一口に言っても仙骨・尾骨および左右の寛骨がそれぞれ組み合わさり、靭帯によって支持されて構成されています。

骨盤は骨格の中で最も性差の著しいものであり、その差は10歳ころから始まって思春期以降は顕著となります。骨盤の主な相違点を以下に列挙します。

  1. 女性骨盤のほうが全体としてか弱い
  2. 男性の骨盤腔(骨盤の中の空間)は狭く、女性は広い
  3. 骨盤の上下の開口部はどちらも女性のほうが大きい
  4. 恥骨の開きは女性のほうが大きい
  5. 仙骨は女性のほうが幅広く短い

上記の内容からもお分かりの通り、女性の体は分娩に適応した骨盤構造となっています。

 

~骨盤の可動性~

ここからは主に女性の骨盤のお話です。女性が妊娠・出産する際、お腹が大きく膨らむだけでなく内臓の位置が移動したり、骨格が変化したりして赤ちゃんが成長するためのスペースをつくります。その時の骨盤変化のカギを握るのが「恥骨結合(赤い丸で囲った部分)」と「仙腸関節(青い丸で囲った部分)」です。恥骨結合は通常はほとんど可動性のない軟骨性の結合でくっついています。仙腸関節は体重を脊柱から寛骨に伝える役割を持ち、他の関節から独立して自力で動かすことはほぼ不可能ですが、脊柱や股関節の動きに連動して受動的に動きます。仙腸関節は7つの靭帯で支持されており、その張力はかなり強固であると言われています。

 

女性は妊娠すると、ホルモンの作用により特に子宮や骨盤周囲の筋および靭帯の弛緩性が増加します。妊娠中、妊娠継続のために分泌されるホルモンのうち、リラキシンは、骨盤周囲の靭帯、特に恥骨結合や仙腸関節の弛緩性増加に強く作用すると言われています。リラキシンの分泌は妊娠初期にピークになることから、妊娠10~12週頃にすでに恥骨結合や仙腸関節の可動性増加が始まります。さらに、プロゲステロンおよびhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の作用により恥骨結合の軟骨部分の吸水性が増すことで、恥骨結合は分娩に向けて約1センチ広がると言われています。これにともない骨盤は下方に開大し、骨盤底筋群は引き延ばされます。この骨盤周囲の関節における弛緩性は胎児の成長や分娩時に重要な役割を果たしますが、支持性が低下することで腰背部痛や骨盤周囲の疼痛の原因となることもあります。

 

~姿勢と骨盤~

骨盤のゆがみ・ゆるみという言葉はよく耳にする言葉だと思います。足組み座り、あぐら座り、体育座り、足の投げ出しふんぞり返った座り、足裏が付かない状態の坐位、肘枕での横寝、自転車、長時間の臥床など、日常生活において何気なく行ってしまっている姿勢一つ一つの日々の積み重ねによって骨盤はゆるみゆがんでいきます。骨盤がゆるみゆがむとその中にある臓器の位置がずれたり、筋肉が過緊張になったりそれにより血流が悪くなったりと悪影響を及ぼしてしまいます。

せっかく週に1度や2度のペースで治療にお越しいただき、骨盤内の血流を改善する治療を行ったり、首肩コリや腰痛の治療を行ったりしても日常生活で自らその効果を減少させてしまう行為をとるのは元の木阿弥ではないでしょうか?妊活というと生殖器ばかりにフォーカスしてしまいがちですが、身体を支える支柱は骨格です。生殖器の収まる部分は骨盤です。赤ちゃんが収まる部分も骨盤です。卵子や精子ももちろん大切ですが、赤ちゃんを保護・支持する“骨盤”の準備も今から始めてみませんか?

今回の続編、ステイホームでもできる治療効果をさらに向上させるための習慣もぜひ合わせてお読みください。

【参考文献】

・プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第2版:監訳 坂井建雄・村松譲兒,医学書院,2011年

・標準理学療法学・作業療法学「解剖学」第3版:シリーズ監修 奈良勲・鎌倉矩子 編者 野村嶬,医学書院,2010年

・ウィメンズヘルスリハビリテーション:編集 ウィメンズヘルス理学療法研究会,メジカルビュー社,2017年

・理学療法士のためのウィメンズ・ヘルス運動療法:監修者 上杉雅之 編著者 山本綾子・荒木智子,医歯薬出版株式会社,2017年

中原

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