「風邪には葛根湯」でいいのか?

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もういくつねるとお正月。冬至も過ぎ、寒さがしっかりと感じられるようになり、当院にいらっしゃる患者様でも風邪をひかれる方が多くなってきました。風邪をひいてしまった時、皆さんはどうされますか?

「すぐ病院に行って薬を処方してもらう」
「まずは薬局で薬を買って飲んでみる」
「気合いで治す(笑)」

最近は病院でも市販薬でも漢方が非常に多くみられるようになってきました。わたしが先日病院に行った時にも、内科の先生から葛根湯を処方されました。では、「風邪だから葛根湯」は正しいのでしょうか?

答えは「No」です。

もちろん、葛根湯は漢方で言う総合風邪薬のようなもので、間違いではありませんが、「葛根湯=どんな状態の風邪でも使う」という解釈になってしまうとまったく違います。

西洋医学的な薬も、とりあえず総合風邪薬ではなく、症状がはっきり出ているのであればそちらを叩くべきです。咳がひどいなら咳止め、熱があまりに上がりすぎて辛いなら解熱剤、といった具合に。

風邪の症状もさることながら、その人がどんな状態か、という「人そのもの」を見るのが東洋医学の特徴です。では、漢方はどのように使い分けていくのか?

代表的なものをいくつか挙げさせて頂きます。

目次

麻黄湯(ツムラ27)

生薬(中身): 麻黄、桂枝、炙甘草、杏仁
作用: 風邪と防衛機能が身体の表面で戦っている状態に使い、汗をかかせて邪を追い出します。

桂枝湯(ツムラ45)

生薬(中身): 桂枝、白芍、生姜、炙甘草、大棗、
作用: 防衛機能が弱って体表の汗腺をしっかり閉めることができず、汗をかいている方に使います。弱っている身体の内部を滋養し、中からエネルギーを補充しつつ少しだけ汗をかいて回復へと導きます。

葛根湯(ツムラ1)

生薬(中身): 桂枝湯 + 麻黄 + 葛根
作用: 上述の配合を見てもわかるように、桂枝湯をベースに、麻黄湯の麻黄と、葛根を合わせたもの。汗をかいたのかどうかわからない場合に総合風邪薬として出されます。しかし、今まで単品ずつで使えていたものを合わせて使うことになるので、作用としてはやや強いです。汗がどうだったかわかるのであれば、適切に使い分けましょう。

葛根湯加川芎辛夷(ツムラ2)

生薬(中身): 葛根湯 + 川芎 + 辛夷
作用: 風邪によって頭痛や鼻づまりがある場合に使います。先程の葛根湯にさらに加えて、頭痛の良薬とされる川芎(せんきゅう)、鼻づまり・鼻水に適している辛夷(しんい)を合わせたもの。

などなど、、、、
基本的なものでもこのように使い分けがあります。

◆風邪をひいても表皮の防衛作用がしっかりしていて、汗腺を閉められているのであればエネルギーがまだまだある証拠!そこは麻黄湯でガツンと治します。

◆逆に弱っていて(風邪で弱ったり、体質的に弱い人もいます)、汗とともにエネルギーが逃げている人は身体の中から栄養補給。

■汗がどうだったか覚えておらず、攻めるのか補うのか迷う場合には総合薬の葛根湯。しかし「総合薬」ですので、身体に影響を与える処方が多くなっていることもよく考えてください。さらに頭痛や鼻水なども併発してきたら葛根湯加川芎辛夷。

ここで注意ですが、時々「葛根湯には葛が入っているから、葛湯(くずゆ)を飲めば良い」と言う方がいらっしゃいますが、葛湯単品は身体を冷やす作用です。葛根湯は一緒に入っている生姜や桂枝、麻黄といったもので温めているから良いのですが 葛湯単独で飲むことは風邪で冷えて弱っている身体をさらに冷やすことになります ので、お気を付けください。

また、肩こりの漢方として葛根湯が効くとされ、長期間飲んでいる方がいらっしゃいますが、これも間違いです。

本来は風邪薬ですので、治れば不要。肩こりに良いとされるのは葛根や大棗が身体を少しほぐす役割があるからですが、長期間服用すると麻黄の血圧上昇作用によって副作用が出る可能性があります。あくまで、風邪の時の頚肩こりに対しての処方、ということです。

漢方や鍼灸といった東洋医学は非常に奥深いものです。独特の観点から人間の身体をつぶさに観察したこの医学は、適切に扱えば非常によく効き、不適切に扱えばたとえ漢方でも副作用は出ます。一般の方も専門職の方も、よく知ったうえでうまく使って頂けたら、と思います。

鍼灸師 西村 亮二

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