Q49 高プロラクチン…治療の必要はないと言われました

妊活応援ブログ

ある患者様の不妊治療クリニックでの血液検査の結果を拝見していて、PRL(プロラクチン)の欄に高値を示す印がついているのが目に留まりました。

私: 「プロラクチンについてドクターから何か言われませんでしたか?」
患者様: 「“タイミングやAIHならともかく体外受精なので関係ない。治療も必要ない”と言われました。」

…本当にそうなのでしょうか?

プロラクチンとは脳下垂体前葉から分泌されるホルモンで乳腺の発達を促進し、乳汁を分泌させる働きを持ちます。妊娠、分娩、産褥期に高値を示すのは自然ですが、それ以外の時に高値となるのが高プロラクチン血症。
血中のプロラクチン濃度が上昇すると、視床下部においてPRLを抑制する作用のあるドパミンの産生が促進されます。ドパミンはGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)のパルス状分泌を抑制、これによりLH/FSHの分泌が低下。その結果性腺機能の低下が引き起こされます。乳汁漏出や無月経(軽症の場合黄体機能不全)、不妊の原因となります。

冒頭のドクターの発言は「体外受精でホルモン補充をするから関係ない」という考えに基づいているのでしょうか?
しかし単純に考えても、いくら排卵誘発をするからとはいえ、高プロラクチン血症を放ったままで体外受精を行うことがスマートとは思えません。事実、様々な研究から高プロラクチンが排卵障害、黄体機能不全、子宮内膜の菲薄化を引き起こすことが分かっています。全てが不妊に直結しています。
一方で高プロラクチン血症により卵が育ちにくい状況、その一方で卵巣刺激をして採卵。最大の効果が望めるでしょうか? めでたく胚が育ったところで、黄体機能不全や内膜が十分に肥厚しない根本原因を放置したまま、ホルモン補充をして移植するのがベストでしょうか?

ちなみに高プロラクチン血症の治療薬はドパミン作動薬(カベルゴリンなど)。服用後起こった妊娠の約半数は、服用から6か月以降とも言われており、比較的長期にわたる治療が必要なようです。
また、血中濃度には反映されない潜在性高プロラクチン血症というものも存在するため要注意。TRH試験を行うことで判別がつきます。さらに高プロラクチン血症と甲状腺機能低下症とはTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)でつながれたループのような関係にあるとも言え、注意が必要です。

実際私が診させていただいた患者様の中にも、高プロラクチン血症の治療を始めて半年以上経過後、体外受精へステップアップすることなくご妊娠された方がいらっしゃいます。当初若干高めだったTSH(甲状腺刺激ホルモン)の値も、妊娠を望むにはマストと言われるTSH<2.5の範囲へと下がりました。

アキュラではドクターと対等に話ができるレベルを目指して、スタッフ全員が日々研鑽を積んでいます。不妊に悩める多くの患者様への治療を介し学ばせて頂いたこと・有益な情報を治療の中で提供させて頂きます。
ドクターの話が分からない・質問しにくい、検査結果の意味が分からないなど、お困りのことがあればお気軽にお尋ねください。

高プロラクチン血症には漢方で対応することも可能なため、鍼治療と併用するのも一考です。

鍼灸師 鈴木麻希子

その他、高プロラクチン血症について

参考:
病気が見える:婦人科・乳腺外科(医療情報科学研究所/メディックメディア)

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