毎月きちんと生理が来ていても、排卵しているとは限らないことがあります。そこで排卵しているかどうかをチェックしてみましょう。
一般に排卵日は、基礎体温の低温陥没日(低温最終日)とされていますが、超音波断層法や血液検査などを行なってみると、低温最終日に排卵が確認されるのは20%に過ぎないという調査結果もあります。
ですから基礎体温の推移だけに頼らず、以下に述べる、排卵日検査薬、頸管粘液のチェック、子宮頸部の位置の確認の四つを併用することをオススメします。
この四つのことを行なえば、より正確に排卵日を予測することができるようになります。
また、病院では血液検査や超音波断層法(エコー検査)によって、正確な排卵日の測定が可能です。心配な方はクリニックの受診をお勧めします。
(1)基礎体温
前述のとおり、まずは基礎体温計で毎朝、目が覚めたらすぐにベッドの中で体温を計りましょう。そして忘れないうちに手帳などにつけて、あとで1カ月の体温グラフにするといいでしょう。
(2)排卵検査薬
ヒト黄体形成ホルモン(hLH)が急激に分泌して(LHサージ)ピークを迎えたのち、個人差もありますが、15~36時間以内に排卵が起こります。
排卵検査薬は、この排卵前に分泌量が急激に増加するヒト黄体形成ホルモンの尿中濃度の変化で排卵を確認する方法です。市販されているので、定期的に使用してみるといいでしょう。
(3)頸管粘液の量と質をチェック
通常、膣の中は雑菌の進入を防ぐために酸性になっています。したがって、実は精子にとっても膣内の酸性の環境は厳しいものなのです。
しかし頸管粘液は、膣の環境から精子を保護し、精子が子宮の中までスムーズに進んでいく潤滑剤となります。排卵日が近づくと頸管粘液が増えることから、排卵を予想できるのです。
このように、頸管粘液の量を知ることは、最適な妊娠環境が整っているかどうか判断できる材料になります。
頸管粘液は、清潔な指を膣に挿入することで、自分で観察できます。
生理が終わったとき、膣の中は乾いています。これは、ほっペたの内側を触った感じに似ています。
この乾いた状態から、日ごとに粘性が出てきて、数日後にはねばねばしたノリのような感じがしてきます。
このとき重要なのは、濡れた感じがしないことです。それからさらに日にちが進むと、粘液はクリーミーになり、ローションのような感じになります。
そして排卵が近づいてくると、卵の白身のような、とてもつるつるしたものに変わります。また、指につけると伸びる感じになります。
- できれば1日3回、朝昼晩と頸管粘液の変化を確認する。
- とくに性的に興奮していないときに計る。
- 指で会陰の部分をチェックする。
- 指の感覚をつかむ。乾いている、ねばねばしている、クリーミーな感触がある、卵の白身のようにぬるぬるしているかをチェック。
- 自分の粘液を感じよう。ゆっくり指を離して、粘液が伸びるかどうか、また切れるまでどれぐらい伸びるかをチェック。
- オシッコをしたあと、トイレットペーパーで陰唇がスムーズにふけることを確認。
- 下着についたおりものの様子をチェック。良質なおりものは水分が多いため、均等な円をつくることが多い。そうでないおりものは四角、もしくは線が入っている。
※3がどうしても区別がつかない場合は、ついた指をコップの中の水に入れる。良質なおりものは水になじまず、底に沈む。良質でないときは水に溶ける。
頚管粘液のチェック方法
指で会陰部をチェック。
指から目を離して指の感覚を感じる。
指で粘液の感覚をつかむ。
指を離してどのくらいのびるのかをチェック。
◎頚管粘液と排卵の関係の復習
- 排卵前(生理直後)
妊娠する確率は限りなくゼ口。粘液はほとんどないか、あるとしても白色か不透明で、粘度が強くベトベ卜している。
- 排卵中期
妊娠する確率は低い。粘液は白色かクリーム色で、膣は湿った感じ。
- 排卵直前
妊娠する確率は高い。粘液は卵の自身のように透明で、色が薄く、触ってみると糸を引くようにとても伸びやすくて、膣は濡れた感じ。
- 排卵後
妊娠する確率は低く、粘液は粘度が強くべトベト。膣は乾いた感じ。
(4)子宮頸部の位置を確認する
自分の子宮頸部の位置と硬さを毎回確認してください。しゃがんだ姿勢で中指を膣に挿入することで、子宮頸部の位置を確認できます。清潔な指を深く差し入れてください。
指先に、丸く、円柱状の物体が触れるはずです。それが子宮頸部。子宮頸部の位置は生理周期によって変化するので、触れやすさによっても妊娠可能日を予測できます。
この子宮頸部の位置は生理周期を通じて変化します。排卵が近づくにつれ、子宮頸部の位置は高く、やわらかく、開いてきます。
エストロゲンの分泌がなくなり、黄体ホルモンが優位になると、子宮頸部の位置は突然、膣近くに落ちてくるので低くなります。
自分の中指を膣に挿入し、頸部に触れるようなら子宮頸部の位置が低いということです。排卵日近くだと精一杯挿入しても子宮頸部には触れにくくなります。
指を挿入する前には、必ず手をきれいに洗うことを忘れないでください。爪の間にばい菌などが残らないように爪ブラシを使って、しっかりと。それでも心配な場合は、コンドームを指にかぶせるのも一つの方法です。
いちばん確認しやすい姿勢は、しゃがむ体位だといわれています。トイレで座った姿勢のほうがわかりやすいという人もいます。大切なことは、いつも同じポジションで計り、一定性を保つことです。
膣の中に指を差し込んでわかることは、排卵した後は粘液が乾き、子宮頸部の位置は下がっているということです。
一方、排卵前であれば粘液が豊富で湿っぽく、子宮頸部は指を全部挿入してもなかなか触れることができない、まったく触らないくらい奥に上がってしまっています。
子宮位置のチェック方法
しゃがんだ姿勢で、チェックします。チェックするときにはかならず、同じポジションで。
- 子宮頸部の位置が低い
妊娠する確率はゼ口。子宮頸部が簡単に触れられる。生理直後はこの状態が多い。
- 子宮頸部の位置が中くらい
多少妊娠の可能性あり。排卵日に近づくにつれ、子宮頸部の位置が上がりはじめるので、指で触るのがむずかしくなってくる。
- 子宮頸部の位置が高い
いちばん妊娠の可能性が高い。子宮頸部は、排卵直前にいちばん高い位置にくるので、指で触れない。
このように、医師の手によらなくても、自分自身である程度排卵を予測することが可能です。自分の生理周期も把握できるようになりますから、生活の計画も立てやすくなることでしょう。ぜひ、この四つの方法を試してみてください。
では、最後に月経期間と血量の確認についてお話したいと思います。
まず、月経過多かどうかを確認します。
血量も多くて、8日以上生理が続く、生理用ナプキンを短時間で何度も交換しなければならないなど、日常生活に支障をきたすほど血量が多い、レバーのような血の塊が見られたりする場合は、子宮筋腫や子宮内膜症などの可能性があります。まずは専門医に相談してみましょう。
逆に血量が少ない場合は、きっちりと周期どおりに月経が来るのであれば、気にしなくてもいいでしょう。
しかし、月経が不順で、血量が少ない場合は無排卵性月経の可能性があるので、専門医に相談し、排卵しているかどうか確かめる必要があります。
自分自身のカラダの変化に敏感になることは、不妊治療だけでなく、毎日の健康にも大切なことですから、ぜひ心がけましょう。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
妊娠しやすい時期と正しいタイミング法については、私のオールアバウトの記事をご覧ください。
【妊活!50の条件】41 – 『排卵を確認する四つの方法 』妊娠のために自分でできることPart II
執筆者紹介
アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)
妊活は、時間との闘いでもあります。その大切な時間を一秒たりとも無駄にしたくないと私たちは考えています。妊娠する能力を高め、より早く結果を出すことをお手伝いすることが私たちのミッションです。
不妊鍼灸でお腹の凝りをほぐし、子宮・卵巣本来の力を引き出します。また、身体の不調と自律神経を整え、卵巣への血流を促進し、卵巣機能改善サポートを行います。
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私たちは2002年に開業以来、子宝に恵まれないカップルをサポートさせていただいております。妊娠し、無事に念願の赤ちゃんを迎えるまで、万全な体制で皆様に満足いただける治療を提供させていただけるよう取り組んでおります。鍼灸および漢方による不妊治療のご相談はお気兼ねなくこちらへご連絡ください。
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