性行為感染症(STI)について

妊活応援ブログ

赤ちゃんを望むなら、当たり前のことですがセックスをすることがもっとも重要です。ですが、性行為をするということは性行為感染症(STI)に罹る可能性もあり得るということになります。過去のパートナーから感染してしまい、そうと知らずに今のパートナーと性行為をすれば相手にうつしてしまう恐れがあります。また、過去の感染により自覚症状のないまま進行し不妊症の原因となる場合もあります。
不妊症の原因は様々ですが、性行為感染症(STI)も大きな原因の一つといえるでしょう。

性行為感染症(STI)とは「性行為で感染する病気」を総称していいます。ウイルス、細菌、原虫などが、性器、泌尿器、肛門、口腔などに接触することで感染します。しかし、症状が軽かったり、なかったりすることもあり、知らぬ間に進行していることがあります。
性行為感染症を放っておくと、炎症が進行し男女ともに不妊症の原因となる場合があります。
※STI(STD)とは、Sexually Transmitted Infections(Diseases)の略です。

主なSTIは

目次

クラミジア

最も多い性行為感染症です。自覚症状がほとんどないので、感染に気付かないことがよくあります。しかし、進行すると不妊症や母子感染など様々な病気の原因になるので、治療をする必要があります。
おりものの変化としては、量が増える程度ですが、ときに黄緑色になり下腹部通や排尿痛、不正出血を伴うことがあります。
不妊症の検査ではクラミジアの検査が行われます。症状がほとんどないため慢性化しやすい傾向があり、子宮や卵管への炎症が心配されるからです。長期間を経て骨盤腔へ波及し、卵管閉塞、卵管周囲癒着を引き起こし不妊症の原因となります。さらに感染したまま妊娠すると出産時に母子感染して生まれた赤ちゃんに結膜炎や肺炎を引き起こします。
男性の場合は尿道に軽い炎症を起こし、かゆみや排尿痛があるほかに、分泌物が出ることもあります。そのまま放置すると副睾丸炎や慢性前立腺炎に進む場合があります。

淋菌

女性の場合、男性よりも症状に気付きにくく、症状がある場合は、緑黄色の濃いおりものや、尿道から膿が出ます。進行すると子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎など不妊症の原因となります。
男性の症状は、尿道のかゆみや熱っぽさから始まり、粘液や黄色の膿が出ます。排尿時の痛みがひどくなり、ペニス全体が腫れ上がるほどの激しい症状が出ることもあります。進行すると、尿道狭窄、精巣上体炎など、女性の場合と同様不妊症の原因となります。

梅毒

梅毒は慢性の感染症で、何年もかかって進行していきます。昔の病気と思われがちですが、近年患者数が増加しています。セックスの時に粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。
1期から4期まであります。現代においては4期まで進行することは無いに等しいですが、昔は死の病気と恐れられていました。不妊症の原因とはなりませんが、妊娠している場合、梅毒は胎盤を通して胎児に感染します。母子手帳と一緒に配られる妊婦健康診査受診票(1回目)の中には、無料の梅毒検査が含まれていて、妊娠初期までに検査することになっています。母子感染では流産、死産、先天梅毒の原因となることがあります。

尖圭コンジローマ

外陰部に小さな尖ったイボができる病気です。イボは外陰部から肛門や膣内にもでき、集まると小さなカリフラワー状になります。普通、自覚症状はありませんがかゆみや性交痛を感じることもあります。ウイルスに感染してもイボができないこともあります。

外陰ヘルペス

感染しても全く症状のないことがありますが、症状のある場合は、性器に小さい水ぶくれや潰瘍ができます。激痛のため排尿困難や歩行困難を生じることがあります。やがて乾いて治ってきますが、ウイルスは体に残り、疲労や月経、性行為などで再発することがあります。

腟トリコモナス

一般に女性に強い症状が出ます。男性にはほとんど症状が出ませんが、治療をしないと他人に感染させる危険があります。
おりものが黄色から黄緑色で生臭く泡が混じっていて、外陰部のかゆみや排尿痛を伴います。

HIV

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により起こる病気です。病気が進行すると、次第に抵抗力が弱まり、健康なときなら心配のないウイルス、細菌、カビなどの病原体によって、様々な病気が引き起こされます。始めはほとんど無症状で経過しますが、抵抗力が落ちてくると、発熱、下痢、倦怠感、体重減少など様々な症状がでます。病気が進行すると、ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)、HIV脳症、カポジ肉腫などの合併症も現れます。

このように主なものだけでも様々な病気があり、様々な症状があります。また、不妊症に繋がるものや、妊娠している場合では赤ちゃんに影響を与えるものもあります。おりものに変化があった際などはすぐに受診し、陽性の場合は必ずパートナーと二人で治療をしましょう。
陽性であった場合、感染症は鍼灸の適応外ではありますが、不安な気持ちを取り除く一助にはなり得ます。「いつ、誰から、自分なのかパートナーなのか、身近な人に相談できない」等、ネガティブな気持ちになってしまうこともあるかもしれません。そんなときに、当院の鍼灸治療によって心をスッキリさせるお手伝いが出来ればと思います。

クラミジア抗原抗体が陽性であった場合の検査や治療法が以下の記事に載っておりますのでご参照頂ければ幸いです。

性行為感染症(STI)について

※参考資料
「はじめての妊活スタートブック赤ちゃんがほしいときに読む本」 ナツメ社
「性感染症ってどんな病気?」 東京福祉保健局

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