hCG投与について追伸事項

妊活応援ブログ

先週の木曜日、採卵前になぜhCGを投与しなければならないのか、また何故LH製剤がないのかについて説明させていただき、大きな反響をいただきました。ありがとうございます。

Q 採卵前になぜ hCG?

さて、当院へ通院されてる患者様の多くは新宿にある加藤レディースクリニック(KLC)、もしくは新橋にある加藤レディースクリニック系列の新橋夢クリニックに通院されています。KLCの大きな特徴としては採卵前にhCG製剤を全く使わないことがあげられます。

では、なぜKLCではhCG製剤を使わないのか?

それはKLCではhMGやhCGを多量に投与すると、排卵されない卵胞が残ってしまう(残像卵胞)元凶であると考えているからです。残像卵胞は次の生理周期で排卵されたとしても、良好な卵子にはなりにくいのです。もう一つのKLCの特徴は刺激の量をごくごく軽く押さえていることです。いくら卵がたくさん作られてもいい卵でなければ、妊娠は難しいと考えています。ですので、どちらかというと他のクリニックと比べると、体により優しいと考えます。但し、この方法だと採卵できる数が限られてしまいます。しかし、多くの患者様を治療するなかで、やはり数よりは質が大事だと考えます。時に強い刺激法で20個採卵できたとしても、1個も受精しないといったことも起こり得るわけです。また、AMHの値が低い人へ強い刺激をしても、良い卵はなかなかとれなかったり、卵巣が刺激に耐えられず、すべて空砲のようなことも起きます。

話を戻しますが、KLCではhCGの代わりに点鼻薬(スプレキュア)を利用しています。
スプレキュアとは、視床下部に働きかけることで脳下垂体ホルモンの分泌を抑制するGnRHアゴニストというお薬です。本来は抑制する作用があるのですが、短期間利用すとフレアーアップ現象がおこり、LHとFSHの急激な上昇を招きます。この作用を利用して採卵します。

スプレキュアについてですが、ここ数年でスプレキュアに代わってセトロタイド、若しくはガニレストといったGnRHアンタゴニスト製剤が多くつかわれるようになりました。利点としては、GnRHアンタゴニストはGnRHアゴニスト(スプレキュアなど)に比べ長い期間投与する必要がないため、効果がすぐに現れること。また、「下垂体の回復が早い」「HMGの投与量が少なくOHSSの発症が少ない」「卵巣刺激にかかる総費用が安い」などのメリットがあります。

何はともあれ、不妊治療をすることによって、より元気になったりより健康になる人はまずいないので、体の負担も考えて、健康にはいつもより一層留意したいものです。

アキュラ鍼灸院
ファティリティーウェルネス
院長 徐 大兼

 

執筆者紹介

アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)
院長 徐 大兼

プロフィール

アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)

妊活は、時間との闘いでもあります。その大切な時間を一秒たりとも無駄にしたくないと私たちは考えています。妊娠する能力を高め、より早く結果を出すことをお手伝いすることが私たちのミッションです。

不妊鍼灸でお腹の凝りをほぐし、子宮・卵巣本来の力を引き出します。また、身体の不調と自律神経を整え、卵巣への血流を促進し、卵巣機能改善サポートを行います。

不妊治療中の不安をお聞きしながら、「妊娠しやすい身体」になるため、全力でサポートします。

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