3週間前から耳鳴りで悩んでします。実家は大阪なので4回ほど針を行い、改善はしてきていますが、まだ完治しません。東京には単身で住んでいます。一般的には何回ぐらいの治療で完治するものでしょうか?左突発性難聴と診断されました。左耳4000ヘルツの結果だけよくないということです。年齢は49歳です。
難聴は睡眠不足、ストレスから発生するものがほとんどです。よって、それらのストレスや生活習慣の見直しがとても重要になってきますので、単純にどれぐらい、、、といえないところがあります。
一般的に規則正しい生活、ストレス発散、毎日30分程度のウォーキング、バランスの取れた食事を心がければ、2-3か月でほぼ完治することが多いですが、個人差があります。通院頻度は週に2-3回となります。
突発性難聴は発症後できるだけ早く治すことにより後遺症(難聴、耳鳴り、めまい)を防げます。
東洋医学的治療
まずは生活の改善から
お医者さんからも同じことを言われると思いますが、まずは日常生活の改善が大切です。
発病に至るには、必ず病を引き起こすライフスタイルがあるはずです。
発作を繰り返さないために、ご自分の生活習慣を見直してみましょう。
- ストレスを解消する方法をみつけ、こまめにリフレッシュする
- 毎日規則正しい生活を送る
- 睡眠時間を充分にとる
- 忙しくなる前と後にはできるだけ休養をとる
- 低気圧や寒冷前線などで症状が悪化することが知られているので、その日には無理をしない
- 時間に追われるのではなく、ゆとりある生活を心がける
- 休みの日には趣味やスポーツを楽しむ
突発性難聴は、ストレスが誘因になっていることが知られています。働き盛りを襲う病気であることから、仕事の責任と重圧はかなりなものがあると考えられます。適度なストレスはいきいきと生活するために必要ですが、過度のストレスは突発性難聴だけでなく、他の病気の誘因にもなります。ストレスを解消する方法をみつけ、こまめに気分転換をはかりましょう。
また、突発性難聴は、内耳の循環不全という病態でもありますから、全身の血流をよくすることが大切です。そのためにはウォーキング、水泳などの「有酸素運動」が効果的です。一駅遠くまで歩くなど、生活の中で続けられる運動、また楽しみながらできる運動を試してみましょう。
毎日のストレス解消法
入浴でリラックス>
入浴は最も手軽なストレス解消法です。40℃くらいのぬるめのお湯に、10分程度ゆっくり浸かってください。浴室の明かりを消してバスタブのそばにキャンドルを置いたり、アロマオイルを入れたりして楽しむなど、バスタイムが楽しくなる工夫をしてみましょう。
ぐっすり眠って元気をチャージ
夜に発作が起こることは少ないということをまず知っておきましょう。寝ている間に発作が起こるのではないかという不安がなくなり、安心して眠れます。
眠りを誘う音楽や、リラックスできる香りなど、自分の好みのものを探してみましょう。
胃の中に食べ物がある状態で眠ると、消化にエネルギーを使うので安眠できません。空腹で眠れない時は、ホットミルクをゆっくりと飲むと落ち着いてよく眠れます。
ベッドに入る1時間くらい前にストレッチをすると、筋肉のこりがほぐれて循環がよくなり、眠りの質が高まります。
ナイトキャップは考えもの。アルコールによって睡眠の質が落ちます。
睡眠の1サイクル(深い眠りと浅い眠り)は90分ごとに繰り返されると言われています。ですから、眠りについてから起きるまでの時間が90分の倍数であれば、すっきりと目覚めることができるのです。気持ちの良い朝を迎えるために、起床時間を調整してみてください。
バランスのよい食事
極端な偏食や外食では充分な栄養がとれません。カルシウムなどの栄養素が足りないと精神的に不安定になりやすい傾向もみられます。朝昼晩の3食をしっかり食べることが大事です。
緑黄食野菜、牛乳・乳製品や小魚・青魚なども意識的にしっかり食べましょう。
ストレッチで体と心の緊張をほぐす
ストレッチは、筋肉の緊張だけでなく、心の緊張もほぐしてくれる効果があります。
昼休みや、仕事の合間に簡単なストレッチを行いましょう。胸を張る、肩をすくめた後にストンと脱力する、ゆっくり前・後屈して腰を伸ばすなどのストレッチで血流が改善し、気持ちもリフレッシュします。
深呼吸で気分転換
緊張感を強いられる仕事などでは集中しているために呼吸が浅くなりがちです。深呼吸には、自律神経を静める作用があります。発作を予防するためにも、深い呼吸を意識しましょう。呼吸法についての本もたくさん出版されていますが、手軽に試すには以下の要領で。
・背筋を伸ばし、お腹をふくらませながらゆっくりと息を吸い込む。
・肩の力を抜いて、ゆっくりと息を吐き出す。 吸う息より、吐く息を長く、ゆっくりにするのがポイント
これを3回程度繰り返します。
この機会に禁煙を
たばこの煙には数百種類の発がん物質が含まれています。がんにかかる危険が増すだけでなく、ニコチンによって血管が収縮し、全身の血流が悪くなります。突発性難聴では血流の改善が大切ですから、たばこはすぐにやめていただきたいと思
います。禁煙によってご飯もおいしくなりますし、周りの方々の受動喫煙を防ぐことにもなって喜ばれることでしょう。
鍼灸治療によるアプローチ
鍼灸治療の素晴らしいところは、わずかな刺激で大きな効果が得られるということです。また、薬などのように外から何かを加えるのではなく、患者さん自身の自然治癒力によって治る力を引き出すため、副作用がない、安全な治療であるのも魅力です。
突発性難聴は内耳の病気と言われていますが、その発病の背景には、ストレスによる自律神経の失調があります。
自律神経には、緊張と興奮のための交感神経と、リラックスのための副交感神経があり、その2つの神経がバランスをとることで体の機能を整えています。
常に緊張を強いられる状態にあると、交感神経が常に優位になり、リラックスのできない状態が続いてしまいます。
人間は、副交感神経が優位であるときに体中の細胞が修復され、免疫力も向上するのです。その機序からいって、突発性難聴では意識的に副交感神経を優位にしてあげる必要があります。
鍼灸治療は、副交感神経を優位にすることが知られており、治療によって深いリラックス効果が得られます。治療後はぐっすりと眠った後のような爽快感を感じることができるでしょう。
また、突発性難聴の方は肩や首の筋肉が硬く
なり、頭部の血液循環を悪くしていることが多いものです。内耳の血流をよくし、リンパ液の吸収を促進するためにも、コリはほぐさなくてはなりません。鍼灸
治療では、硬くなった筋肉に直接刺激を与え、ゆるめることが可能です。特に首の筋肉は細い筋肉が何層にも重なっています。マッサージなどで表面からほぐす
には時間もかかり、また深部までほぐそうと力を入れると、揉み返しといって翌日かえって首が痛くなったりすることもあります。
その点、鍼は髪の毛よりも細く、深部の筋をピンポイントで狙えますので、刺激が少ないのに効果が大きいのです。
突発性難聴は耳の病気ですが、鍼灸治療で耳の周りだけに鍼を打つとは限りません。
当院では、患者さん一人一人の体質を見極め、病んでいる経絡(気や血の通り道)を探して整えていきます。
たとえば、耳を司っているのは「腎」の働きです。腎とは、腎臓そのものというよりも、腎が行っている体の機能を広く指す言葉です。腎は耳の機能だけでなく、骨や生殖機能も司っています。
余談ですが、腎は生命力そのものを支えると考えられていますので、歳をとると腎が弱り、骨粗鬆症になったり耳が遠くなったり、生殖機能が衰えるのです。
腎の経絡は足の内側、かかとのあたりを通っているため、腎の経絡を治したければ足に鍼を打つこともあります。
また、内リンパ水腫という病態を考えると、体の中の水分調節がうまくいっていない状態ととらえることもできます。
水分調節を行っているのは三焦(さんしょう)経です。三焦とは架空の臓器ですが経絡は手の外側を通っていると考えられています。したがって、手の外側に鍼を打つこともあるのです。
あるいは、「肺」も「水の上限」であり、水分代謝に関係すると言われています。呼吸によって水分も排出されることから、生理学的にみても説明のつく理論と言えるでしょう。
肺経は手の内側を通っています。
「脾」も水に関係する経絡です。脾は広く消化器を指す概念であり、栄養や水分が吸収されるのは消化器ですから、これも生理学的に考えても矛盾はありません。
脾の経絡は足の内側を通っています。
そして、もう一つ水に関係する経絡があります。先ほど述べた「腎」が
それです。腎臓の働きを生理学的に説明すると、腎臓は、血液中の水分を調節する臓器です。水分を摂りすぎた場合など、水分が多すぎる場合にはおしっこをた
くさん作って体外に排泄し、逆に汗をたくさんかいたり、水分が摂れないような状況では、水分を再吸収しておしっこの量を減らします。
鍼灸治療では、腎の経絡を整えることで耳の機能と水分代謝の両方にアプローチすることができるのです。
このように、突発性難聴という病名は1つでも、病の原因は1つとは限りません。
患者様の体質を見極めたうえで、もっとも効果的な経絡を選び、整えることが必要なのです。
それに加えて、経絡やツボ(経絡の中のいくつかのポイント)という考え方と、筋肉や神経という解剖学的な視点を組み合わせて鍼を打つこともあります。耳の周りに局所的に鍼を打つことももちろんあります。全身の調整を行ったうえで局所的な治療も行える。それが鍼灸治療の強みです。
まだ鍼灸治療を体験されたことのない方には、ぜひお試しいただきたい治療法です。
アキュラ鍼灸院 院長 徐 大兼
執筆者紹介
アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)
妊活は、時間との闘いでもあります。その大切な時間を一秒たりとも無駄にしたくないと私たちは考えています。妊娠する能力を高め、より早く結果を出すことをお手伝いすることが私たちのミッションです。
不妊鍼灸でお腹の凝りをほぐし、子宮・卵巣本来の力を引き出します。また、身体の不調と自律神経を整え、卵巣への血流を促進し、卵巣機能改善サポートを行います。
不妊治療中の不安をお聞きしながら、「妊娠しやすい身体」になるため、全力でサポートします。
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