道教、という宗教をご存知でしょうか?
中国三大宗教の1つであり、東洋医学でも言われる陰陽説や五行説も取り入れた世界観・健康法を唱えています。
道教では、死んでしまえば魂も何もかもすべてなくなってしまうとし、不老長寿を目的の1つとしています。
そして神仙(いわゆる仙人)になることを目指します。中国の昔話によく出てきたりする、長い白ひげのあの仙人ですね。
こちらを取り上げていくとかなり長くなってしまいますので、今回は道教での健康法の中で説かれている調息(呼吸)に関する部分をお伝えします。不老長寿を目的としていることもあり、養生法は重要視されています。
道教の養生法 〜調息〜
ただの呼吸ではなく、臍下丹田、ツボで言うと関元というところまで落とし込んで身体に深く巡らせる呼吸法であり、これを「胎息(たいそく)」と言います。
通常の呼吸では肺までしか息は届きませんが、それを下腹部まで落とし込んで丹田の火を燃やすのです。
丹 → 紅い
田 → 生産する場所
生命の炎を燃やす場所であり、丹田に当たる場所は「関元」、これは身体を温めるにとても有効なツボの1つですこの場所まで呼吸を、栄養を持っていく。母の胎内における胎児の呼吸の方法なのです。故に、胎息と呼ばれます。
調息 → 閉気(へいき)
吸った空気をすぐに吐いてしまうと不十分であり、長時間息を止めておくことが深部にまで巡らせることに繋がります。閉息して、滋養吸収できる時間を長くするのです。
また、東洋医学においては封閉(ふうへい;または封蔵)といい、身体の中にエネルギーを落とし込む作用があります。意識していなくとも、特に寝ている時に起こるこの生命機能で私たちは身体の深部まで滋養しているのですこの機能を高める為にも呼吸法を合わせると、より有効となるでしょう。
東洋医学、ヨガ、瞑想、様々なところで呼吸法の大切さは言われており、東洋医学発祥の中国では宗教観からも唱えられています。
・調息
・閉気
臍下丹田、命の炎が燃える場所まで深く落ち着いた呼吸をして、仙人になった気分を味わってみてはいかがでしょうか。
鍼灸師 西村 亮二
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