- 「妊活に良いと聞き、山芋ばかり食べています。でも本当に効くの?」というご質問をいただきました。
「ネバネバするもの=妊活」。レシピでもよく目にしますよね。当院でも施術中の患者さまとの会話の中でその話題がよくあがります。中でも「山芋」はTOP3王冠に入るのではないでしょうか。
「ネバネバするもの」については、すでにインターネットなどでかなり紹介されており、その効能などみなさんもうよくご存じのことと思いますので、薬膳の目線で「山芋」に注目してみました。
「山芋」は、「山薬(サンヤク)」と言われ、山(ヤマ)の薬(クスリ)と書くだけあって滋養強壮に有効な「中薬」として古来より用いられている食品です。またそれだけに留まらず、「脾」「肺」「腎」の機能を高め、消化吸収を促進、身体の水分調節、弱った臓器の機能改善等の作用を有しているとも言われ、重宝されてきました。
(栽培方法や収穫方法にも手間がかかる食品なので、その扱い方からも貴重とされてきたのかもしれませんねs)
太陽の恵み太陽をたっぷり吸収した肥えた大地に深く根を伸ばし、地中のミネラル分を十分に吸い込んだその根には、ストレス社会で気の滅入る事が多くなっている私たちの身体に「自然のエネルギーを与え、体の機能回復を促してくれる力がある」とされているので、新しい生命をつくり出す身体、生命を向かい入れる身体を作っていく妊活では、バランス良く日々の食事に摂り入れていきたい食品に値するのではないでしょうか。中でも「自然薯」は、他の山芋に比べカルシウム、カリウム、リンなどのミネラル分やアミノ酸類の含有率が高く、身体の調子を調える作用が強いと言われています。
さてここで少し気にしておいてほしいことがあります。いわゆる「身体に良い食品」だけを食べていても「その機能が発揮されない」または「期待したほどの効果が現れない」ということが起こる、ということです。
食事指導では、「バランス」を重視します。「油断大敵」という言葉を例に脂質異常症の方の栄養指導をする際、「油を完全に絶ってしまっては身体がうまく機能しなくなってしまいます。潤滑油という言葉があるように、ほどほどに必要な栄養素なんですよ」とお伝えすることがあります。つまり、「無くす」のではなく、「偏ってはいけない」と示唆しているわけです。
今ここに座布団があるとします。そこに座るとき、デコボコしていると何だか不快で座りたくなくなりますよね。自分で座布団の中の綿の調節をすることができればよいのですが、それが難しい時は、専門の方にその直しをお願いして座り心地のよい座布団を作りますよね。栄養学に当てはめると、それがサプリメントになるのです。調えきれない栄養をサポートする、ということです。
栄養素は、身体の中で単独で力を発揮するものはほとんどなく、糖質、蛋白質、ほかの栄養素やミネラル、アミノ酸といった様々な物質と相互に作用しあいながら身体の機能を管理しています。これにより身体の土台がしっかりとし、「効果のある食品の効果」も十分に発揮されるというわけです。(プレママプラスのサプリメントは、その「吸収バランス」に注目し、素材を選び、製造しているので、食事のサポートにお勧めです)
まだまだ暑い日が続きます。どうぞご自愛くださいませ。
鍼灸師&管理栄養士
水村 あや
*「中薬」とは、自然資源のうちで「薬効が認められ、中医学の理論に基づいて使用されるもの」をさし、日本では「生薬(ショウヤク)」と呼ばれるものです。
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