今日は『枸杞(クコ)』についてご紹介します。
ご存知の方も多いと思いますが、杏仁豆腐の上にちょこっとのっている赤い実がクコの実です。
最近、糖尿病や動脈硬化の予防に、少しずつ日本でも注目され始めている、クコの実。
クコは植物全体が宝物だと言われています。
春の芽は『天精草』といい、めまいや高血圧、糖尿病に。
夏の茎は『長生藤』といい、冷え性やリウマチ、成人病に。
秋の実は目や精力をつけるのによい『クコの実(枸杞子)』といいます。
冬の根は『仙人杖』といい、漢方名は『地骨皮』といい、足腰が弱って痛みのある時に用いられます。
更に、クコにはLBPと言われる栄養素があります。
★LBP=クコ多糖類(lyceum barbarum polysaccharides.LBP)は6種類の単糖類(アラビノース・ラムノース・キシロース・マンノース・ガラクトース・グルコース)ガラクツロ ン酸、および18種類のアミノ酸から構成されており、酸性ヘテロ多糖、ポリペプチドやタンパク質からなる複合多糖類の一種。
このLBPは、脂質の過酸化を抑え、肝臓の酵素を活性化する作用を持ち、マウス実験では平均寿命を延ばすことが確認されています。また、LBPは細胞の免疫力を高めて、ガン細胞の増殖を抑制する効果もあるといわれています。
中薬学的な効能は
☆滋補肝腎、明目
☆潤肺
肝腎要の”肝”と”腎”を補う作用があり、視力減退や風に当たると涙がでるような目の症状や慢性の咳嗽に効能があるといわれています。
女性の体で子宮は”肝”、卵巣は”腎”なので、不妊治療中の方の食養生でもおすすめです。
粒が大きくてふっくらと質の良い物を選びましょう。LBPは酸化しやすいため、保存は密封した缶などに入れ、日光に当てず湿気を吸わせないようにしましょう。
また、酸化すると鮮やかな赤色は黒く変色してしまうので、こうなると食べない方がよいでしょう。
クコの実は、熱に弱いビタミンC、ビタミンB1、ルチンなどの成分を含むため、加熱しすぎないように。β-カロチンをを摂るためには油を多くして煮たり、炒めたりするとよいです。
栄養素を上手に利用するためには、過食せずに1日15~20gを限度によく噛んで食べるようにしましょう。
鍼灸師 石橋
コメント