さてさて、あと10日ちょっとでお正月がやってまいります。
今年一年、やり残したことはありませんか?
残りの10日間でできることは片付けて、すっきりとした年始に致しましょう★
今日は、 習慣流産 についてのお話です。
想像するには、ちょっぴり悲しいお話かもしれないけれど、知識として持っておくと、何かの役に立つかもしれません。
習慣流産ってなに?
流産を3回以上繰り返した場合を指します。
流産は多くの妊娠で見られ、誰にでもおこる病態ですが、3回以上繰り返す場合は両親に何らかの疾患がある場合もあります。
精査を行うことも可能ですが、原因がはっきりしない場合も多いのが特徴です。
今日のブログでは、その中の一部についてお話します。
どんな原因が考えられるの?
以下のような原因が考えられています。
(1)内分泌機能異常
(2)自己免疫異常
(3)クラミジアなどの感染症
(4)子宮筋腫、子宮の形の異常
(5)転座
(6)カップル間の移植免疫的相性
今回はこれらのうち(1)内分泌機能異常についてお話します。
内分泌機能異常とは?
内分泌系=ホルモン系の異常が原因のものを指し、以下のようなものが挙げられます。
黄体機能不全
黄体の機能が悪く、プロゲステロンの分泌量が減ってしまう病態。
【原因】
卵胞刺激ホルモンや黄体化ホルモンの分泌が不十分
→ 卵胞発育が障害 → 黄体からのプロゲステロン分泌低下
プロゲステロンの分泌不足により、着床環境が悪化し流産につながると考えられています。
【治療】
黄体ホルモン補充
高プロラクチン血症
産後でもないのにプロラクチンの値が必要以上に高い状態を指します。
プロラクチン=乳汁を出すことに関与(体が産後の状態)
高プロラクチン血症=体が産後と勘違い=妊娠しにくい
【原因】
薬(胃潰瘍の薬・抗うつ剤・降圧剤等)の長期服用、下垂体の腫瘍、ストレスなど
【治療】
薬(胃潰瘍の薬・抗うつ剤・降圧剤など)の服用中止、腫瘍除去、ドーパミン製剤(パーロデル、テルロン、カバサール)などの内服薬処方など
甲状腺機能低下症
前述の、高プロラクチン血症を引き起こします。
【原因】
甲状腺が慢性炎症を起こして機能が低下(自己免疫障害のひとつ。橋本病)、
ヨウ素の摂取不足(甲状腺ホルモン自体を合成できない)、
甲状腺を摘出、放射線療法により甲状腺機能を廃絶させた場合など。
【治療】
甲状腺ホルモン製剤処方
糖尿病
高血糖の場合、胚・胎児の細胞分裂や代謝過程に異常をきたし、流産しやすくなると言われています。
【原因】
先天性、過食(による肥満)、飲みすぎ、運動不足、不規則な生活、ストレスなど
【治療】
経口血糖降下薬やインスリン注射で血糖のコントロール。
食事や運動・ストレスに配慮することも大切です。
上記疾患に該当したら?
もしも習慣流産の原因となる疾患をお持ちであれば、妊娠前にかかりつけのお医者様や不妊治療のお医者様に、ご相談なさることをお勧めします。
想定できるリスクは事前に排除してしまいましょう。
次回以降、自己免疫異常などその他の原因についてお話させていただきます。
鍼灸師 平井香菜
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