皆さんこんにちは。すっかり秋も深まり、寒い日も増えてきましたね。
先月家族がカリフォルニア州サンディエゴに出張し、お土産に現地
そこには日本食レストラン情報や住宅情報と一緒になって
「卵子提供ドナー募集!20歳から30歳くらいまでのボランティア精神と責任感のある方。
謝礼は8000ドル(現在の円にして120万円程度)!」
という広告が。。。
当院には卵子提供を受ける患者様もいらっしゃいますので、思わず
カラッと明るい、大学生と思しき女性の写真とそのオープンな雰
しばらくして、素朴な疑問も浮かびます。
この雑誌で精子提供ドナーが募集されないのはなぜ
精子も卵子も妊娠に必要な配偶子なのに、なぜか日本人向けに日本
これってとても変な話だと思いませんか?
精子提供はいいのに卵子提供はなぜダメ?
実は、精子提供は国内で可能です。匿名の精子提供者を見つけ、非
かたや卵子提供・・・
国内では「一般不妊治療」として行われることはありませ
それはなぜでしょう。
その一つの理由は、体外受精(ART)の法整備が日本でされてい
ご存知のように卵子提供はART技術なしには不可能です。
2012年の世界統計によれば、全世界で行われるART周期数の17%が日本で行われています。
2012年の世界統計によれば、全世界で行われるART周期数の17%が日本で行われています。
単一国における周期数では世界最多です。
にもかかわらず、なんと、日本にはARTの実施臨床に関連する法令が一切存在しません!!
これは先進国においては他に例がありません。卵子提供を認めようにも前段階の法制度がないのです・・・
かといってAIDを認める法も立いまだにありません。
2001年「精子・卵子・
戦後の混乱期に始まり、あるのは法的拘束力のない産科婦人科学会
どちらも法整備されていないのになぜか精子提供だけは現状肯定の形で継続しているのです。生殖医療の法整備の遅れ・・・日本だけが世界から取り残されていると言えます。
国外で増える卵子提供
さて、国内で認められる卵子提供のケースは早発閉経、卵巣摘出などです。しかし実際に卵子提供を望む女性の9割は、不妊治療を続けて来たけれどついに妊娠に至らず、医師より卵子が老化していると診断された40歳以上の方なのです。
そのため近年アメリカ、東南アジアなどの国外で卵子提供を受ける
少し古い情報ですが、参考までに読売新聞の報道(2012年5月)によれば提供卵子を求めてタイへ渡航する日本人の数が年々増加している、とあります。
2010年には133人、2011年には231人です。
最後に
日本のART法整備が停滞している、そのために治療の安全確保、あっせん業者や卵子提供者への支払い、その人権や健康問題などの課題を複雑にしているように思うのです。
もちろん第三者がかかわる生殖医療は夫婦、配偶子提供者、子供、と当事者が増えるぶん、家族のあり方や倫理的な問題も問われます。(例えばAIDで生まれた子供たちが「出自を知る権利」を求めて2000年代初頭から自助団体を作っているように。)
慎重な議論も求められるその一方、現状と法整備の乖離が一番大きな問題だとサンディエゴの広告を見
参考:
◎第三者の関与する生殖医療ー日本と世界の比較
埼玉医科大学産婦人科教授 石原理
◎精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する報
◎AIDで生まれるということ~加藤英明さんに聞く 講演録~
http://blogs.shiminkagaku.
鍼灸師 村越 麻紀子
執筆者紹介
アキュラ鍼灸院鍼灸師 村越 麻紀子
千葉県生まれ。私は小さい頃から母の肩をたたくのが好きでした。大学卒業後、教授秘書として就職するも、母の「楽になったよ。ありがとう。」と喜んでくれた笑顔が忘れられず、「人の体をこの手で癒す仕事がしたい!」と言う一心で鍼灸師になりました。沢山の患者様の笑顔に触れ、そして自分の家族が出来た今もこうして大好きな仕事が続けられてとても幸せです。 この先も患者様の為に日々研鑽を積みたいと思っています。
趣味は海外の方との交流を通じて世界の文化に触れる事。都市建築や美術館巡りも好きです。古く伝統あるものに心魅かれます。
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