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いつのまにか進行・・・?不妊の原因となる感染症

先日自治体から子宮頸がんの検診案内が届きました。
子宮頸がんは、がんの中でも唯一ワクチンで防げるがんと言われています。
その理由は、子宮頸がんがヒトパピローマウィルス(HPV)の感染によって引き起こされるからです。
つまり性交経験が一回でもある女性なら感染の可能性があるのですビックリマーク
そのため、性行動が活発になる前の小学6年生から高校1年生の女子を対象に
2013年から日本でも公費で予防ワクチンの接種が開始されました。
子宮頸がんについて

不妊の原因になる感染症って?
性行為で感染する病気の中には、不妊の原因となるものがあります。
今日は、感染率が高く身近な感染症として
・クラミジア
・淋病
・子宮頚がん
の3つをご説明したいと思います。

性感染症というと、「特定のパートナーだから大丈夫」「自分には関係ないわ」と思われる方も多いかと思います。
けれど、一回の性交渉での感染率が50~80%!!という感染症もあることをご存知ですか?
しかもそのほとんどが、感染しても自覚症状を伴わないのです。
若いころに感染し、自覚症状がないままいつのまにか進行・・・しょぼん
炎症が子宮や卵管にまで進行する事で癒着や閉塞をおこし、子宮外妊娠やピックアップ障害の原因になることもあるのです。ベビ待ちさんの敵?~卵管閉塞について~
事実、原因不明不妊の3割はピックアップ障害ではないかと言われています。

感染原因・感染率は?
上にあげた3つとも、性交渉によって感染します。
クラミジア・淋病については、オーラルセックスによって咽頭に感染する事もあります。

・クラミジア
クラミジア・トラコマチスという菌に感染することによっておこります。
クラミジアの感染率はなんと50~80%!!
2回性交渉があれば、ほぼ100%の確率で感染するという事ですガーン
そのため、10代~20代の若年層の間で非常に感染が広がり、10代女性の10%に感染が見られるとの報告もあります。
平成27年度の年間罹患数は24,450人(厚生労働省発表)ですが、これは自覚症状などがあり病院を受診した人数ですので、実際の感染者数はこの数倍になると考えられます。
すでに国内では100万人以上が感染しているといわれており、将来の不妊原因となることが危惧されています。
妊婦健診でも2~3%前後の妊婦さんからクラミジアが検出されており、産道感染を避けるため出産までに治療が必要となります。

・淋病
淋菌の感染でおこります。
感染率は約30%といわれ、同時にクラミジアにも感染している事が多くなっています。
平成27年度の罹患数は8,698人です。
が、ここ10年間男性の罹患数は下がり続けているのに対し、女性の罹患数に大きな減少は見られません。
これは、淋病の症状が女性には現れ難いことが原因と考えられます。
それだけ女性は淋病に感染しても症状が進むまで気づきにくいのです。
出産時に産道で赤ちゃんに感染すると赤ちゃんの目の結膜炎や関節炎などを引き起こし、最悪の場合は失明の危険性もあるので出産までに必ず治療しなければなりません。

・子宮頸がん
ヒトパピローマウィルス(HPV)の感染によっておこります。
HPVには100種類以上もの型があり、その中でも子宮頸がんや膣がん、外陰がんなどの原因となる高リスク型HPVは13種類あり、日本人の子宮頸がんに多く見られるのはHPV16型とHPV18型です。(子宮頸がんワクチンではおもにこの二つの型について予防効果があります)
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の発表ではセックスの経験がある女性の約50~80%以上はHPVに感染した経験があると推計されています。
クラミジアに匹敵する感染率の高さに不安になりますが、感染した女性の90%は免疫によって自然にウィルスが排除されます。
10%の人は感染が持続しますが、そのうち子宮頸がんを発症する人は約1%です。
感染してから数年~10年で子宮頸がんを発症します。

どんな症状?/不妊との関係は?

・クラミジア
女性:いつもより多いおりもの
おりものの色が濃くなる・においがきつくなる
下腹部の痛み
約50~80%の女性は感染しても症状が現れません。

男性:排尿時痛。
排尿時の違和感。
男性も50%の人には症状がでません。

治療をしないでいると、子宮頸部の感染が徐々に子宮、卵管へと進行し、症状が進むと炎症をおこすことがあります。

クラミジアの症状それ自体よりも、炎症によって卵管の狭窄や、卵管、卵巣、子宮といった臓器の周囲に癒着や閉塞が起きることが不妊の原因となります。
ピックアップ障害の8割はこういった感染症による癒着によっておきているともいわれています。

・淋病
女性:おりものが増える
おりものが黄緑色になる
陰部のかゆみ
尿道からの膿

男性:尿道の違和感、痛み
尿道からの膿・出血
排尿時痛

男性は女性より強い症状が現れるため、感染に気付く事が多いのですが、女性は症状が少なく気がつかない事もあります。しかし感染を放っておくと子宮内膜炎や卵管炎、下腹部痛や発熱を起こす事もあり、クラミジアと同じく卵管周囲の癒着、卵管の疏通生障害の原因となります。男性も放っておくと尿道炎、前立腺炎を引き起こします。

・子宮頚がん
不正出血
性交時痛
子宮頚がんも進行するまで自覚症状が現れ難い病気です。

そのため、不正出血などの症状が現れた時にはがんが進行していることが疑われます。
がんが子宮頸部の上皮組織を越えて広がっている場合は子宮全摘出となることが多く、そうすると妊娠自体ができなくなってしまいますしょぼん

治療は?

・クラミジア
・淋病
どちらとも抗生物質を服用します。
1~2週間で治るため、おりものなど体調の変化を感じたら受診することが大切です。
また、女性だけが治療をしてもパートナーが未治療だとお互いに移し合う「ピンポン感染」が続いてしまうため、パートナーと一緒に治療する事が大切です。

・子宮頸がん
外科手術が中心となります。
*がんが子宮頸部のごく表面の上皮に留まっている「早期がん」の場合:
子宮頸部の病巣を切除する「円錐切除術」が選択されます。
子宮の本体は残す事ができるので、その後の妊娠・出産も可能です。
*がんが上皮組織をこえて下の基底層まで及んでいる場合:
基本的に子宮全摘出術となります。
*さらにがんが広がっている場合:
子宮や卵巣、膣の一部まで広範囲に摘出する「広汎子宮全摘出術」となります。

強い希望があった場合将来の妊娠・出産の可能性を残すため、「広汎性子宮頸部摘出術」という新しい術式を行う医療機関も出てきています。

これは子宮頸部を広範囲に切除し子宮体部と膣を繋げる手術ですが特別な技術が求められ、妊娠した場合は早産になりやすいので徹底したケアが必要になります。

円錐切除術後に妊娠した場合も、流産、早産、破水などのリスクが高まるため細心の注意が必要です。

子宮頸がんは初期には自覚症状がほとんどないため、不正出血、性交痛などの自覚症状を感じた時にはがんが子宮頸部以外にも広がっている疑いがあります。

そこまでがんが進行してしまうと、子宮を温存する事が難しくなってしまいますしょぼん
以前は40~50歳代が発症のピークでしたが、今は20~30歳代に発症が増え、30代後半が発症のピークとなっています。そのため、20歳をすぎたら2年に一度の検診を受け早期に発見する事がとても大切です。
ところが日本の子宮頸がん検診受診率は37.7%(2013年:厚生労働省発表)しかありませんあせる

クラミジア、淋病、HPVの感染率の高さを知っても、「私は大丈夫」と言えますか?
自分の体を大切にできるのは自分自身です。
感染をしないようなセーフセックス(特定のパートナー、コンドームの使用など感染リスクを下げるよう配慮した性行為のこと)を心がけることはもちろんですが、妊娠・出産を考える女性だけでなく、全ての女性が「自分の体を大切にすること、そのために検診を受けることがあたりまえになること」を願っていますヒヨコ

そして、将来妊娠・出産するかもしれない子どもたち、今妊娠を考えている女性とパートナー、その親の世代、社会全体が正しい知識を持ち、検診を身近に感じられるよう、私も検診の大切さを伝えていきたいと思っています。

「また今度」「時間ができたら」と思っていた方、
ぜひ今パー検査・検診を受けましょう!

鍼灸師 村上 華子

参考引用:
国立感染症研究所
厚生労働省
「病気を知ろう」日本産科婦人科学会

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