不妊カウンセラーの役割

アキュラ鍼灸院 問診の様子

6月3日から5日の3日間、NPO法人日本不妊カウンセリング学会第15回学術集会および、第38回 不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座が開催されます。

5日の日曜日には、院長が「ストレスを緩和する鍼灸」という演題で講演する予定もあり、当院のスタッフも聴講を楽しみにしています。

年に2回開催される学会は、虎の門にあるニッショーホールで行われ、700人を収容できる多目的ホールに全国から多くの人が集まり、こんなにも不妊治療について学んでいる人がいるのかと毎回圧倒され、私も頑張らねばと勇気づけられます。

アキュラ鍼灸院に勤務し、日々来院される不妊治療中の患者様にとって、身体のケアだけでなく、一人一人が複雑な背景を持つ不妊治療に対して、不妊カウンセリングの知識、技術で心理的なサポートをしていくことが不可欠だと実感し、私も資格取得しました。

不妊カウンセラーとは、NPO法人日本不妊カウンセリング学会が認定を行っている資格で、不妊で悩んでいる人々に対して、妊娠・出産や不妊に関する適切な情報提供活動を行い、カップルが最適の不妊治療を選択することができるよう、不妊カウンセリング・ケアの実践や研究活動を行っています。
現在1000名を越えるカウンセラーが学会の認定を受け全国で活躍しています。

取得者は主に、不妊治療を専門とするクリニックなどに勤務する医師、看護師、培養師、臨床心理士ですが、鍼灸師、薬剤師も多く在籍し、増加する不妊治療を受けているカップルに対する需要の高まりの現れかと思われます。

資格を取得するにあたり、最新の生殖医療、エビデンスに基づく不妊治療に関する基礎的知識を有しているが前提となるので、専門的な学習は患者様の状態を把握する上でも非常に役立ちます。

しかしながら、状態把握、情報の提供だけにとどまらず、患者様に寄り添い、一人一人の抱えている不安、その背景にあるものを理解したうえで自立的決定を促すことができなければカウンセリングにはなりません。

日々お会いする患者様の不安や悩みはそれぞれ違います。しかも、不妊治療にまつわる悩みは、治療に関することだけに留まらずその方を取り巻く人間関係や社会的な背景など複雑です。

少しでも安心して頂くためには、どんな言葉をかけたら良いのか、カウンセリングの技術と共に人間力も問われる気がします。

このような難しい課題に関しても、学会に参加し、他のカウンセラーの研究発表や講演を聴講し、多くの事例を知ることは、非常に参考になります。

インターネットが普及し、知らない誰かの妊活の状況まで見ることができるようになり、勇気づけられることもあるかと思いますが、患者様の様子からは、安心よりも不安になるケースのほうが多いような気がします。自分の問題解決とは関係のない情報も、たくさん目に入ってくる事が、より一層悩みを複雑にしてしまうのでしょう。だからといって、不妊治療に関しては、不安な気持ちを誰にでも相談できるわけではありません。

様々な医療機関で働く不妊カウンセラーが、場面場面で患者様をサポートできたら、もっと安心して治療を進めていくことができるのではないかと思います。

私もその一端を担っていけるよう、次の学会でまた新たな収穫を得て、治療院で還元できればと思います。

鍼灸師 中嶋 恵子

アキュラ鍼灸院 問診の様子

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