徐大兼著「はじめての妊活!カラダを温めれば不妊は治る」●アキュラ鍼灸院ファティリティーウェルネス院長 徐大兼 ●2013年3月 ●(株)学研パブリッシング刊
本書では東洋医学独特の考え方でカラダを温め、自然治癒力能力を向上させ、 免疫・自律神経など、さまざまな人間の隠れた能力を引き出す方法をわかりやすく解説しています。 それと同時に、カラダのケアだけでなく、心のケアについても触れています。
鍼灸治療を続けるなかで、患者様の「妊娠できました!本当にありがとうございました」という喜びの声を聞くときほど嬉しいことはありません。その一方で、治療を継続しても、なかなか妊娠・出産に至らない患者様がおられるのも事実です。
そのような方に「どうしたらより効果的な治療を施せるのか」「なにを変えればよいのか」と私なりに長年いろいろと試行錯誤してきました。最終的に私のたどり着いた結論は、「治療とあわせて患者様自身の自己管理も大切なのだ」ということでした。ご自分で自分の健康(カラダ)を管理していただかなければ、結果に結びつきにくいことがあるということです。
鍼灸治療は、一人一人のカラダにあった、テーラーメイド治療によってカラダの自然治癒能力を最大限引き出す治療法です。お薬などを使って外から何かを補う治療とは違い、その方自身の治癒力を使いますから、治癒力の差によって、効果の出方が変わることがあるのです。だからこそ患者様自身にも自然治癒能力を最大限引き出す努力をしていただくことで、鍼灸治療との相乗効果が期待できるのです。
養生と治療の両輪、これが東洋医学の考え方ですが、西洋医学の考え方に慣れた方は逆に「カラダを治すのは医者の仕事」とばかりに、ご自身は健康的なライフスタイルから程遠い生活をされていることが多いように感じます。睡眠不足、暴飲暴食、運動不足、常にイライラ……思い当たる方も多いかもしれません。望ましくない習慣をすべて一日で変えるのは無理ですが、少しずつ変えていく努力と勇気、そして自分の体に対する愛情を持てば、妊娠しやすいカラダに変身することも可能です。当院の平均通院頻度は、週に1度のペースという患者様が大半です。つまり、週に1回、約1時間程度しかお会いする時間がないのです。残りの6日と23時間は、患者様が自分の体を自分で管理しておられるということ。ご自分の管理が良くなければ、治療した日は調子がよくても、次に来院されたときにはカラダはまた元に戻ってしまいます。つまり、健康的なライフスタイルがなにより重要なのです。
この本では、カラダを温め、自然治癒能力を向上させ、免疫・自律神経などを調整することによって妊娠しやすいカラダになる方法を、東洋医学の観点から分かりやすく解説しました。また同時に、カラダのケアだけでなく、心のケアについても触れました。不妊にともなう様々なストレスによって、さらに妊娠しにくくなるケースが多くあります。心のケアをすることは妊娠への近道でもあると思います。
一人でも多くのカップルにこの本を読んでいただき、妊娠力がもっと向上することを願っています。