ENGLISH
 03-5469-0810

男性不妊と漢方について

西洋医学的な知見から

妊娠が成立するための4つのポイントは射精・排卵・受精・着床ですが、このうち男性に関わるところはもちろん射精です。しかし、射精が出来ていれば大丈夫というわけではなく、まずはおおまかに言うと十分量の精液と十分な数の元気な精子が存在することが大切です。これは見た目だけではわからない為、精液検査をして詳細を調べます。

精液検査(WHOによる精液所見の下限基準値 2021)
精液量    1.4mL
精子濃度   1600万/mL
総精子数   3900万
運動率    42%
前進運動率  30%
生存率    54%
正常形態率  4%

精液検査の下限基準値とは「1年以内にパートナーが自然妊娠した男性の精液所見」をもとに決められています。難しいのは基準値を満たしていないから妊娠はしない、逆に満たしているから妊娠する、という指標ではないということで、また近年では酸化ストレスやDNA損傷などの質的な要素の重要性も指摘されています。「元気な精子」とは精液所見だけではわからないということです。

男性不妊の分類

① 造精機能障害(精子を作る機能・過程に原因がある場合)
精索静脈瘤、ホルモン分泌異常、精巣機能低下、停留精巣、精巣炎、染色体異常、遺伝子欠損などの場合があります。

② 精路通過障害(精子は作られているが通り道(精路)に原因がある場合)
先天性の精路の欠損と、後天性(疾患や手術が原因)の場合があります。

③ 性機能障害・・勃起障害(ED)、射精障害
ストレスなど心因性によるものや、糖尿病などの疾患もしくは薬剤が原因の場合などもあります。

東洋医学的な知見から

中医学では女性は7の倍数、男性は8の倍数で体が変化するといわれています。
生殖能力と関わる「腎」の力の盛衰も年齢による変化を大きく受け、女性は21歳~35歳、男性では24歳~40歳にそのピークを迎えるといわれています。
しかし、現代社会では体は動かさず頭を酷使する労働の増加やストレスにより早くから腎の力が低下する「若腎虚」も多いといわれます。漢方では腎の力を補う「補腎」をメインとします。

男性不妊に使う漢方

腎虚(じんきょ)・腎精不足
成長・老化・生殖と関係の深い「腎」の力の低下により、性機能の低下・性欲減退・運動率の低下・精子数の減少などがある方。他に一般的な症状としては、疲れやすい、冷え、腰や膝のだるさなど。参馬補腎丸、八味地黄丸、至宝三鞭丸、海精宝、イーパオ、亀鹿仙などを使用します。

・気虚(ききょ)
精子の運動能力の根本となる「気」を高めるお薬を「補気薬」と呼びます。運動率の低下、持続力がない、疲れやすいなどの不調がある場合にお勧めすることがあります。補中益気湯、麦味参顆粒などを使用します。

・肝気鬱結(かんきうっけつ)
ストレスが多く自律神経が乱れがち、イライラ、不眠などの症状がでることを東洋医学では「肝気鬱結」「肝鬱気滞」と呼びます。このような状況ではホルモンバランスが乱れたり性機能にも影響が出やすくなります。「肝気鬱結」を改善するお薬を「疏肝理気剤」と呼びます。加味逍遥散、開気丸、柴胡疎肝湯などを使用します。

・血瘀(けつお)
血流が悪くなった状態を東洋医学では「血瘀(けつお)」と呼びます。精索静脈瘤の原因でもあり、普段から頭痛や肩こりになりやすい方は「血瘀」の可能性もあります。「血瘀」を改善する漢方薬を「駆瘀血剤」「活血薬」と呼びます。冠元顆粒、血府逐瘀丸等を使用します。

・湿熱(しつねつ)
飲酒習慣のある方や、飲食の不摂生、夜遅い時間の食事が多い方には、体内に「湿熱」がたまりやすくなります。湿疹ができやすい、便がべたつくなどの症状が出やすく、精液所見としては奇形率が多い、液化障がい、運動率が悪いなどとして現れることが多いです。瀉火利湿顆粒、五行草茶、二至丹などを使用することがあります。
これらのお薬をいくつか組み合わせてお勧めさせていただくことが多いです。
精子は卵子と異なり毎日新しく作られていますが、1つの精子が作られるまでに約3か月を要しますので、まずは3か月~6か月のスパンでお考え下さい。

 

漢方相談の営業時間

月曜日、日曜日、祝日はお休みです。
2023年10月24日より火曜日の営業を開始します。(第1、3、4火曜日)
火曜日は子連れの方優先とさせていただきますので、お子様と一緒にご来店される場合は、火曜日をご利用ください。
また、下記営業時間内であれば、ZOOMでのご相談も可能ですので、ぜひご利用をご検討ください。

曜日営業時間
2023年10月24日より火曜日の「子連れ漢方相談」が始まります。
10:00~16:00
※ 第1、3、4のみ営業で子連れの方優先
※第4火曜日は不定期にイベントを開催
 10:00~17:00
12:00~20:00
10:00~17:00
10:00~16:00
第1、3、5のみ営業

薬剤師 徐 朝子プロフィール

アキュラ鍼灸院 不妊漢方相談 徐 朝子

薬剤師
日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
明治薬科大学卒業

病院・調剤薬局での約15年の勤務経験のなかで、本当の健康とは何かについて考え、未病・体のバランス・心身一如という概念のある東洋医学に出会う。一念発起してイスクラ中医薬研修塾へ入塾。漢方薬局勤務の後、アキュラ漢方を開店。

日本漢方、アロマ、ハーブ、サプリメントなど興味のあることを学んで参りました。今まで吸収してきた知識や経験を存分活かし、心を込めてご相談させていただきます。


こころもからだも温める… 東京での不妊鍼灸治療はアキュラ鍼灸院へ

03-5469-0810

診療時間(火曜日休診)
10:00~21:00(月・水)
9:30~21:00(木)
9:30~19:00(金)
9:30~18:00(土・日・祝)