背骨には神経の通り道である脊柱管と呼ばれる空間があります。
長い年月、背骨は体を支え続けたため、脊柱管がだんだん変形し狭くなってきます。
脊柱管が狭くなると、そのなかを走っている神経が圧迫されて、坐骨神経痛のような下肢の痛みやしびれ、力が抜けるような麻痺が発生します。
また時には残尿感、便秘などの症状が現れることもあります。
坐骨神経痛様の症状は、安静時には全く症状が無く、歩き出すと痛みやしびれがでて歩くことができなくなり、一休みすると楽になるということを繰りかえします。これを「間欠跛行」呼びます。
鍼灸治療で、直接背骨の内部に鍼をアプローチさせるのは物理的に不可能です。
しかし、脊柱管狭窄症の代表的症状であるしびれや麻痺の原因を、「狭窄(狭くなっている)」にだけに注目せずに、むしろ神経圧迫後の血流障害が背景にあると捉えるようにします。
つまり、神経はただ通り道が狭くなるだけではあまり神経症状が現れません。神経を栄養している血液の流れが阻害されて、初めて神経伝達に異常が現れるのです。
ですから、その血流を鍼灸刺激で良くすることを治療の目的にすることで、より症状が改善していきます。