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鍼灸適応疾患

椎間板ヘルニアと鍼灸治療

椎骨と椎骨の間で、体にかかる衝撃を吸収するクッションの役割をするのが椎間です。「ヘルニア」は、臓器の一部が本来収まっているべき位置から飛び出した状態を指します。ちなみに、腸の一部が元の位置から飛び出た「脱腸」のことは医学上「鼠径(そけい)ヘルニア」と呼んでいます。
椎間板は概ね2層構造になっていて、内側の「髄核」と呼ばれるゲル状・半液体状の内容物と、それを外側の「線維輪」とよぶ線維で包み込む構造になっています。20歳代から、椎間板は加齢と疲労の蓄積による血行不良や酸素不足で、徐々に内部の水分が失われてきます。脱水化現象により本来の弾力性や伸縮性を失いはじめると、上下からの過度の圧迫によって、椎間板がつぶれたまま元に戻らなかったり、線維輪が裂けて中の髄核が出てきたりします。これらは、長時間の不良姿勢や重いものを持ち上げるなどでの腰椎への過度の負担、スポーツ障害、腰椎の捻挫、クシャミなどで起こります。
このつぶれて飛び出した線維輪や裂けて出た髄核が、すぐ傍にある神経を圧迫して、腰痛やお尻の痛み、足先に放散する痛み(坐骨神経痛様の痛み)、シビレ、足に力が入らなくなった状態が腰椎椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアは、生まれてはじめて腰痛を起こしていきなり初回から発生することは、転落や強度の圧迫などの事故に遭遇しない限り滅多にありません。通常は、背景に1回以上ぎっくり腰ほか何らかの腰痛を経験したことがあるはずなのです。かりに自覚症状がなかったとしても、立ったまま、または座ったままの作業を長期間続けている人は、潜在的に腰椎や筋肉に負担をかけているので、その時点で症状として出ていないだけなのかもしれません。

椎間板ヘルニアの鍼灸治療

鍼灸治療はもともと血流の改善、体内疲労物質の除去を非常に得意としている治療法です。いわゆる保存療法(=つまり安静を保つ)で経過を見るよりも数倍の治療効果があります。 疲労している筋肉や椎間靭帯の付近に直接、またはそこに関するほかの場所の経穴に施術することによって、背骨を支える筋肉と椎間どうしの緊張が緩み、椎間板にかかる負担を減らします。また、椎間板への血液の栄養もよくなるので、しぼんだ風船が膨らむように、再びみずみずしさを回復することができます。回復後、MRI検査を受けると、逸脱したはずの椎間板部が消退した画像が確認できることがあります。


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