妊娠前のマルチビタミン摂取について

妊活応援ブログ

私は2003年と早い段階から妊娠前のマルチビタミン剤の摂取は妊娠をするための準備として非常に大切であると認識しておりました。

私が初めてアメリカへ留学した1985年、既に多くの人がプレネータルサプリメント(prenatal supplement)といって、妊娠前からビタミン・ミネラルを補給するといった考えかたが普及し始めてました。

マルチビタミンを妊娠前から摂取する4つの理由が科学研究によって、明らかになっています。

目次

① マルチビタミン剤の摂取は妊娠に役立つ可能性がある

マルチビタミン剤は酸化ストレスによりもたらされる活性酸素を除去し、卵子や精子の質を向上させることが示唆されています。また、看護師健康調査でマルチビタミンを摂取した人としていない人と比べて、摂取している人は排卵障害による不妊のリスクが3分の1に低下することが分かっています。また、排卵障害により不妊全症例の20%は避けられると研究者は推定しています。サプリメントによる介入が妊娠力に著しく効果を発揮する可能性を示唆しています。

a)”Role of Oxidative Stress in Female Reproduction”, Reproduction Biology Endocrinology 3, no. 28 (2005):1-21;
b)”Ascorbic Acid and Fertility,” Biology of Reproduction 52, no.2 (1995): 262-66
c)”The Effects of preconceptional Multivitamin Supplementation on Fertility”, International Journal of Vitamin Nutrition Resources 66 (1996): 55-58

② マルチビタミン剤の摂取は赤ちゃんの出生異常のリスクを下げる

妊娠前と妊娠後期まで葉酸入りマルチビタミンの服用について調べた41件のカナダのメタ分析ではマルチビタミンを摂取することにより神経管欠損、心臓血管欠損、四肢欠損、口蓋裂、尿管異常などを防ぐことが明らかになってます。

“Prenatal Multivitamin Supplemention and Rates of Congenital Anomalies: A Meta-analysis,” Journal of obstetrical Gynaecology Canada 28, no.8(2006):680-89

③ マルチビタミン剤の摂取は流産のリスクを下げる

マルチビタミン剤の摂取は流産の予防に役立ちます。2007年の臨床研究では妊娠初期の流産のリスクをサプリメントを摂取することによって50%減らせることに関与していることが示唆されています。

“Dietary Effects on Fertility Treatment and Pregnancy Outcomes,” Current Opinion in Endocrinology, Diabetes & Obesity 14, no.6 (December 2007):465-69

④ マルチビタミン剤の摂取はこどもの小児がんのリスクを下げる

最後に、妊娠中に摂取することにより小児がんになる子供が少なくなることも示唆されています。

“Prenatal Supplementation with Multivitamins and the Incidence of Pediatric Cancers: Clinical and Methodological Considerations,” Pediatric Blood & Cancer 50,2 Supplement (February 2008),doi:10.1002/pbc.21403

⑤ また、マルチビタミン剤を妊娠する前に摂取すべき5つめの理由

マルチビタミン剤を妊娠する前に摂取すべき5つめの理由を示す、2011年に発表された2つの予備研究があるので紹介したいと思います。

①CHARGE (Child-hood Autism Risks from Genetics and Environment 遺伝及び環境により子供の自閉症リスク)研究では母親の出産前のビタミン摂取の影響を調べています。269人の平均的な発達状態の子供と、276人の自閉症のこどもを比べて分析。妊娠の3か月前から妊娠後の1ヶ月前までの間にビタミン剤の摂取を始めた母親は、それよりあとにはじめた母親とくらべて、子供の自閉症のリスクが38%低くなっています。

“Prenatal Vitamins, One-Carbon Metablism Gene Variants, and Risk for Autism,” Epidemiolgy 22, no.4 (July 2011): 476-485

②ノルウェーの研究では妊娠4週前から妊娠後8週までの母親の栄養補給が、約3万9000人の子供に与える影響について調べています。葉酸のみ、あるいは葉酸とほかのビタミン剤を摂取した母親は、子供が3歳で深刻な言語発達遅延を生じるリスクが45%低くなりました。

“Folic Acid Supplements In Pregnancy and Severe Language Delay in Children,” Journal of American Medical Association 306, no.14 (October 2011):1566-73

上記の理由から、当院の患者様へは毎日マルチビタミンミネラルを飲むようお勧めしております。

マルチビタミン剤は飲みにくい、吐き気をもよおすと感じる人もいるかと思います。これらはアメリカ製のものがほとんどかと思います。大きいものでは人差し指ぐらいの大きさのものもあります。また、製品によっては強烈なにおいのするものがあります。

原材料、内容量、どのような工夫がされているのかなど、調べましょう。女性の一生の中でも一番大切な時期をサポートするものですから、安易に安いものなどには手を出さず、しっかりと吟味して購入することをお勧めします。

最近ではヨウ素が入っているアメリカ製のマルチビタミンミネラルを飲んている人を多く見かけます。日本人は魚、わかめ、海藻類を食べるため不要です。また、甲状腺に異常がある場合は控えたほうがよいので、注意してください。過剰摂取のリスクが発生します。日本人が外国製のマルチビタミンミネラルを継続して飲む場合にはパッケージのヨウ素(Iodine)や、海藻(Kelp)、海藻灰等の配合量を確認してください。

アキュラ鍼灸院
院長 徐 大兼

参考文献:「Be Fruitful The Essential Guide to Maximizing Fertility and Giving Birth to a Healthy Child」Victoria Maizes, MD 著

 

執筆者紹介

アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)
院長 徐 大兼

プロフィール

アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)

妊活は、時間との闘いでもあります。その大切な時間を一秒たりとも無駄にしたくないと私たちは考えています。妊娠する能力を高め、より早く結果を出すことをお手伝いすることが私たちのミッションです。

不妊鍼灸でお腹の凝りをほぐし、子宮・卵巣本来の力を引き出します。また、身体の不調と自律神経を整え、卵巣への血流を促進し、卵巣機能改善サポートを行います。

不妊治療中の不安をお聞きしながら、「妊娠しやすい身体」になるため、全力でサポートします。

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