乾癬(かんせん)と男性不妊の意外な関係とは?

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乾癬は皮膚だけの病気ではありません

乾癬は、皮膚に赤みやかゆみを伴う慢性の炎症性皮膚疾患です。日本でも患者数は増えており、多くの方が「皮膚の病気」と考えています。
しかし、最新の研究では乾癬が 男性の妊活や生殖機能 にも影響している可能性が報告されています。


最新研究のポイント

  • 乾癬の男性は 精子の異常(数・形・運動性の低下) が起こりやすい傾向がある
  • 乾癬の炎症や代謝の乱れが、精子をつくる機能に悪影響を与えている可能性がある
  • 特定の炎症物質や体内の代謝物が「媒介」となり、乾癬 → 精子の質低下につながると考えられている
  • 逆に「性機能障害が乾癬の発症に関係しているのでは?」という解析もありましたが、こちらはまだ確定的ではありません

なぜ乾癬が男性不妊に関係するの?

乾癬は皮膚の表面だけでなく、体の中で慢性的な炎症を起こしています。
この炎症が、精子をつくる細胞やホルモンの働きを妨げ、精子の質を下げてしまうと考えられています。


男性妊活へのメッセージ

  • 乾癬を持つ方は、皮膚の症状だけでなく「妊活の健康チェック」も大切です
  • 不妊が気になる場合は、皮膚科だけでなく 泌尿器科・不妊外来との連携 をおすすめします
  • 今後の研究により、炎症や代謝を整えることが男性不妊の新しい治療につながる可能性があります
  • 乾癬は皮膚の病気と思われがちですが、男性の妊娠力(精子の質)にも関わる可能性が明らかになってきています。

当院での対応

乾癬の原因を特定。炎症体質をコントロールします。サプリメント、鍼灸+生活習慣の改善で4週間ほど炎症コントロール治療を受けていただきます。(乾癬は4週間では治りません。あくまで、炎症をコントロールするための時間です)

炎症体質をコントロールしたうえで、通常の育精(精子を育てる治療)を行います。

精子の質(運動率、精子濃度)の改善にはおおよそ10週間かかります。

すなわち、合計で14週ほどかかります。

引用:
「The causal effect between psoriasis and male reproductive health, and the mediating effect of serum inflammatory factors and metabolites. Medicine 2025; 104:e66.」

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