こんにちは管理栄養士&鍼灸師の水村です。
先日、「トランス脂肪酸」についてのご質問を受けました。みなさま「トランス脂肪酸」をご存じですか?アメリカなどでは国を挙げて規制対象となっていますが、日本では、その危険性に対する法的措置は何もとられていません。
トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸のうち、炭素に付く水素原子が二重結合を挟んで向かい合って存在する構造を1つ以上持つものを言います。食品では、天然に含まれているものと、油脂の加工や精製の過程で作られてしまう(人工的な)ものがあります。前者は反芻して食物を消化していく牛や羊の肉、牛乳や乳製品に微量含まれています。天然のものは、アメリカでも規制の対象にはなっていません。
ではなぜ「トランス脂肪酸は控えた方が良い」といわれるのでしょうか。
それは、心臓疾患やメタボリックシンドロームのリスクを高めてしまうからです。しかも、LDLコレステロールを上げるだけでなく、HDLコレステロールまでも下げてしまうのです。ですから、飽和脂肪酸より、血管を脆くさせる作用がとても強いと言え、摂取量の規制がかかるのでしょう。他にも、記憶力の低下、皮膚疾患などの確認もされ始めています。
日本人1人当たりのトランス脂肪酸摂取量は、エネルギー換算値で0.3%と、WHOの勧告する1%未満という最大摂取量の基準を十分に下回っていますが、「外食が多い」・「時間がないので菓子パンを
かじっただけ」・「食事はお菓子
で済ませた」・「レトルト食品
や加工品をよく利用する」・「ファーストフードをよく利用する
」・「ストレス
でクッキーやチョコレート
をよく食べる」といった食事内容の偏った生活をしている方はこの限りではありません。
その裏付けは、2010年の報告では、同数値が女性では0.8%、男性は0.7%と跳ねあがっており、その原因に「お菓子」が挙げられているからです。
また、授乳中にトランス脂肪酸を摂取し過ぎると母乳中に移行し免疫機能が作動してしまい、アレルギーやアトピー体質になりやすくなります。
そしてやはり不妊の原因にもなるのです。免疫機能に作用するので、精液の質や卵巣機能、子宮内膜にも影響を及ぼします。血流も悪くなり、糖尿病なども悪化していきます。
では、それを避けるために、それらを食べなければいいのでは。
そうですね。食品を選ぶこと、それもとても大切なことです。
子どもへの親としての責任は、妊活中の食事から始まっているのですから。
トランス脂肪酸の多いものとして挙げられている食品には、そのようなものがあるのでしょうか。
ケーキやパンなどによく使われるショートニングやマーガリン、ポテトチップス、チョコレート、カレーやシチューのルー、食物油と書かれたお菓子、電子レンジで作るポップコーン、純植物性生クリーム、お惣菜のフライ、冷凍食品 など。
意外に身近な食品に多いようです。
では、どう回避すれば良いのでしょうか。
「食事は手作り」。これに尽きます。自分で食材を選び、丁寧に愛情を込めて、料理する。
やはり大切なことなのですね。
しかし、食品を毎回選んで料理することは、難しい事もありますよね。そのような時のために日々できることは、免疫作用を強くしておくことです。つまり、抗酸化作用のある食品を意識して摂り入れる。強いカラダを作ることです。各栄養素が体内でその機能を最大限に発揮し、免疫機能を高めるもの、それが妊活中に特に利用していただきたいマルチビタミンミネラルのサプリメントなのです。過不足なく栄養素を取り入れ、カラダのバリア(免疫)を強化することで、トランス脂肪酸に負けないカラダを作りましょう。
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油をご利用になられる時は、オレイン酸の豊富な「オリーブ油」や「キャノーラ油」がおススメですが、ほかにサフラワー油、ひまわり油、とうもろこし油などもあります。しかし、何を摂っても油は油。摂りすぎればその分、また放置すればしただけ酸化していくといった、体に及ぼす悪影響に差はありません。新鮮なものを適量、お使いになって下さいね
参考資料)
農林水産省HP、公益社団法人日本栄養士会HP、食品安全委員会報告、H19年国民健康・栄養調査報告 ハーバード公衆衛生大学院研究報告
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