Q.「先日帰省した際におばあちゃんに、豆を食べろ、豆を食べろ、と言われました。
理由を聞くと、昔からそうなっているんだ、と理解しがたい答えが・・・。この理由、教えていただけませんか。」
ご質問ありがとうございます。
心温まる一幕ですね~。
おばあさまのお家では、お豆料理が並んだのでしょうか。
さてさて、ご質問の「豆」ですが、「豆」と聞いて、まず思いついたのがおせち料理の煮豆。
さっそくその由来をWikipediaで調べてみました。
そこには、「黒は道教において邪除けの色とされている。
黒く日焼けするほど達者(マメ)に働けるようにと邪気を払い、長寿と健康(無病息災)を願ったもの」とありました。
「黒」は、東洋医学では「腎」を示します。「腎」とは「精」に関係するもので、「妊活」とは切り離せないものです。キクラゲや椎茸など、ビタミンDが豊富で妊活食材とされていますよね。
「邪除け」の象徴とされたのは、「生命の強さや輝き」から来たのでしょうか。神秘的ですね。
さて、本題の「豆」の機能ですが、抗酸化作用で名高いポリフェノールの一種で「イソフラボン」という女性ホルモンに似た働きをする成分が含まれています。
更年期障害によるのぼせ防止、骨粗鬆症の予防や改善に効果のほか、リノール酸による抗酸化作用での老化防止、疲労回復などの作用もあります。
少し細かく見ていくと、「ダイゼン」と「ゲニステイン」いう2つの抗酸化物質があります。
前者後者ともにはフラボノイドの一種で大豆に含まれるイソフラボンの代表とも言われています。特に後者は大豆にしか含まれていません。これら2つの成分が一緒に作用することで、骨の主成分になるカルシウムの増進や代謝調節に関与します。カルシウムの体内代謝は「腎臓」が担います。ここでもやはり「腎」という言葉がでてきますね。
ミニ情報としては、「ダイゼン」単体では、抗癌作用(特に乳癌)に、「ゲニステイン」単体では癌細胞に栄養を運ぶ血管が作られないように作用します。
とても強い抗酸化作用を持つ植物だということが分かります。
これらをまとめてみると、
年を重ねるにつれ脆くなる骨に
種々の病魔が迫りくる年代に
閉経期を迎える年代に
身体の不調を調えるために
大豆の成分は非常に有効のようですね。
このことから、「豆を食べなさい!」といわれてきたのではないでしょうか。
まさに「愛」ですね。
これにより不安定になりやすいホルモンバランスを、自然な形で身体に優しく調節していたのですね。
大豆は国産品の方が高たんぱく質で、三大栄養素のバランスが良く、また、脂質の代謝を促すビタミン類が豊富に含まれているため、脂質異常症対策にも効果的です。
大豆に含まれる鉄分は「非ヘム鉄」で、ヘム鉄に比べ、吸収率はお摂りますが、ビタミンCを含む野菜や果物と併せて食事を摂ることで吸収率をアップさせることができます。
当院オリジナルサプリメント「プレママプラス」では、「ヘム鉄」を使用しており、吸収率は抜群です
おまけの話
「ゲニステイン」は、その構造が「エストロゲン」に類似していることから「植物性エストロゲン」と呼ばれています。
植物エストロゲンは、環境ホルモン等の強力なエストロゲン作用を抑えてくれ、不妊などのエストロゲン優勢状態から身体を守ってくれる作用もあります。
管理栄養士&鍼灸師
水村 あや
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