ようやく緑まぶしい季節の到来でいつの間にか厚着から解放されましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
八百屋さんに並んでいる旬の野菜は緑の物が多いですね。
柔らかい春キャベツ、ブロッコリー、スナップエンドウにグリーンピース、そしてソラマメも莢につつまれて並んでいます。
そしてこの季節になるとハーブ類も続々と登場しお店の彩りに一役買っています。
さてそんなハーブの中でも今回は私の大大大好きなコリアンダー、別名チャンツァイ(香菜)、パクチー、シラントロをご紹介いたします。

このコリアンダー、好き嫌いが大きく分かれますね。よく、「あ、あれだけっは、だめ、絶対。」と言い切る方多いですね。
タイ料理やベトナム料理他、メキシコ料理などには欠かせないコリアンダー、何故か熱帯なところでのお料理では主張のある使われ方していますね。
しかし決してそれだけではありません。古くは古代ギリシャ語、ラテン語の文献にも出てくる薬草の一つで、おもに種を利用するところが多かったようです。
種の部分は葉や茎の部分と違い、癖がなくほんのり甘い香りは焼き菓子のスパイスとしてもよく利用され、子供の寄生虫の虫下しの効能が有名です。動物性食材の腐敗を食い止める能力も強いと聞きます。カレーのスパイスとしても欠かせません。
ですが。
ここでご紹介するのはそんな癖の強い葉や茎の部分のコリアンダーです。
私は長い事アメリカに住んでいた事もあり、コリアンダー(というよりシラントロ)はとても身近な野菜です。
そんな私も20数年前、カリフォルニアに到着してすぐに友人らにメキシコ料理のレストランに連れて行かれ、エンチラーダなるものがおいしいと言われ注文してその中とサルサソースにたっぷりフレッシュなコリアンダーが含まれているとも知らずガップリ食べてその強い独特な香りに閉口した記憶があります。慣れていなかったせいで飲み込めませんでした。
でも今ではこの薬草がないといられない!程虜になってしまいました。
なぜでしょう?
それは、
- 香りの元であるリナロール、リモネンが多く含まれている。リナロールは興奮を鎮める効能が強く、その代表格はラベンダー。リモネンはレモンやベルガモットなど柑橘系の香り。気分をリフレッシュしてくれる効能が高い。
- ビタミンCを多く含み、抗酸化、炎症を抑える能力に優れている。
- 殺菌力,デトックスがある。
- 葉緑素(フラボノイド=)が豊富。
自律神経の交感神経が優位であることが多いと、ちょっとしたことでイライラしがちになったり、鬱屈してストレスが溜まりがちになりますが、リナロールの作用で気持ちが落ち着く、リモネンの作用でリフレッシュできる、というのはうなづけます。どんな時に交感神経が優位になるか、と言えば、例えば満員電車に乗る時、乗っている時、降リて職場に向かう時、ある意味心の中は戦闘態勢ですから高揚した気分でいっぱいです。
これは一つはアドレナリン、コルチゾルという、副腎皮質ホルモンの作用が活発化しているのが大きな理由。

この状態がずっと続くと、胃が痛む、下痢と便秘を繰り返すなどの消化器に症状が顕著である事が多いのです。感覚的ではなく、身体自身がストレスを感じているとき、香り高いコリアンダーの効果は絶大です。
また、加齢のほかにも農薬、ステロイド剤や抗生剤を投与された家畜、養殖ものの魚や野菜を日常的に頂いているとどうしても体の中は酸性に傾きがち。
細胞が酸化するとたんぱく質の変性を起こしガン化しやすくなります。抗酸化作用と言えばビタミンC,フラボノイドを多く含むコリアンダーは、口内炎、歯肉炎、胃炎などの消化器炎症症状を抑える力が強く、さらには脂っこい食事や消化に時間がかかる食事にも対応してすっきり効果が高いのです。
私の栄養道の師であるMaoshing Ni PhD., CAcも、
発汗を促す、消化力を強化する、食欲増強させる、気の流れを促す、とその効果を讃えコリアンダーの摂取を推奨しています。
そして熱帯地方のお料理には必ず、と言って良い位高頻度で使われるコリアンダーですが、それは偶然ではなく”必然”的、と言っても良いでしょう。
なぜなら、東南アジア、南~西アジア、メキシコ、中南米など、気温が高い地方の食品保存期間は決して長くありません。フレッシュなものですら或いはアメーバなどの寄生虫に犯されがちな食材も少なくありません。ですから民間療法としてのコリアンダーの殺菌力に対する信用度はとても高く、殆どのお料理に無くてはならない食材なのです。
さてそんな素晴らしい食材ハーブ、コリアンダーだけど、「夫が嫌いなんです」「私ちょっと苦手」と言う方も多いかもしれません。でもカレー味を構成する大切なスパイスの一つでもあるコリアンダーなので、皆さん誰もが知らないうちに口にはしています。
ですから、このレシピなら、もしかしたら、そんな苦手な方にもトライして頂けるかもしれません。
「ジャーマンポテト」
ジャガイモ5~6個(中くらい、小ジャガがあれば10個くらい切らなくでもOK)皮をむかずによく水洗いし食べ易い大きさに切ってタッパーに入れる。
*皮がお嫌いな方はきれいに剥いてしまっても良いです。私はお芋の皮が大好きなのでなるべく皮付きのままです。但しよく洗います。
タッパーを電子レンジに入れて「茹で野菜ー根野菜」設定にする。または15分くらいに設定して蒸し茹でします。
沸騰したお湯で茹でて頂いても良いですが、私はそれが面倒なのでチンしてしまいます。要するにジャガイモが柔らかくなれば宜しいのです。
大きめのフライパンに肉厚のベーコン10~20片ほど(ベーコンブロックが便利です。好きな大きさに切って)お好み量を入れて脂を出します。脂はキッチンペーパーで丁寧に吸い取って下さい。
調理用オリーブオイル大さじ1杯とニンニクの薄切り3~4片をこのベーコンが入ったフライパンに投入し、タマネギの薄切り半個分も投入。タマネギがしんなりして来た所でジャガイモを入れてなるべく木べらでグサグサつぶす様な感じで炒めて下さい。
ここでざく切りにしたコリアンダー一束投入し軽く混ぜ合わせ、最後にバタ-1センチ角ひとかけらと,もしあればローズマリー一房を投入し、弱火にして蓋をし蒸すこと5分。
ローズマリーの色が茶色っぽく変色したら、出来上がりです。もしローズマリーを入れていなければ、5分間蒸し粗挽き胡椒をガリガリ挽いて出来上がり。塩味はベーコンとバターから出るので特には必要ありませんが、お好みで最後にお塩を一つまみかけても良いでしょう。
バターはお好みで入れて下さい。出来れば有塩で。もちろん入れなくても大丈夫。私は乳製品がとにかく好きなのでバターや生クリーム、パルミジャーノ、ロマーノチーズ、またはブリーチーズなど、手元にあるものなんでも投入して出来た時の味の変化を楽しんでいます。
バターやローズマリーを入れるとその香りがとても引き立ちます。でもコリアンダー特有の香りは薄れていていながら脂っこさも失せています。
その他、なんちゃってトムヤムクム(チキンコンソメにレモン汁、酢、ナンプラー各適量、あればレモングラス、きれいに掃除した海老10尾、キノコ類、バジル適量、コリアンダー適量)、またコリアンダー上級者にはコリアンダーざく切りと長ネギの白髪切りに食べるラー油を和えただけの中華風サラダも大変美味しいです。サルサソースもフレッシュトマトや青唐辛子,タマネギなどと作ると万能ソースとなりオムレツやローストポーク(いわゆる焼豚?)にかけてもgoodです。
日本以外の各地域では積極的に使われる食材,コリアンダーは主張も強いですが、上手に使えば渋い裏方的隠し味にもなってくれる、そしてなんと言っても消化器をスッキリきれいにしてくれる(と言う事はお肌にもヨロシイ)デトックス効果の高い食材です。どうか、遠ざけないで挑戦してみて下さい。また、もし新しくて美味しいレシピを開発したらアキュラで私に声かけて教えて下さいね。
鍼灸師 大西 葉子
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