会陰部の筋肉強化
会陰とは、生殖器と虹門の聞の部分を指す言葉です。別名「生死の門」といい、前方に「生命の門」である生殖器官が存在します。胴体のいちばん底辺であり、東洋医学では陰の気が集まるところといわれ、すべての臓器とホルモンの分泌と密接に関わっています。
一方でここは、生命エネルギーが漏れやすい場所とされ、エネルギーが漏れて減ってしまうと、各種の器官の機能が低下しやすくなります。若い人や十分養生をしている人は会陰が閉じていますが、疲労や老化によって会陰のしまりがゆるくなってしまうのです。
逆にいえば、ここを強化することによって生命エネルギーが漏れ出すことを防ぎ、生殖器の機能向上をはかることもできるのです。
この周辺には恥骨尾骨筋、骨盤隔膜筋および生殖角膜筋、肛門括約筋が集まっていて、会陰部をきつく締めることによって、生命エネルギーを脊柱へ上らせ、そこから各臓器へエネルギーを分配することが可能です。
武道の鍛錬で「ケツを締めろ!」と言うことがありますが、これは古人がこの生命エネルギーの大切さを知っていたからにほかなりません。
会陰を強化する方法は、オシッコをするとき、止めたり出したりとコントロールすることで鍛えることができます。毎日の訓練で会陰を強化することができますから、練習してみてください。
また、次のように日常的に練習すると、目に見えて効果が上がりますから、ぜひ試してみてください。
会陰を強化する練習
- まず、ここちよい姿勢(座位、立位どちらでも)をとり、3回深く息を吸う。
- 今度は3回息を吐き、最後の1回でお腹がぺったんこになるよう、すべての空気を吐き出す。お腹をぺったんこにしたまま、次のステップへ進む。
- 両足を床にしっかりつけ、踏ん張れる体勢をとる。
- 3回鼻からすばやく息を吸い、会陰の筋肉を強く締める。
- この状態をしばらく保持し、呼吸を止めていられるだけ止める(無理をしない程度)。
- 口から息を吐き出す。
- 最後に鼻から3回大きく息を吸い、息を吐きながら手足をぶらぶらさせてリラックスする。
会陰を強化する練習は、テレビを見ているとき、電車に乗っているときなど、いつでもどこでもできます。1日何回やってもかまいません。
最初のうちは強く締めているのがつらく感じたり、疲れを感じることもあるかもしれませんが、ふだんほとんど使わない筋肉ですし、意識することのない筋肉ですので、むしろつらくて当たり前ともいえます。でも1、2週間後にはきっとコントロールできるようになっていると思います。
この体操の成果を見るには、清潔にした指を1、2本を膣に挿入し、指がどれくらい締めつけられるかを確かめます。
女性に多い痔も、この会陰部の強化によって軽減します。痔は虹門、直腸付近のうっ血が原因です。つまり、そのあたりの血行が悪くなっているということですから、筋肉を締めることで血行をよくすることができるのです。
また、会陰を締めることで腹筋や背筋も刺激されますから、姿勢がよくなり、内臓の下垂も正されます。上から内臓で押しつぶされていた卵巣や子宮の負担が軽くなり、子宮や卵巣の血流もよくなるのです。
指圧とマッサージ
自分で自分のカラダのツボを押すことも、とてもいいことです。自分で気持ちのいいポイントを、自分の気に入った力加減で、自由に押してみてください。
自分でツボを押すよりももっといいのは、パートナーとマッサージをし合うことです。この本でもツボの位置を掲載していますから、それを参考にして、ぜひカップルでお互いに指圧やマッサージをしてみてください。
また、あまりツボの位置を意識しなくても、「ここを押して」とか「ここはどう?」とかコミュニケーションを取りながら、相手のカラダを思いやる気持ちで触れることが大切です。
どちらか一方だけがマッサージを受けるだけだったり、指圧をするだけでは、相手を思いやっていることにはなりません。してもらったら、してあげる……、そんなやさしいやり取りで、リラックスタイムを二人で過ごしてみましょう。
気づきの瞑想法
瞑想の目的は、「今という瞬間に完全に意識を集中する」ということです。瞑想は本来、「今、ここにある自分」に集中し、将来の不安や過去の後悔の念と、「今、この瞬間」を切り離すことが目的なのです。
ちょっとむずかしいかもしれませんが、要は、「戻りたいと思っても戻れない過去のことは忘れる。また、今どうすることもできない未来のことにも悩まない。自分が何かできるのは、『今、この瞬間』だけ」と心の底から納得することです。
同時に、今ないものを切望するのではなく、今あるものに感謝する……ことです。たとえば、「あと10年早く不妊治療を始めていたら、今頃、子どもが二人はいたかもしれない」などとくよくよしても、10年前に戻る方法はないのです。くよくよすることが心とカラダを冷やしてしまう害こそあれ、そこには何も得るものはありません。
また、「採卵のときに空胞だったらどうしよう?」「凍結胚があと一つしかない。もしうまくいかなかったらどうしよう?」と未来のことを悩んでも、今はどうすることもできないのですから、悩むだけ無駄というものです。
自分の力で結果を変えられるのは、「今、この瞬間」だけです。悩むのはやめて、「今」楽しくご飯を食べたり、気持ちよく運動したり、心の底から笑ったりすることができるといいですね。
でも、それが未来を変えていくことにつながるのです。さらにいえば、未来がどうであれ、それさえも気にかけないことです。
ミ二時吸法
ストレスは私たちのまわりにいっぱい存在しています。ストレスにさらされると呼吸は浅くなり、それによって肺に入ってくる酸素の量も減ります。
酸素の量が減ると頭がすっきりしませんし、ストレスに対抗するホルモンによってイライラし、肉低的にも精神的にも疲弊していきます。
呼吸を意識することによって、浅い呼吸は深い腹式呼吸に変わり、ストレスの悪循環を断ち切ることができます。
渋滞にはまったとき、長い列に並んでいるとき、会社でイヤな思いをしたとき、傷つくことを言われたとき、妊娠検査の結果を見る前、パソコンがフリーズしたとき……、いろいろな場面で有効に呼吸法を利用し、ストレスを軽減しましょう。
呼吸法にはいろいろあると思いますが、次の方法は誰にでも簡単にできるオススメの呼吸法です。
バージョン(1)
腹式呼吸は次のようにすると簡単にできる。座位、または仰向けで、ゆっくり深い深呼吸をする。そのとき、お腹と胸の動きを意識する。
次に、片方の手をおヘソに、もう片方を胸にのせる。鼻から息を吸ったときに、おヘソに乗せている手が盛り上がることを確認。胸に乗せた手も若干盛り上がる。
口から息を吐くときは、おヘソの位置が下がるが、胸だけが下がるのは浅い呼吸で、女性に多い胸式呼吸。腹式呼吸で肺を大きく膨らませると空気がたくさん入ってくるので、これを数回行ない、気持ちが落ち着くのを確認する。
バージョン(2)
座位または仰向けで、鼻から吸って、口から吐いてを1セットにして、10から0までカウントダウンする。0にたどり着いた頃には、気分がずいぶん楽になっているはず。もし気分にあまり変化がなければ、あと10回やってみる。
バージョン(3)
鼻から息を吸いながら、ゆっくり1から4まで数える。次に口から息を吐きながら、ゆっくり4から1まで数える。これを気持ちが落ち着くまで数回行なう。意識はあくまでも呼吸に集中すること。
ヨガ
ヨガは呼吸法、瞑想、心身を調和するために、さまざまなポーズを利用した、古代インドから伝わる健康法です。ヨガにはいろいろな種類(アシュタンガヨガ、ハタヨガなど)がありますが、最近は新しいジャンルのヨガも人気です。
ホットヨガ、パワーヨガ、マタニティーヨガなどに人気がありますが、とくにオススメなのは、ご夫婦二人で行なうカップルヨガです。カップルヨガ、または二人ヨガと呼ばれています。
今はまだ行なっているスタジオが少ないのですが、妊娠を望むカップルにとっては、スキンシップをはかる有効な方法です。「私はこのまま妊娠しないかも」という不安感がぬぐい去られて、安らぎが得られます。
カップルヨガは、お互いに子づくりに対するプレッシャーをかけることなく行なえるスキンシップです。深いリラクゼーションをもたらしながら、肉体的密着度を増すことができます。二人でカラダを動かしながら自分を見つめ、自分を感じ、そして相手を理解していくことができるでしょう。
子どもがなかなかできないことが、夫婦の聞に溝をつくりがちですが、ヨガでその溝を埋めることができるのです。
妊娠に適したカラダは、「柔らかく、温かいカラダ」です。不安や劣等感で硬く冷たくなった心と、緊張してこわばったカラダをほぐすのに、ヨガを採り入れてみてはいかがでしょうか。
もちろん一人で行なうヨガもいいものです。とてもいいリラックス法ですし、適度な運動にもなります。
よろしければ、下記記事も参考にしてください。
冷え取り子宝養生灸 について
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
いよいよ次回は50回目となり、最終回となります。
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