妊活は、目的地までの道のりが見えにくい旅に似ています
- この治療を続けてよいのか
- 次は採卵なのか、移植なのか
- 何を改善すれば結果につながるのか
- そもそも、自分は今どこにいるのか
病院で治療を受けていても、こうした不安を抱えている方は少なくありません。
私たち鍼灸師の仕事は、妊娠させることを約束することではありません。また、患者様に代わって治療方針を決めることでもありません。
私たちが目指しているのは、妊活におけるGPSのような存在になることです。
GPSを使うためには、まず現在地を確認しなければなりません
これまでの治療歴、採卵成績、胚の発育、移植結果だけでなく、月経、睡眠、食事、血糖、貧血、甲状腺、胃腸の状態、ストレス、仕事や夫婦関係などを一緒に整理します。
検査数値だけでは見えにくい、患者様の身体と生活全体を確認することが、現在地を知る作業です。
次に、目的地を確認します
- 自然妊娠を目指したいのか
- 次の採卵に向けて身体を整えたいのか
- 移植に備えたいのか
- 治療を少し休みながら、心身を立て直したいのか
同じ「妊娠したい」という願いがあっても、今取り組むべきことは一人ひとり異なります。
そして、現在地と目的地が分かったら、そこまでの道筋を考えます。
- 鍼灸によって身体の緊張や不調を整える
- 睡眠や食事、運動を見直す
- 不足している可能性のある栄養状態を確認する
- 病院で確認すべきことを整理する
- 治療を続けるための心と生活の余力を取り戻す
私たちは、治療、身体、栄養、生活、心を別々に考えるのではなく、それぞれをつなぎながら、その方に必要なルートを一緒に考えます。
もちろん、妊活は予定どおりに進むとは限りません。
- 採卵結果が思わしくなかった
- 胚盤胞まで育たなかった
- 移植しても着床しなかった
- 仕事や家庭の事情で治療を休むことになった
そのようなときも、「失敗した」「振り出しに戻った」と考える必要はありません。
GPSが道を間違えたときにルートを再検索するように、結果をもとに現在地を確認し、次の進み方を考え直します
大切なのは、ただ最短距離を進むことではありません。
無理を重ねて心身が疲弊してしまえば、治療を続けること自体が難しくなります。その方の年齢や治療状況、身体の状態、仕事、家庭、価値観を考えながら、現実的に続けられる道を探すことが必要です。
GPSは目的地を示し、道を案内してくれます。しかし、実際にハンドルを握り、どの道を選ぶかを決めるのは本人です。
私たち鍼灸師も同じです。
患者様の人生や治療をコントロールするのではなく、迷ったときに現在地を一緒に確認し、選択肢を整理し、また前を向いて進めるように支える。
病院と患者様の間をつなぎ、妊活という先の見えにくい道のりに伴走する。
それが、妊活におけるGPSとしての、私たち鍼灸師の仕事です。

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