牛の研究からわかる「腸内環境」と妊娠の関係

(参考論文:Kitagawa Y. et al., Animals, 2025)

こんにちは、アキュラ鍼灸院の院長・徐 大兼です。
妊活をされている方の多くが「なぜ自分だけ妊娠できないのだろう」と悩まれていると思います。実は、最近の研究で「腸内環境」が妊娠力に深く関わっている可能性があることがわかってきました。

今回は、牛を対象にした最新の研究をご紹介しながら、人の妊活にどのように役立てられるかを解説します。


目次

研究の背景:なぜ牛の研究?

牛の中には、何度も人工授精や胚移植をしてもなかなか妊娠しない個体がいます。こうした牛は「リピートブリーダー牛」と呼ばれ、畜産において大きな課題です。

研究者たちは「腸内細菌(腸内フローラ)」が妊娠のしやすさに影響しているのではないかと考え、腸内細菌と妊娠の関係を詳しく調べました。


研究内容:腸内細菌の違いを比較

ホルスタイン牛を以下の4つのグループに分けて調査しました。

  1. 少ない回数で妊娠できた牛
  2. 少ない回数で妊娠できなかった牛
  3. 何度も挑戦して妊娠できた牛
  4. 何度も挑戦しても妊娠できなかった牛

そして、それぞれのグループの「便(腸内細菌)」を分析しました。


主な発見:妊娠できる牛とできない牛の違い

  • 妊娠できた牛では
    • バチルス(Bacillus)やルミノコッカス(Ruminococcus)など、腸の健康に良い影響を与える可能性のある菌が多く見られました。
  • 妊娠できなかった牛では
    • Alistipesなど、炎症や妊娠のしにくさに関わると考えられる菌が多く存在しました。

さらに妊娠できなかった牛では、体内で「炎症」や「細胞の死(アポトーシス)」に関係する働きが強くなっており、これが妊娠を妨げる一因になっている可能性があると考えられます。


研究が示すこと:腸内環境と妊娠力

重要なのは、「妊娠できるかどうか」によって腸内細菌のバランスが変わっていたという点です。
つまり、「何回移植したか」よりも、「腸内環境そのもの」が妊娠に影響を与える可能性が高いということです。


人への応用:妊活における腸内環境の大切さ

この研究は牛を対象としたものですが、人間の妊活にも当てはまるヒントをくれます。

  • 腸内環境は 卵子や精子の質
  • ホルモンバランス免疫力
  • さらには 子宮内膜の状態

にまで関わっています。

腸内細菌を整えることは、体全体の健康だけでなく「妊娠力を高めるサポート」になると考えられます。


アキュラ鍼灸院からのメッセージ

私たちアキュラ鍼灸院では、鍼灸だけでなく、腸内環境や栄養面のサポートも含めて妊活をトータルで支えています。
なかなか妊娠できずに悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。

あなたの「妊娠力」を高めるためのヒントが、きっと見つかるはずです。


📖 参考文献

Kitagawa Y., Oishi S., Koshimizu K., Miura R., Hamano S., Iwata H., Shirasuna K.
Differences in the Gut Microbiota in Long-Term Infertile Holstein Repeat Breeder Cows and Healthy Fertile Holstein Cows.
Animals. 2025; 15(18):2637. doi:10.3390/ani15182637

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