2020年の東京オリンピックを迎える年には、なんと女性の半数が50歳以上になると言われています。
女性の社会進出により、50歳を越えてもキャリアを積み男性と変わらないペースで仕事をされている方がいる一方、心身に変化を感じ、”以前のようには働けなくなってしまった”という女性もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分ではコントロールできない身体の変化の一つとして女性ホルモン(エストロゲン)の低下があります。
エストロゲンの低下により現れるのがいわゆる”更年期症状”です。
この更年期症状には個人差があり、自覚症状がほとんどない方もいれば、日常生活に支障を来す重い方もいます。
代表的な症状として、ホットフラッシュや汗腺の異常、動悸、頭痛、めまい、腰痛などがありますが、最近は、情緒不安定、イライラする、集中力や意欲の低下、など心の不調を訴える方の割合も当院では増えています。
先日ご来院された患者様は、「母の認知症がひどくなり介護のため、実家を行き来しています」とおっしゃっていましたが、年齢とともに親の介護の問題や、責任のある仕事を任される等、女性のライフステージは変化をしていきます。
こういった環境のストレスも、症状を増悪させてしまう一つの原因となります。
上記にも書きましたが更年期症状は、汗腺の異常(ホットフラッシュ)、倦怠感、意欲低下、動悸、頭痛、めまい、腰痛など多岐にわたります。
「これって更年期障害ですか?」と質問を受ける事も多いので、診断のポイントなどを細かく説明していきます。
<更年期障害の診断ポイント>
(1)更年期であること
更年期とは、生殖器〜非生殖期の移行期間のことで、閉経(12ヵ月以上月経が来ない事)前後の10年間を更年期と定義しています。日本人の平均的な閉経年齢は約 50 歳ですが、具体的には 45 歳から 55 歳くらいまでを更年期と呼ぶことが多いです。
★月経周期やホルモンの状態をチェックし卵巣機能を評価します
●月経周期が短縮していたり月に月経が2回ある、周期に7日以上の変動がある(月経不順)
●高FSH(卵胞発育の短縮化、排卵の早期化)、低E2
●月経量が少なくなった、ダラダラと出血が続く
上記が当てはまる場合は、卵巣機能低下が考えられるため、更年期症状が出る可能性があります!!
(2)他の疾患に起因しないこと
ホットフラッシュ、めまい、倦怠感、頭痛など様々な症状が出る更年期障害ですが、他の疾患との鑑別が必要です。
特に甲状腺機能の異常やうつ病などは更年期症状と相似してきますので注意が必要です。
基本的に、更年期障害は除外診断といわれています。そのため、何か症状が出た場合は「更年期だ」と決めつけず必ず専門科を受診すべきだと思います。
(3)日常生活に支障が出ていること
症状の程度は人それぞれです。
「このぐらい大丈夫」と思っている方もいれば、家事や仕事が以前と同じようにできなくなってしまったという方もいます。
他の人と症状の重さを比べず、”日常生活に支障を来している”と思った時は病院を一度受診してみましょう。
<更年期障害の治療>
当院では、スーパーライザーと呼ばれる機器を使い、近赤外線の照射を行っています。
照射後は、脳血流量や手足などの末端の血流量が増加します。
また、鍼灸治療と併用しますので、相乗効果により自律神経の調整が可能です!!
お体の事でお悩みの事があればいつでもご相談くださいね^^
鍼灸師 中村 早耶香
コメント