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<受精卵無断使用>「父親だと思えない」原告揺れる心情

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日本は生殖医療について、法整備が非常に遅れているので、これからの先行きが不安です。

 

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「子どもは悪くないが、判決で父親だと言われても、素直にそう思えない」--。凍結保存していた受精卵を別居中の当時の妻が無断で移植し、出産した女児(2)について、法律上の父子関係がないという男性(46)の訴えを却下した15日の奈良家裁判決。取材に応じた男性は、判決に納得できない思いを募らせる一方、血のつながった子への複雑に揺れ動く心情を語った。

 男性は弁護士から判決を聞き、天を仰いだ。「ショックだ。信じられない」

 4年前、別居中の妻から第2子を求められたが断った。妻が凍結受精卵を移植し、妊娠したことは後で知った。「子どもを諦められなかった」と釈明する妻を許せずに離婚し、女児とも会わないようにしていた。

 しかし今秋、スーパーで元妻と歩く女児に思いがけず出会った。あどけない表情で見上げる女児を前に言葉が出なかった。去り際に「バイバイ」と手を振ると、女児は大きく手を振り返した。

 すくすく成長する姿にほっとする半面、「将来どうなるのだろう」と気にかかる。それでも裁判では争う立場だ。「子どもが悪くないのは分かっている。でも移植に同意していないのに父親としての責任を負わされるのか」と苦悩する。

 判決後、男性側の河野秀樹弁護士は「生殖補助医療について法整備し、当事者の同意確認を厳格にすべきだ」と指摘。女性側の北條正崇弁護士は「子どもの福祉や利益を考慮した判決でほっとしている」と話した。【原田啓之、佐藤英里奈、遠藤浩二】

 ◇生殖医療増え 法置き去り

 晩婚化を背景に、体外受精や第三者による精子・卵子の提供など生殖補助医療の利用が広がっている。親子関係を争うケースも増えているが、医療の進歩に法整備が追いついていないのが現状だ。

 体外受精は1983年の国内導入以来、増え続け、2005年には約12万5000件実施され、約1万9000人が生まれた。15年には3倍の約42万件で約5万1000人と過去最高を更新した。

 他にも、▽夫以外の精子を妻の子宮に注入する人工授精▽夫の精子や夫婦の受精卵を使い、妻以外の女性が出産する代理出産--など多様化。凍結保存の技術も向上し、新たな課題も出ている。

 第三者の精子で産まれた子について大阪地裁は1998年、夫の同意がなかったとして夫との父子関係を否定、法律上の父がいない事態が生じた。夫の死後に夫の凍結精子を使って妻が出産したケースでは、最高裁は2006年、父子関係を認めず「立法で解決すべきだ」と指摘した。

 約20年前から生殖補助医療の法制化が議論されているが、伝統的な家族の形が変わることへの反発も根強い。自民党の部会は昨年、「夫の同意で第三者の精子を使って出産した場合は夫の子とする」などと民法の特例法案をまとめたが、国会提出のめどは立っていない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171215-00000129-mai-soci

【原田啓之】

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