皆様ごいかがお過ごしですか。
梅雨入りしたとは言葉ばかり、なかなか雨が振りませんね。
農家の方に聞きましたが、本当に深刻な状態だそうです…そろそろまとまって降っていただきたいものです。
今日は、習慣流産 の6回目、最終回です。
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習慣流産とは?
習慣流産の定義や、その原因として考えるものについては、過去のブログをご参照下さいませ。
習慣流産について(1)
習慣流産について(2)
習慣流産について(3)
習慣流産について(4)
習慣流産について(5)
今日は、カップル間の移植免疫的相性についてお話させて頂きます。
移植免疫的相性ってなに?
臓器移植時の拒絶反応に似た免疫的な相性の悪さのことを指します。
各種検査(甲状腺ホルモン検査・血糖検査、自己抗体検査、染色体検査、超音波検査、X線造影検査、細菌等の検査)などを行っても習慣流産の原因が不明な場合に、疑われます。
生き物には、自分の細胞・臓器に対しては攻撃をしないけれども、異物が体内に入ってきた場合には攻撃をするという、「免疫反応」があります(外来の物質に対する免疫)。
これが、異常な反応をすると、おなかの胎児に対して攻撃をしかけ、流産となってしまうことがあります。
胎児に含まれる夫の遺伝子=「他人」の遺伝子
ということで、母体が拒絶するために起きるいわれています。
これを、同種免疫異常といいます。
同種免疫異常は調べられる?
リンパ球混合培養という検査で調べることができます。
これは、妻と夫の二個体のリンパ球を混合培養し、妻に夫のリンパ球に対する抗体がどれだけあるかを調べる検査です。
それがあったらどうする?
夫のリンパ球移植を検討します。
免疫療法のひとつで、夫の血液からリンパ球を分離し、妻に移植します。
これにより、流産しなくなる率が高まると言われています。
流産しなくなる率=80%強とも。
ただ、移植片対宿主病(GVHD:臓器移植に伴う合併症のひとつ)が現れることが報告されていますが、発症率はごく稀だそうです。
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様々な原因により繰り返される流産ですが、反復流産・習慣流産の実際の頻度はそれぞれ理論上の頻度よりも高い値となっています。
1回の自然流産の割合は15%
2回の自然流産(反復流産)の理論値は2.25%(実際は4.2%)
3回の自然流産(習慣流産)の理論値は0.34%(実際は0.88%)
そこには、今回まで6回に分けてお話をさせていただいた要因が関係しているのではないかと考えられています。
想像するには、悲しいお話ですが、習慣流産についての知識、持っておくと役に立つことがあるかもしれません。
頭の何処か、片隅にでもしまっておいて頂けたらな、と思います。
鍼灸師 平井香菜
参考;Wikipedia、病気がみえる6・9、セントマザー産婦人科医院
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