妊娠率を正しく知る!各施設で公開されているデータをどこまで信用してよいか?

妊活応援ブログ | 不妊鍼灸治療のアキュラ鍼灸院

不妊治療を受ける施設を決める大切な要素として、公開している各施設の治療成績があると思います。しかし治療成績の算出方法は施設ごとに大きな差があります。また、来院される患者層も施設によって違うので、安易に比べて、こちらがよし、こちらはダメとも言えません。

読者のみなさんへ、妊娠率に関連する言葉について説明します。それぞれがどういうことを表していいるのか、分母と分子に何が含まれているかなどをわかりやすく教えます。

先ずは妊娠についてー

「臨床妊娠」
妊娠反応が陽性になったということだけではなく、胎嚢が確認できた場合をいいます。

「継続妊娠」
胎嚢・心拍確認し、妊娠10週相当(もしくは8週相当)の時点で継続妊娠と言います。

「化学妊娠」
妊娠検査薬で陽性反応が出ただけで胎嚢が確認できない場合、確認出来てもかなり小さい時点の妊娠は化学的妊娠と言います。

妊娠の順番でいくとまず「化学妊娠」、「臨床妊娠」、そして、「継続妊娠」ということになります。化学妊娠が確認されたが、胎嚢が確認できなかった場合を「化学流産」といいます。

「周期あたりの妊娠率」
周期というのは、「月経周期」を指します。体外受精なら排卵誘発法が何であっても、治療をはじめた時が周期のはじまりになります。タイミング指導や人工授精でも同じです。1クールの(治療)周期中の妊娠率を出す方法が、周期あたりの妊娠率です。自然妊娠においては、25~30%といわれています。治療施設によっては治療法別に算出しているところもあります。

「採卵あたりの妊娠率」
治療周期を始め、採卵された方が分母になり妊娠率を算出するものです。
周期あたりでは、排卵されなかった、または採卵できなかった場合も分母になりますが、採卵あたりの妊娠率には含まれません。また1回の採卵による算出法なので凍結融解胚移植などを利用し、複数回数移植を行なっても回数は分母には含まれません。

「移植あたりの妊娠率」
新鮮胚移植、初期胚移植、胚盤胞移植、凍結胚移植など様々な分類があります。各施設によって、表現方法が違いますので、注意が必要です。移植当たりの妊娠率は、移植した回数が分母になります。施設によっては2段階移植(初期胚を最初に移植して、胚盤胞をあとから移植する方法)や一度に2個移植しているところもあります。

「年齢別の妊娠率」
年齢別、または年齢階層別に妊娠率を算出する方法です。治療施設によっては、これを細分化し治療法別に算出していることもあります。
一般的に「高齢出産」と言われるのが35歳以上の初産ですが、この年齢あたりから妊娠しづらくなり、38歳からは卵の質も下がり、40歳を超えると妊娠率はガクッと下がってきます。このため年齢階層毎に妊娠率を算出します。
この他、症例あたり、患者あたり、移植あたり妊娠率などがあります。

「累積妊娠率」
累積妊娠率とは、1回(周期)あたりの妊娠率を、累積した(加算した)値のことをいいます。通常一周期あたりの妊娠率は20%前後と言われています。ドイツの研究では、子づくりを始めて6周期で81%、12周期(1年後)で92%が妊娠したという結果でした。この数字は1周期ごとの妊娠率を累積していった累積妊娠率です。

情報を正しく理解するには分母と分子に何が含まれているかをチェック!
妊娠率を考える時に、大事なことは分母になる集団が何であるのかということです。母集団がはっきりとわからない場合、数字だけでは何とも言えないことが多くあります。たとえば、治療をはじめた人すべてが分母に入っているか?採卵できた人や、胚盤胞まで育った人だけを分母に入れていれば、妊娠率は当然高くなり、治療をはじめた人すべてを入れていれば、低い数値となります。
参考ウェブサイト
https://www.funin.info/check/check31
https://www.akanbou.com/knowledge/cat1/02.html

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