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食べて感じる医食同源

もう年末まで2週間、今年も残すところあと少しとなりました。
これからしばらくはクリスマス、忘年会、新年とおいしいものがあふれ、一年で一番体重が気になるところではないでしょうか・・・

食べ物と病気には深い関係がありますが、東洋医学には「医食同源」「薬食同源」という言葉があるように、食べ物と薬の源は同じと考えられています。

その考えに基づき、冷え性の人にはこの食材、逆に暑がりの人にはこの食材、というように体質や体調に合わせて食材を選び調理法を工夫することで食べ物を通して体を改善していきます。特に「冷え」は・筋肉が縮こまる・血行が悪くなる・代謝が悪くなる、と体に良いことは無く、妊娠を考えている方には大敵です。

今日はどんな食材が体を温めるのか、妊活中の方にも冷え性の方にもお勧めのあったかレシピをご紹介しながら、基本となる東洋医学的食事療法の考え方についてお話させていただきます。

四気と五味
東洋医学における食事療法は、大きく「四気」と「五味」からなります。
「五味」はその名のとおり味から、「四気」はからだを温めるか、冷やすか、という観点から食べ物を考えます。

【四気】
四つの気には、寒・熱・涼・温があります。
食べ物が体に入った時に、冷やす方向に働くのか、温める方向に働くのかをあらわしています。

:からだを強く冷やし、熱を下げます。鎮静と消炎作用があります。

のぼせやすい、高血圧の人に向く食べ物とされます

:寒より作用が弱いがからだを冷やして沈静化させます。

代表的な食べ物:きゅうり・セロリ・白菜・スイカ・海藻類・食塩・しょうゆ・砂糖

:からだを強く温めます。興奮作用も。

冷え性や貧血の人に

:熱よりも弱いがからだを温める作用があります。

冷え性の人に代表的な食べ物:かぼちゃ・ねぎ・人参・穀類・マグロ・アジ・肉類(牛・鶏・羊)・栗・桃・胡椒・唐辛子

そして「寒・涼」と「熱・温」 の間に、どちらにも属さない「」があります。キャベツやさつまいも、大豆、とうもろこし、カツオ、タイ、イカ、豚肉、ぶどう・りんご・黒糖などです。

夏が旬の食べ物は水分が多く、熱を冷まし、寒・涼のものが多いと言われます。
冬が旬の食べ物は逆にからだを温める作用のものが多いと言われます。

大まかにはこのように分類されますが、四気は調理法によっても変わってきます。

たとえば、大根はそのまま食べると「」で体を冷やしますが、煮ると「」に変わります。ここに生姜を加えて煮ると「」になります。

煮る・蒸す→炒める→揚げるの順に「熱」の性質が強くなりますので、実は「」の食べ物に入る白菜も、ネギや肉類と煮て冬の代表料理“鍋物”にすると、体を温めてくれる「」に変身します。寒さが厳しくなるこの季節、冷え性の方は生野菜やサラダではなく、火を通した野菜をとるように気を付けてみてください。

【五味】
五味=5つの味には、酸・苦・甘・辛・鹹 があります。

ちなみに生理学的には人間がもつ味覚は4種類(酸・苦・甘・塩)です。最近、第5の味覚として「うま味」が加えられるようになりました。「辛」を感じ取る味覚センサーは無く、触覚と痛覚が合わさることで「辛味」として認識するそうです。辛いと舌がヒリヒリ感じますよね。

さて、東洋医学的な五味は・・・

酸(すっぱい):固める・収める➡収斂作用があり、体を引き締めて活性化させてくれます。
汗をたくさんかく時(夏場や運動時など)は、すっぱいものをとると良いと言われています。
代表的な食べ物:スモモ・みかん・りんご・レモン・酢
代表的な生薬:五味子・白芍(ビャクシャク)

苦(にがい):出す・乾燥させる➡余分なものを取り去ってくれます。熱を下げ、余分な水分を取り去ることで軟便を固めてくれます
代表的な食べ物:ふき・みょうが・もち米・お茶
代表的な生薬:大黄・杏仁

甘(あまい):補う・緩める➡緊張や痛み、筋肉を緩めてくれます。
食べ物:かぼちゃ・さつまいも・しいたけ・米・大豆・肉類(牛・豚・鶏・羊)卵・イチジク・柿・梨・桃・砂糖
代表的な生薬:人参・熟地黄・甘草
疲れを癒し体力を補ってくれます。イライラしたとき、不安定な時、甘いものが欲しくなってしまうのは、緊張を緩めてくれるからなんですね。
また、薬の性質を中和させてくれるので、複数の生薬を配合する時に加えると薬効を調整してくれます。

辛(からい):散らす・巡らす➡発汗や発散作用があります。気や血を巡らせてくれます。
食べ物:唐辛子・生姜・にんにく・ねぎ・胡椒・山椒
代表的な生薬:麻黄・木香・紅花

鹹(しおからい):下す・柔らかくする➡軟化作用があるので便秘を改善してくれます。
食べ物:大麦・昆布・ひじき・あさり・はまぐり・豚肉・栗・クルミ・塩・醤油・味噌
代表的な生薬:牡蠣

(*食材は重複するものもあります)

薬食同源に基づいて、体の状態を改善するように食材や調理法を考えるのが薬膳料理の基本です。

たとえば、五味の中でも「鹹」の性質を持つ食べ物は固まっているものを柔らかくして下ろしてくれるので、便秘の時に昆布やひじきなど海藻類を摂ると便秘解消に役立ちます。また、「鹹」に属する食べ物は妊娠に必要な腎の力を補ってくれるので、妊活中の方にはお勧めしたい食材です。そんな「鹹」に属する牡蠣を使った体を温めるメニューをご紹介します。

白菜と牡蠣のチャウダー(2人分)

・白菜 120g:約1~2枚(ざく切り)
・牡蠣 150g
・人参 1/4本(いちょう切り)
・たまねぎ 1/2個(みじん切り)
・スライスベーコン 2枚(1cmにカット)
・コンソメ(キューブなら1つ。顆粒なら小さじ2)
・牛乳(1カップ)
・バター(大さじ1)
・塩/こしょう(少々)
・小麦粉(少々)

① 牡蠣の水分を拭きとり、こしょうをふって小麦粉をまぶす
② 鍋にバター大さじ1/2を熱して、牡蠣を焼く。こんがり焼けたら取り出す。
③ 一度鍋を拭き、残りのバターとベーコン、にんじん、たまねぎを炒める
④ 水1カップ、コンソメ、白菜を加え、沸騰したら弱火で3~4分煮る
⑤ 牡蠣と牛乳を加え、蓋をして約3分煮る。塩・こしょうで味を調える

牡蠣は生命力の素となる腎の精を補い妊娠力を高めてくれます。白菜と煮ることで体を温めると同時に妊娠力もアップさせてくれる、妊活中の方にとてもおススメのメニューです。

牛乳を半分豆乳に変えるとクリーミーで栄養価も増して美味しいです。

最後に「辛」の食材の黒こしょうをまぶしてちょっとピリッとさせると、さらに気や血の巡りをよくしてくれます。

 

食べ物ですべての栄養をバランスよく摂取できることが一番ですが、外食が続くとどうしても「甘」の食材が多くなってしまいます。ビタミン・ミネラルなど体を整えてくれる栄養素が足りなくなると、カロリーはたくさん取っているのに代謝が悪く疲れやすい冷えた身体に・・・

多くとりすぎた五味は控え、足りていない五味を加える。難しい栄養計算はなかなか続けられなくても、五味や四気のバランスを整えることにぜひ気を付けてみてください。

10年後の身体は今食べているもので作られていると言われます。
家族や友人と食卓を囲む機会の増える年末年始。
食卓の中の五味と四気を探しながら、健康なからだ作りについて楽しくお話しされてみてはいかがでしょうか。

鍼灸師 村上 華子

参考文献:「やさしくわかる東洋医学」かんき出版

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