今回は男性不妊の原因「逆行性射精」についてです。
男性の方なら、ご自身のお身体で起こることなのでよくお分かりかもしれませんが、、、
女性の方、射精とは、どの様に行われているかご存知ですか?
知らない方の為に射精のメカニズムをご紹介しますね。
もう知ってる、知ってるって方は、、、ここを去らずにその先にある「逆行性射精」のところに進んでいただければ幸いです。
さて、射精のメカニズムですが、男性のシンボルでもあるペニスは、陰茎と呼ばれていて、海綿体でできています。内部中央には尿道が通り、先端の亀頭部分にある外尿道口に通しています。
ちなみに、尿道から排尿も射精も行われまずが、セックス時には、膀胱に繋がる部分が閉じて尿が出ないようになっています。
陰茎は、普段やわらかく垂れさがっていますが、性的に興奮すると、ここに平常時の5~8倍の血液が送られます。すると、海綿体は充血して太く長く硬くなります。これが勃起です。
また、興奮状態が強まるにつれて、精巣上体で蓄えられていた精子は、精管を通って精嚢近くの精管膨大部に移動します。そして、精嚢から分泌された液体とともに射精管へ押し出され、さらに前立腺から出た分泌液とも合わさり、精液の準備が完了します。
最後に、尿道や海綿体の筋肉収縮によって性的興奮が絶頂に達したときです。激しい収縮の圧力に乗り、精液は一気に尿道口へ射出されるのです。これが射精です。
今回ご紹介する 逆行性射精 は、射精時に精液が膀胱に流れてしまうことのことをいいます。また、逆行性射精は、一部の精液だけ体外に放出される「不完全逆行性射精」と、全く精液が放出されない「完全逆行性射精」に分けられます。
原因は?
原因は半分近くが原因不明。4割が糖尿病、脊髄の損傷、薬の副採用や外科的手術があげられます。こういったものにより、射精時に閉じているはずの膀胱の一部の弁が開いたままになってしまい逆行性射精が起こるそうです。
症状は? 検査方法は?
症状は特に痛みはありません。完全に精子が出ていなければ気づくかもしれませんが、不完全逆行性射精の場合だとなかなか気づきにくく、治療開始に遅れがでることもあります。検査方法としては、尿検査によって調べることができます。量が少ないなど少しでもいつもと違うと感じたら、不妊治療専門のクリニックか泌尿器科を受診することをおすすめします。
治療方法は?
主に薬での治療となります。
糖尿病が原因の場合は、血糖値をコントロールすることで改善が期待できます。また、ユリーフ錠を内服していることが原因の場合は一時服用をやめる、または薬を変更するなどの方法で改善が期待できます。
その他の原因に対しては、膀胱への逆流を防ぐ弁を閉じる効果のある薬(プソイドエフェドリン、フェニレフリン、クロルフェニラミンなどの)を使用します。約3割の方に効果があるといわれているそうです。しかし、これらの薬のほとんどは心拍数を増やし、血圧を上昇させる作用があるので、高血圧の人や心臓病のある人には危険です。
それでも完治できない場合は、人工授精や体外受精で、元気な精子を取り出して妊娠を目指すことになります。
最近当院でも男性不妊で悩み、来院されている方が増えています。
何か気になることがございましたら、1人で悩まず私たちにご相談いただければと思います。
鍼灸師 荒北 美鈴
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