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未成熟卵体外成熟(IVM)

未成熟卵体外成熟(IVM)とは

まだ成長段階にある卵子を採卵し、体外で24時間かけて成熟させること(未成熟卵体外成熟:IVM=in vitro maturation)をいいます。

通常体外受精(IVF)では卵胞の直径が18㎜前後で採卵を行い、採卵した成熟卵を使って体外受精を行います。
これに対し、未成熟卵体外成熟(IVM)とは、卵胞の直径が7~10㎜前後の時に採卵を行います。
採取した卵子は未成熟なため、特殊な培養液を使って体外で成熟(IVM=in vitro maturation)させます。
この未成熟体外成熟卵(IVM)を使って体外受精(IVF)を行う事を IVM-IVFと言います。

【卵子の成長過程】

未成熟卵には2つの段階があります。
より成熟に近いMⅠ期と、それより未熟なGV期です。
M1期の卵子であれば採卵当日に成熟する可能性がありますが、GV期の卵子はその日に成熟することはありません。
IVFで採卵対象となるのは、class8の成熟卵子です。
これに対し、IVMで採卵対象となるのはGV期(class6~)の卵子です。
GV期の卵子は未成熟なため、特殊な培養液を使用して約24時間かけて成熟させます。
しかし成熟率はあまり高くは無く、約50%ほどと言われています。

IVMの有効な場合
少ない卵巣刺激、あるいは無刺激で採卵するため、
・多嚢胞卵性卵巣(PCO)の方
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方
・採卵しても未成熟卵が多い
・誘発しても卵子がなかなか体内で成熟しない
などの方に有効です。

メリット
・強い刺激を行わないため、卵巣刺激過剰症候群(OHSS)を避ける事ができます。

デメリット
採卵率が通常のIVF=70~80%に対し、IVM採卵率50%と非常に低い。
・必ず成熟卵に成長するとは限らない。
・その後の受精率、妊娠率ともに通常IVFより低い。
(妊娠率15~20%と言われています)
・必ず顕微授精が必要
体外で培養を行うために卵子を包む顆粒膜細胞を破る必要があり、IVMでは必ず顕微授精が必要となります。(顆粒膜が無い卵子は通常のIVFでは受精しません)

IVM採卵の進め方

① 通常の採卵と同じように超音波で卵巣を検査し、前胞状卵胞(アントラルフォリクル)を確認します。
② IVMでは主席卵胞形成前に採卵を行うため、卵胞経7㎜程度になったら採卵をおこないます。
③ 採卵:未成熟卵ははがれにくく採卵がとても困難です。そのため、採卵率も50%(通常IVF70~80%)と非常に低いのが現状です。
④ 培養:特殊なIVM用培養液を使用します。FSH等のホルモン、患者様の血清などを使用する事もあります。約50%の確率でMⅡ期の卵に成熟すると言われています。
第二減数分裂中期に達した卵が成熟卵です。
核分裂により余分な染色体が細胞外に放出されます(第一極体)。これが成熟のサインです。

⑤ 受精:体外で培養するため卵子を覆っている顆粒膜細胞をはがしているので、受精は必ずICSIとなります。

受精後の培養や移植は通常IVFと同じです。
が、胚盤胞までの成長率はIVFほど高くはありません。

妊孕性温存の新しい方法として、卵巣組織の凍結や卵子の凍結保存が実用化されています。
同じように今後IVMの技術が更に進めば、刺激による採卵の仕方が大きく変わる可能性もありますメモ
患者様にとってより刺激や負担が少なくなるだけでなく、PCOSの患者様や体内での卵子の成長に問題のある方にとっても新たな方法が開けるIVM。
このような技術の研究が進む事を期待し、今後も注視していきたいと思います。

鍼灸師
村上 華子

画像出典
:文献から引用(From Gougeon A: Regulation of ovarian follicular development in primates: facts and hypotheses. Endocr Rev 17:121, 1996.)
:金沢たまごクリニック 2012.07.14 Tamago Clinic LaboReportより引用—–

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