9月末、「社内にインフルエンザにかかっている人がいるんです!」とおっしゃる患者様がいらっしゃって大変驚きました。
例年、流行時期は12月から3月ですが、もう感染している人がいるんだなぁと。
確かに、4月になってもインフルエンザにかかったという話も耳にするので、前後の時期も油断はできないものですね。また後日、他の患者様からも、「妊娠してからインフルエンザの予防注射を受けても大丈夫なんですか?」とご質問を受けました。まだ、日中は夏のように暑い日もありますが、流行全盛期の冬まであと2か月。
あっという間にシーズン到来です。
妊娠中は免疫力が低下しやすく、風邪をはじめとする感染症にかかりやすくなるので特に注意が必要なのに、赤ちゃんへの影響が心配・・・という方は他にも大勢いらっしゃると思います。
それに対して、厚生労働省のHP「妊娠されている方へ~新型インフルエンザワクチンの接種にあたって」には、以下のように表記されています。
●妊娠初期にインフルエンザワクチンの接種を受けたことにより流産や先天異常の発生リスクが高くなったという報告は現在のところありません。
●予防接種における有益性と危険性を、ご自身の基礎疾患や出産予定日等を踏まえて主治医と相談した上で、接種の適否とその時期を決定するようにしてください。
●また、新型インフルエンザワクチンは母乳を介してお子様に影響を与えることはないとされています。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンといって、死んだウイルスを使用して作られているので毒性はありません。ですから妊娠中に予防接種をしても母体にも胎児にも影響は極めて低いとされ妊婦さんが希望する場合は予防接種をしても良いことになっています。
また、接種時期に関しても妊娠の全期間において可能とされています。
ただし、妊娠初期は自然流産の起こりやすい時期でもあることから避けたほうが良いとする意見もあります。接種する場合は接種予定の病院にあらかじめ確認をしておくと安心です。
いつ受けても大丈夫とは言っても、インフルエンザワクチンは、抗体ができるまで2~4週間かかり、5か月程度その効果を保持できると言われています。ピーク時期に効果を期待するなら、11月中にはワクチンを受けておくことがおすすめです。
しかし、予防接種を受けていてもインフルエンザにかかってしまった!という場合、妊婦は薬を飲んでも大丈夫なの??という心配がまたあります。
通常はインフルエンザの特効薬であるタミフルやリレンザを使いますが、妊婦に限り、インフルエンザウイルス薬は、はっきりと安全性が確認されていないので十分な考慮の上で投与することになっています。妊婦への投与で有害な事柄は発生しなかったという報告も一部でありますが、安全性、有益性に関する研究データはまだ不足している状況です。予防接種をせずにインフルエンザにかかってしまうと赤ちゃんへの影響を考慮して薬もすぐに出せない状況になった場合、治るまで時間がかかってしまうかもしれません。予防接種をしても、インフルエンザにかかったという方もたくさんおり、インフルエンザワクチンは効かない!という話もありますが、重症化を予防することができるので接種が勧められているものなのです。
季節の変わり目で、のどが痛い、鼻水が出るなどの症状を訴える方が9月末から非常に増えました。
予防接種も大切ですが、それに合わせて、日常的に手洗い・うがい、適度な湿度を保つ、睡眠・栄養を十分取るなどして、免疫力を高め、予防を心がけましょう。
参考に、厚生労働省のHP「妊娠・基礎疾患等をお持ちの方々へ」こちらもご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_ninpu.html
鍼灸師 中嶋 恵子
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