皆さん、先日のシルバーウィークはどのようにお過ごしになりましたか
私は、シルバーウィークの最終日に不妊鍼灸ネットワークの勉強会にて出産ジャーナリストの河合蘭先生の講演を聞かせて頂きました。
その時に先天異常のお話が出てきましたので、今回はそれも含めて「先天異常の頻度や種類」について書かせて頂きたいと思います。
【先天異常とは?】
機能的・形態的な異常が先天的にある疾患のことを言います。
外形や臓器の形・数などの異常(いわゆる奇形)や機能的異常(代謝異常など)もすべて含まれます。
先天異常のほとんどが胎生期~1歳までに発見されます。
【先天異常の原因】
ほとんどが原因不明ですが、関係するものとして2つの要因が挙げられています。
つ目:両親から受け継いだ遺伝子によるもの遺伝的なものとしてよく知られているのは、血友病や筋ジストロフィーなどで、これは、親から受け継いだ遺伝子(人間をつくる設計図のもと)の異常によるものです。
つ目:胎児期環境の影響によるもの胎児期環境の影響によるものとして、放射能や薬剤による化学物質、栄養障害や酸素障害、風疹などの感染症があります。たばこやお酒もその一つです。

表)日本産科婦人科学会HPより
【先天異常の発生頻度】
出生全体の3~5%という割合で起こっています。
一見、少ないように思えますが、出産までいかずに早期流産してしまうものなども含めて考えるとそう少なくはないでしょう。
【先天異常の種類】
日本産科婦人科医会のデータを見てみると、心室中隔欠損など心臓病が多くみられます。

表)日本産科婦人科学会HPより
先天異常はどのようなものなのでしょうか
上位にある疾患を説明して行きたいと思います。
①心室中隔欠損
左右の心室を隔てる壁に穴が開いている。
成長する過程で30~50%が自然に閉鎖する。
②口唇口蓋裂
唇が割れた口唇裂と、はぐきの部分まで割れて鼻の穴までつながっている口蓋裂がある。
手術で治すことができる。
③21トリソミー(ダウン症)
顔面骨の異常。つり目、手足の指の奇形、精神発達障害を伴う。
〈ダウン症候群発生率〉
全体 700人に1人
35歳では約300人に1人
40歳では約100人に1人
【先天異常の検査】
一般的な先天異常の7割は超音波検査(出生前診断を目的とした)で発見することができますが、染色体異常である21トリソミー(ダウン症)は、羊水検査などの特別な検査でしか発見することができません。
しかし、この羊水検査は、流産や感染症などのリスクを伴う為、今ではNIPT(新型出生前診断)という検査法が注目されてきています。
詳しくは、出生前診断 をご覧ください。
〈胎児ドック〉
現在、胎児ドック(出生前診断)は「命の選別」につながると様々な議論がされていますが、医療技術は日々進歩しており、検査費用も安価になってきています。
アメリカタフツ大学のダイアナ・ビアンキ博士は、ダウン症の胎児診断と早期治療の可能について、出生前に中枢神経系の発達改善の可能性があるという衝撃的なレポートも報告されています。
またその他に、NT(胎児の首の後ろの厚み)や頭殿長(頭からお尻までの長さ)を測ることによってダウン症などの可能性を知ることが出来る胎児診断(超音波検査)などもあります。
【最後に…】
先天異常の中には、胎児期の頃に異常をみつけ、対処することができるものもあります。
また、薬剤に気を付けたり、葉酸を摂るなどして防止することもできます。
葉酸が不足した場合、先天異常である二分脊椎症など、神経管閉鎖障害の発症のリスクが高まってしまいます。
当院では葉酸の他、豊富なビタミンとミネラルを含んだサプリメントでサポートをさせていただいています。
ご興味がある方は一度ご覧ください
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鍼灸師 與 ゆい
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