なぜ妊活・不妊に鍼灸が効くのかその効果を教えてください

不妊鍼灸治療の様子
こんにちは。現在妊活中です。ウェブサイトで不妊治療について検索しています。鍼灸治療を併用している人が沢山いますが、鍼灸は不妊に本当に効果的なのですか? また、なぜ鍼灸が不妊に効くのか教えてください。

なぜ鍼灸が不妊に効くのか?不妊鍼灸の効果についてお答えします。

鍼灸を受けると血行が良くなります。赤ちゃんができにくい人は子宮や卵巣への血流が悪くなっていることがあります。また、ホルモンのバランスが崩れています。鍼灸を受けると、全身の細い血管の血流もよくなり、子宮や卵巣の血流も上がります。更に、脳の血流も良くなり、ホルモンバランスが整います。子宮・卵巣・脳の血流を改善する効果があります。

また、子供がなかなか授かれないことや不妊治療はとてもストレスがかかるといわれています。ストレス改善に鍼灸は効果的です。

血流が良くなることで、冷えが改善し、多くの人が悩まされている肩こりや腰痛、手足などの冷えも解消します。血流が良くなることで顔色も良くなり、肌の状態もきれいになります。

肌の状態がきれいになるということは、実は内膜の状態も良くなっていると言えます。

肌がきれいになることには2つの理由があります。1つは血流が良くなること。もう一つはホルモンバランスが整う事。皮膚と粘膜は同じ外胚葉の細胞からできています。皮膚の状態が改善されていくということは、粘膜もきれいになっているといえます。ですから、例えば採卵時に傷ついた卵巣や粘膜の状態も改善します。子宮の粘膜の状態も改善するため、着床環境も整います。

さらに、鍼灸は卵子そのものの質を良くします。卵巣への血流がよくなるだけでなく、脳の血流量も増え、ホルモンバランスも良くなり、その結果、「卵子の質が良くなった」「いままで採卵できなかったのが採卵できるようになった」「子宮内膜が厚くなった」という患者さんからの報告も少なくありません。女性の年齢が高くなるにつれ、卵子の質が落ち、妊娠しにくくなるといわれています。卵子の質が良くないと、せっかく受精しても受精卵がきれいに分割せず、胚盤胞や移植まで進まない場合もあります。

目次

不妊鍼灸に効果があるというエビデンス

不妊鍼灸の効果が最初に世の中に知られるようになったのは2002年のパウラス氏らの報告です。
体外受精の前後に鍼灸を行うことによる、妊娠率を比較し、妊娠率が26%から42.5%まで改善したと報告しました。
Paulus WE, et al: Influence of acupuncture on the pregnancy rate in patients who undergo assisted reproduction therapy. Fertil Steril. 2002;77:721–4.

その後、2008年にManheimer氏が論文を集積し、妊娠前後に鍼灸をすると妊娠率はあがると結論付けました。
そこから、アメリカの体外受精のクリニックでは、鍼灸が積極的に取り込まれるようになりました。

Manheimer E, et al: Effects of acupuncture on rates of pregnancy and live birth among women undergoing in vitro fertilization: systematic review and meta-analysis. BMJ.2008 Mar 8

当院では、東京都品川にある、京野アートクリニック高輪との共同研究を2019年日本不妊カウンセリング学会にて「当院で鍼灸治療を受けられた方の調査報告」を発表しました。

鍼灸治療後の妊娠率は54.3%(19/35)流産率15.8%(3/19)、同時期に胚移植を受けた方で鍼灸未実施群の妊娠率は33.4%(113/338)、流産率は28.3%(32/113)でした。

妊娠率は上昇し、流産率は低下する結果となりました。
詳しい研究内容はこちらを参考にしてください。
https://ivf-kyono.com/column/post-3569

また、近年では、移植前後に3回鍼灸を受けることで、妊娠率が2倍になったという報告があります。

Pinar Gursoy Guven, et al: Effectiveness of acupuncture on pregnancy success rates for women undergoing in vitro fertilization: A randomized controlled trial. Taiwan J Obstet Gynecol.2020 Mar;59(2):282-286.

その他、鍼灸が不妊に効果があるエビデンスとして

1)ホルモンバランスの調節作用

ホルモンバランスを調整することにより、卵胞の発育や排卵調整の作用があげられています。鍼灸が視床下部―下垂体―性腺系(HPG系)と視床下部―下垂体―副腎系(HPA系)に影響を及ぼし1)卵巣機能や卵胞の発育、排卵の調整に影響を与えている可能性が示唆されています。2)

1) Stener-Victorin E, Lundeberg T, Waldenstrom U, et al: Effects ofelectro-acupuncture on corticotropin-releasing factor in rats withexperimentally-induced polycystic ovaries. Neuropeptides 2001; 35: 227–231.
2)Stener-Victorin E, et al: Electroacupncture as a peroperative analgesic method and its effects on implantation rate and neuropeptide Y concentration in follicular fluid. Human Reprod. 2003;18(7):1454-1460

2)子宮と卵巣の血流改善

子宮内膜及び卵巣の血流の改善は妊孕性の向上と関連していることはすでに25年以上前に分かったいました。3)鍼灸は子宮動脈の拍動指数を低下させ、子宮の血流動態に影響を及ぼします。4)特に、卵巣の微小循環が活発なることはすなわち卵子の成長や成熟に影響を与えると考えられる。また、卵巣の交感神経活動の調節に関わることや5)血管新生因子の産生が報告されています。。6)

3)Sterner-Victorin E. Waldenstrom U, et al :Reduction of blood flow impedance in the uterine arteries of infertile women with electro-acupuncture. Hum Reprod. 1996:11(6): 1314-1317
4)Sterner-Victorin et al: Reduction of blood flow impedance in the uterine arteries of infertile women with electro-acupuncture. Hum Reprod. 1996: 11(6): 1314-1317
5)Sterner-Victorin et al: Steroid-induced polycystic ovaries in rats: effect of electro-acupuncture on concentrations of endothelin-1 and nerve growth factor(NGF), and expression of NGF mRNA in the ovaries, the adrenal glands, and the central nervous system. Reprod Biol Endocrinol, 2003:1:33.
6)Wang SJ et al: Functional improvement by electro-acupuncture after transient middle cerebral artery occlusion in rats. Neurol Res, 2003:25 (5):516-521

3)ストレス、抑うつ,不安の軽減効果

オピオイドペプチド(ストレスを軽減する物質)の増加、交感神経活動の低下(卵巣・子宮の血流の増加)、偏桃体でのニューロペプチドYの調節(苦しみの感覚を低下させる効果)、HPA系への影響などの複合的な効果がストレスを軽減させると考えられている。7) また、ボストンIVFドマール博士の報告からストレスの軽減は妊孕能を高めることが示唆されている。8)

7)Anderson BJ, et al: In vitro fertilization and acupuncture: clinical efficacy and mechanistic basis. Altern Ther Health Med. 2007:13(3):38-48
8)Domar AD et al: Impact of group psychological interventions on pregnancy rates in infertile women. Fertil Steril, 2000 : 73(4):805-811

このような鍼灸の様々な効果により、鍼灸は不妊に効果があることのエビデンスが蓄積されています。

但し、効果には個人差があります。自律神経の乱れが理由で妊娠できなかった場合は、ほんの数回の治療で自然妊娠する場合もあります。卵子の質に問題がある場合は目安としては3カ月から半年間ぐらい続けて治療をうけると良いでしょう。お体の状態によっては、少し時間がかかってしまわれるかたもいらっしゃいますが、お体の状態を確認しながら、また、病院の治療計画もお聞きしながら治療を進めてまいりますので、ご安心ください。

不妊鍼灸を受けるとにより冷えなど様々な不調が解消し、夜もぐっすり眠れるようになります。副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスして食欲、性欲もわいているでしょう。不妊治療でなかなか結果がでなかったけど、ステップダウンして、鍼灸治療だけで体調を調整していたら、自然妊娠したという患者さんもいます。

アキュラ鍼灸院では、最高の体調で赤ちゃんを迎えられるよう全力でサポートさせていただきます。

アキュラ鍼灸院
院長 徐 大兼

 

執筆者紹介

アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)
院長 徐 大兼

プロフィール

アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)

妊活は、時間との闘いでもあります。その大切な時間を一秒たりとも無駄にしたくないと私たちは考えています。妊娠する能力を高め、より早く結果を出すことをお手伝いすることが私たちのミッションです。

不妊鍼灸でお腹の凝りをほぐし、子宮・卵巣本来の力を引き出します。また、身体の不調と自律神経を整え、卵巣への血流を促進し、卵巣機能改善サポートを行います。

不妊治療中の不安をお聞きしながら、「妊娠しやすい身体」になるため、全力でサポートします。

こころもからだも温める… 東京での不妊鍼灸治療はアキュラ鍼灸院へ

03-5469-0810

診療時間(火曜日休診)
10:00~21:00(月・水)
9:30~21:00(木)
9:30~19:00(金)
9:30~18:00(土・日・祝)

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