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森のオーケストラ「ハイパーソニック・サウンド」で心と身体の奥からリラックス

新緑の季節、5月は快適な気温で、外出するのが楽しみになります!音譜
ゴールデンウィークは、皆様のんびりと身体とこころを休めることができましたでしょうか?

私は、以前から楽しみにしていた映画を見に行きました。タイトルは「うみやまあひだ」。
2013年に伊勢神宮で行われた「第六十二回式年遷宮」を10年にわたり撮りつづけてきた写真家・宮澤正明氏の長編ドキュメンタリー映画です。ー伊勢神宮の森から響くメッセージーというサブタイトルで、約1300年にわたり続けられている、20年に1度の式年遷宮の様子や、伊勢神宮の森、白神山地、木曽の大楢林、など全国の森をそれに関わる人々と共に、私たち日本人の心の根底に流れているものを探っていくような映画です。映像や音もすばらしく、見ているとその場所に吸い込まれて全身が癒されるような感覚があり、その心地良さに心酔し、様々なジャンルの賢人の言葉に心を打たれ、自分の日本人としてのアイデンティティーを再確認したような気がしました。

その中で、ぜひ患者様や知人にもお伝えしたい!と印象に残ったのが、脳科学者の大橋力先生が語っていた、森のオーケストラ「ハイパーソニック・サウンド」についてです。

地球上には、たくさんの音が満ち溢れていますが、人間の耳に聞こえる音の上限は20KHzまで。
つまり、それ以上の高周波の音は、存在していても、音としては聞き取れません。
そうした、人間の耳には聞き取れない高周波を豊かに含むのが、「ハイパーソニック・サウンド」。
私たちはその音を耳では聞こえないものの、皮膚や身体で感受していると言います。そうした音が中脳や間脳など、脳の奥にあって心身の健康に非常に重要な役割を果たしている基幹脳の活性を回復させる効果があることを脳科学者の大橋先生が発見されました。そして、その音が人の精神や肉体にポジティブな作用(=ハイパーソニック・エフェクト)をもたらすことも、解明されつつあります。

ハイパーソニック・サウンドの宝庫は熱帯雨林。特殊なマイクを使ってそこで収録した空気振動の周波数スペクトルをみると、人間の可聴域をはるかに超えた100KHz以上の高周波音にあふれているそうです。
その音源の多くは、驚異的な数に上る虫や鳥の声、そして樹木や風の音。大地からは湧き出るように、樹冠からはシャワーのように音が降り注いで、自然の大合唱を生んでいるといいます。
こうした音で私たちの心身が癒されるのは、人類の生命の起源と無縁ではありません。

アフリカの森林地帯で生まれた人類は、誕生以来のほとんどの期間を森の中で暮らしていたといわれます。そして、その記憶が遺伝子に刻み込まれ、森の中にいる時に一番よい状態になるように設計されているのだとか。私たちの心身は、熱帯雨林のような音環境の中で、はじめて、本来のリラックスを体感できるらしいのです。

しかし、森なら何でもいいというわけではありません。さまざまな樹木が生え、無数の虫や鳥、動物がそこに棲むことで、はじめて豊かな音が構成されるのだとか。まさに、生物多様性の上に、人間の快適性が保障されているというわけです。 熱帯雨林ほどの生物多様性はないにせよ、ハイパーソニック・サウンドは、自然性を残した日本の森や屋敷林にも存在するといわれます。しかし、スギやヒノキばかりが植えられて単一化した人工林では、その恩恵にあずかるのはむずかしいとも。私たちが雑木林や鎮守の森などに入った時に心地よく感じるのは、目に見えないものも含めて、そこに多様な生物が存在していればこそなのでしょう。

一方、現代都市の環境音やCD、携帯プレーヤー、デジタル放送には、こうした自然由来の超高周波音はほとんど含まれていないのだとか。そして、こうした音環境の偏りが、生活習慣病や精神疾患などの現代病のリスクを高めているという指摘もあります。

この映画を見た直後に、たまたまテレビで明治神宮の森のドキュメンタリー番組を見て、多様な樹木が生え、東京で絶滅したと思われていた希少な生物の宝庫であることを知り、早速足を運びました。伊勢や里山まで足を運べなくとも、都会のオアシス神宮の森や、上野公園、高尾山など都心から近い場所でも、小さなオーケストラを聞くことができるかもしれません。

ストレスの発散、自律神経の働きの回復に、お休みの日には森に出かけてリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

鍼灸師 中嶋恵子

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