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男子のための不妊治療講座 – 超初級編 –

ようやく春らしい気候になるとともに、花粉の季節もやってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?さて、本日はタイトルにもあるように、男性のための不妊治療のお話をしたいと思います。

といっても、男性不妊に関する詳細なお話ではありません。多くのカップルで不妊治療のスタートは、女性がクリニックに訪れることから始まります。一通りの検査をしてから、男性も連れられて訪れるというパターンがほとんどです。

ご主人を連れて行っても、内容がちんぷんかんぷんで理解できていない様子であったとのお話をよく伺います。

そうなのです。多くの男性は、赤ちゃんができる仕組みについての予備知識をほとんど持ち合わせていないのです(自分自身がその大切な役割を持っていながら!!)。

もちろん、保健体育の授業でほんの1時間程度の授業はあります。でも、小学校高学年や中学生の男子にそのような知識を提供しても、関心は違うところに向かうばかりです。

男性も結婚をして、子供が欲しいと思ったなら、もう一度あらためて、赤ちゃんができる仕組みについて勉強する必要があるのです。

この男性の知識不足という事実は、女性の皆様にも知っておいていただきたいことです。男性は、赤ちゃんができる仕組みに多く関わるところの生理周期に関して、体感的に知ることができません。また、その知識を得る機会もほとんどありません。

高度生殖医療に進むほど、そのような知識を理解した上でないと、正しい判断や協力体制をつくることはできません。子供を作る、出産する、育てるということはとても大変なライフワークであり、協力体制が必要です。

そのスタートの時点で男性が除け者にされてしまっては、家族の絆をつくっていくこともできないでしょう。

それでは、とても初歩的なお話からしていきます。人間は、他の動物と違って繁殖期がありません。一年中妊娠することが可能です。ただし、その中でも成熟した卵子と精子が出会って受精することが可能な時期が限られており、そのサイクルがおよそ28日周期で繰り替えされます。そのサイクルを女性の生理周期をベースにして解説します。

■月経期:この時期は、受精した卵が着床するために準備していた子宮内膜が出血を伴い、剥がれ落ちてリセットされる時期です。およそ5~7日間。

■卵胞期:卵胞刺激ホルモン(FSH)の働きにより、卵巣にある原始卵胞が成長をはじめます。卵胞ホルモン(E2)が卵胞の成長とともに分泌され、それに伴って子宮内膜も厚くなっていきます。およそ5~7日間。

■排卵期:卵胞ホルモン(E2)の分泌がピークに達すると黄体化ホルモン(LH)が分泌され、卵胞から卵子が排出されて、卵管の先端(内側からの子宮への通り道)にキャッチされます。卵子は卵管を通っている途中で、精子と出会い受精します。この時期の前に子宮口が開き、精子を受け入れる体制をつくります。それまで精子は子宮の入り口で成長しながら待っています。

卵巣==卵管==子宮
卵子→→←←←←←←←精子
⇒受精卵

■黄体期:排卵のあと、黄体ホルモン(P4)が分泌され、子宮内膜が柔らかくなり、受精卵が着床する環境をつくります。この時期に基礎体温も高くなり、着床を継続して、妊娠に至るまでの時期となります。この時期はおよそ14日間続き、着床していなかった場合は、月経期となり、サイクルを繰り返します。

以上のようなサイクルが人間の妊娠するためのサイクルになります。当たり前の知識のようで、改めて男性が目にすることがない知識かもしれません。このような仕組みを理解しなければ、タイミング療法、人工授精、体外受精など、どのような時期に、どのようなアプローチをしているのか?妊娠を阻害する要因にどのようなものがあるのか?理解することは難しいでしょう。

また、もう一つ重要なことが、原始卵胞に関しては、生まれたときにおよそ200万個と数が決まっており、それが休眠状態になっております。その中でも成長過程で淘汰されて、自然状態で実質的に排卵前まで成長するのはおよそ400個と言われています。卵胞の成長環境の悪化に伴う卵子の質の低下の問題は話題になっている通りです。それに対して、精子は細胞分裂による増殖を繰り返すことができるので、女性よりも生殖可能年齢は一般的に長くなっています。それでも高齢化に伴う精子要因での遺伝子異常などもあり、まったく油断できる問題ではありません。

今回は男性としては、改めて質問するにははばかられるような初歩的な内容です。また、男性にとっては、このような生理周期の話は、未知の神秘のできごとのように思えて、敬遠してしまいがちです。上記のサイクルは女性の身体や心にも変化を及ぼすものです。多くの治療は記載したホルモンを外部から補充するようなかたちで行われます。それゆえ、女性の体調に大きな変化をもたらします。知識があれば、実感することができなくても、そのような境遇にある女性の心理を理解して接することもできるかもしれません。

是非一度、この内容をご夫婦で読んでみてください。

鍼灸師 小林 哲也

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