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大人になったら「新しい体育」を!!

 一年の中でも一番寒い時期に差し掛かりましたが、いかがお過ごしでしょうか?風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなどがこの時期蔓延します。寒さは勿論のこと、空気も乾燥してウイルスも飛びやすくなり、年末年始の疲れを引きずった身体の抵抗力は弱りきっております。この時期こそ、いつも以上に体調管理、睡眠、休養、食事にご注意ください。

 ところで、年齢を重ねるたびに風邪にかかりやすくなった、風邪が中々治らなくなった、疲れやすくなったと体力の衰えを感じる方が多くいらっしゃると思います。そんなときに皆さんが思うのは「日ごろの運動不足」だなという振り返りです。大人になると、子供のときに比べて圧倒的に運動量が減ります。そこで学生時代からスポーツなどをしていた人ならば、走ったり、ジムに行ったりと健康のために身体を動かすことができます。ところが、昔から運動神経が鈍いと思い込んでいる人、運動嫌いの人は中々始めることができません。今回は、そんな運動嫌いな人でも、身体を動かしてみようかな?と思うお話をいたします。

 運動嫌いの人の多くは、学校の体育の授業で嫌な思いをしています。学校の体育のほとんどは競争を中心にして、「できる人」と「できない人」がはっきりと分かれ、「できない人」はみんなの前で恥ずかしい思いをしたり、チームに迷惑をかけて申し訳ない思いでいっぱいになります。もちろん勉強の部分でも同じことはありますが、学力に応じて入学する学校も変わりレベルに応じた授業を受けることができ、「できない人」に合わせた補修などが必ずあります。勉強でチームに迷惑をかけて申し訳なく思うことはまずありません。

 私も、小学校低学年くらいまで運動がまったくできず、上記のような理由で体育が大嫌いでした。私の場合は、水泳で泳げるようになる、走るのが速くなるという二つのきっかけで体育が好きになりました。水泳は水泳教室に通った初日に、水に浮くということが楽しいと感じたこと、走るのが速くなったきっかけは、あるときに、風を切っている感覚、身体の使い方でスピードに乗っている身体の感覚がいつもと違ってくることがわかっときでした。自分の身体の感覚を感じて、コントロールすることに集中していたら、周りの目は気にならず、競争相手も視界に入りませんでした。走る感覚だけに集中しているときに、不意に前や横を走っている人を自然と追い抜いていたときの衝撃は今でもはっきり覚えています。どちらも共通するのは、自分自身の身体の変化を感じて、コントロールする楽しみを知ったことです。そこに他人との競争の余地は一切ありません。なぜなら、その感覚は自分でしか絶対にわからないものだからです。本来の運動することの楽しみは、この自分の感覚を感じてコントロールするという部分になるのではないでしょうか?誰かと競争したり、一緒に息を合わせて動くようなことは、もう一段階レベルが上の事象が違うできごとであると思います。

 上記に書いたような考察は、「脳を鍛えるには運動しかない!」(ジョンJ.レイティ、エリック・ヘイガーマン)という本の中で紹介されたイリノイ州のネーパーヴィル高校の「新しい体育」の授業を知って、あらためて生まれたものです。
 その内容は通常の授業の開始前に「0時限目」として、エクササイズの時間が設けられたというものです。ランニングやエアロバイクだけでなく、ビデオゲームの「ダンスダンスレボリューション」で踊ってもいい、心拍計をつけて、個々の身体能力に応じてしっかり強度を上げながら運動をするというものです。評価は、運動の結果や内容ではなく、心拍数がどれだけ運動時に上昇していたかという部分のみです。肥満児では例えのろのろ走っていても、心拍数は最大心拍数まであがっています。つまり、普通の人が全力疾走しているのと同じだけ身体をコントロールしているのです。この評価方法であれば、これまで体育でいい成績をとれていなかった生徒も優秀な成績をとることができ、運動することが好きになります。
 この試みの面白いところは、その結果、生徒のBMIなどの健康度は格段に向上して、さらに学業の成績が大きく向上、校内暴力の減少、メンタルヘルスの向上などが明らかな数値で現れたことです。運動がどれだけ健康に良いか?脳の働きに影響を及ぼすか?という部分に関して詳しくは、ご紹介させていただいた本を読んでみてください。

 以上のような話を読んでいただいて、運動嫌いの人も、今までの嫌な思いは忘れて、「自分自身の感覚を感じて、コントロールする」という面で運動を始めてみませんか?例え直ぐに息が切れてしまっていても、その時点で自分自身の最大値が出せていると思って評価しましょう。少しずつ最大値は大きくなり、目標を立てることができます。他人の目を気にすることは一切ありません。身体を動かす楽しみがわかってきたら、自然にライバルをみつけたり、チームでスポーツすることが楽しくなってくるはずです。健康促進、能力UPのために、大人の「新しい体育」を始めましょう!!

鍼灸師 小林哲也

引用文献:「脳を鍛えるには運動しかない!-最新科学でわかった脳細胞の増やし方-」
著:ジョンJ.レイティ、エリック・ヘイガーマン 訳:野中香方子,NHK出版

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