2012年6月23日(土)午後9時30分~10時20分、NHK総合テレビにて「産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~」が放送されました。
全国の不妊治療クリニックに、30代、40代の女性たちが次々と訪れ、健康なのに、妊娠の可能性が低いと告げられ衝撃を受けている現実を反映した番組でした。その原因は「卵子の老化」。「卵子の老化」は最先端の高度生殖医療でも解決できないことがクローズアップされており、なんとも重苦しい内容でした。
番組を見て、すべての原因が高齢・認識や教育不足にあるといった印象を受けましたがご覧になられたかたはどのように感じられましたでしょうか?
当院でも鍼灸治療を受ける理由として、「卵子の老化」、「卵子の質の改善」と問診表に書かれる方が大変多くいらっしゃいます。
当院では徹底した生活習慣の改善と鍼灸治療を通じ、良質な「卵子」の確保に貢献してます。確かに「卵子の老化」は大きな原因かもしれませんが、「老化」を促進させる生活習慣(ストレス、不眠、偏食、運動不足)が卵子の質の低下に大きな影響を及ぼしていることは私の経験から間違えないことだと思っております。「卵の老化」を促進させる生活習慣ではなく、予防する健康的な生活を送ることで番組で悲しい結末を送られた方ももしかすると違った結末があったのではないのか、と思ってしまいます。もちろん、なにも保証はできませんが、いままで高度生殖医療で結果がでなかった多くの方のお手伝いをさせていただき、その経験からそこに可能性はあることを私は確信してます。
卵子の老化とは…
私たちの身近にあるニワトリですが、老化すると卵の殻が硬くなるそうです。実は人の卵子も歳を取ると硬くなり、授精しにくくなったり、殻をやぶって胚盤胞まで育ちにくくなっていきます。若い卵と比べると分割する速度が遅かったり、途中で分割が止まってしいます。中には卵が取れないといったことも起きます。また「染色体異常」の確率も高まります。
ニワトリや他の動物の卵でも同じことが起こります。
唐突ですが、養鶏農家はおいしくて良質な卵を飼育するためになにをするかご存じですか?
1個50円~100円するこだわりの地鶏卵にはすべて下記のようなウンチクがラベルにいくつか書かれてます。また、商品のセールスポントの一部となってます。
おいしい卵にするために・・・・
1)健康管理を徹底してます。
2)飼料にこだわっており、通常の飼料にさらに海藻、ひえ・あわなどを加え栄養バランスを最適にしております。
3)おいしい湧水・地下水・濾過した水道水を使ってます。
4)放し飼いにし、いっぱい運動をさせてます
5)通常の鶏舎と比べ、ストレスを下げるために、一羽あたりの面積を広めにとってます
6)抗生物質・排卵促進剤など一切使用しておりません。
7)手間暇・愛情を注いで元気に育ててます
当院へ初診時に来院される高度生殖医療を受けている患者様と比べてみると
1)健康管理は徹底できていない。
2)特に食べ物にはこだわってない。とりあえずサプリメントなので補っている人が多い。
3)お水については普通に水道水を使っている人が多い。
4)仕事のストレス、子供ができない・不妊治療のストレスが重なる
5)運動不足の人が多い
6)排卵誘発剤をはじめ、様々な薬は不妊治療に必要
7)今まで自分の体に愛情を注いで手間暇かけてケアしたことがない。
ということで、おいしい卵を育てることとかなりかけ離れていることがおわかりいただけたかと思います。
100円で6個入っている卵と6個で300円ちかくする卵を是非食べ比べてみてください。見た目、味など全く違います。
東洋医学の考え方で妊娠力UP!
中国最古の医学書といわれる黄帝内経という古典のなかに上古天真論という養生法について書いてある編があります。「昔の人は百歳になっても元気だった。今時の人は50歳になるともおうヨボヨボだ。」と2000年前の書物に書かれてます。年齢と成長についての記載もあり、男性は8の倍数、女性は7の倍数で身体が変化していくとされてます。
例えば:
1)永久歯が生え髪が伸びる歳。女7才、男8才
2)男子は生殖力がそなわり、女子では月経が始まる。女14才、男16才
3)女は49才で月経閉止。男は56歳で身体全体が老化する。
とこう書かれてます。
最近初潮が牛肉や鶏に使われているホルモン剤の影響で2-3年早まってます。男性の精子は常に作り続けられますが、女性の卵子はどんどん減っていきます。よって、閉経時期も初潮が早い分、2-3年早まる傾向にあるようです。このことから私は現在の女性の生殖年齢限度を46歳~47歳とみてます。
老化は卵だけでなく、命ある生物すべてに共通することであって逃れることができません。逃れることはできませんが、良く老いる、健康に老いることはできるのです。
健康なのに産めない、できない原因を科学的に証明することはいまのところ不可能に近いため、当院へ来院される多くの患者様もドクターよりこの「老化」を主な原因と言われ、わらをもつかむ思いで来院されます。
話はそれますが、整形外科へ通院されているお年寄りの治療をしていますと、腰、膝、手、首などありとあらゆる痛みにの原因を”老化現象、年だからどうしようもならい”と医者に言われて来院される方が多くいらっしゃいます。シップや痛み止めではどうにもならないので、鍼灸治療に望みをかけて来院されます。幸いほとんどの方が楽になり、また通常の生活に戻ることができるように回復します。
不妊治療も整形外科疾患同様、”老化だからしょうがない”で済まされてしまえばそれまでですが、私たち鍼灸師が貢献できることがまだあることを知っておいてください。だたしリミットは47歳までと私は考えてます。もちろん例外はあると思いますが、同時に私のいままでの臨床上の最高年齢は47歳で出産でした。
未病(みびょう)という用語は、『黄帝内経』で初めて使用された言葉です。
「聖人は既病を治すのではなく、未病を治す」
「病気」でなくても最近は様々なプチ不調で悩まされているかたが大変多くおります。特に不妊治療ではホルモン剤によるお身体への影響が大です。未病を治し、より健やかで健康的なライフスタイルを送り、ココロとカラダを温まれば、きっとあなたの”思い”が”喜び”に変わる日もそう遠くないと思います。
体外受精による出産率は30歳女性で20%。40歳では8%、45歳で0.5%です。
(2009年 日本産科婦人科学会)
科学の力をもってしても、それが限界だということです。しかし、鍼灸治療によってよい卵、よい子宮環境が得られれば、確率を上げていくことができます。
なにより、鍼灸治療によりご自分の体調がよくなっていくのを感じることができるでしょう。体も心もすっきりとしていてこそ、新しい命を迎える準備が整ったといえるのです。最先端の高度生殖医療と2000年の歴史を持つとも言われる鍼灸治療、一見かけ離れた組み合わせのようにも思えますが、実は非常に相性がよい治療法です。
アキュラ鍼灸院
ファリティリーウェルネス
院長 徐 大兼
執筆者紹介

アキュラ鍼灸院院長 徐 大兼(じょう たいけん)
妊活は、時間との闘いでもあります。その大切な時間を一秒たりとも無駄にしたくないと私たちは考えています。妊娠する能力を高め、より早く結果を出すことをお手伝いすることが私たちのミッションです。
不妊鍼灸でお腹の凝りをほぐし、子宮・卵巣本来の力を引き出します。また、身体の不調と自律神経を整え、卵巣への血流を促進し、卵巣機能改善サポートを行います。
不妊治療中の不安をお聞きしながら、「妊娠しやすい身体」になるため、全力でサポートします。
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